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ディズニーの映画製作をMicrosoft Azureでクラウドへ

「マイクロソフト」は言わずと知れた世界最大のソフトウェアメーカーですが、数々の名作や夢あふれるテーマパークでおなじみの「ディズニー」と提携を結んでいることはご存じでしょうか。本記事では、ディズニーが利用しているマイクロソフトのサービスの内容や、その狙いについて解説します。

ディズニーの映画製作をMicrosoft Azureでクラウドへ

マイクロソフトがウォルト・ディズニー・スタジオとのパートナーシップを発表

マイクロソフトは、2019年の9月にディズニーの制作部門である「ウォルト・ディズニー・スタジオ」と5年間の提携を結び、同スタジオのイノベーション・パートナーとなったことを発表しました。

両社はウォルト・ディズニー・スタジオの「スタジオ・ラボ」を通じて、マイクロソフトのクラウドサービス「Azure」上でコンテンツの考案や制作、配信を行うための新たな方式を試行していきます。スタジオ・ラボはスタジオの技術的な柱で、最先端の機材や方式を用いて、これにまでにはない新しい作品を生み出すことを目指しています。

今後は、同スタジオでの制作から編集作業に至るまでの一連の工程、すなわち「シーンからスクリーンへ(scene to screen)」の改革はマイクロソフトが提供するクラウド上で進めていくことになります。

Microsoft Azureとは?

「Microsoft Azure」 は、マイクロソフトが提供するビジネス向けのクラウドサービスです。
その特徴は何と言っても、巨大なネットワークにあります。リージョンと呼ばれるデータセンターが60か所以上あり、世界140か国で利用することができます。
またセキュリティのレベルも高く、さまざまな業界で信頼され、幅広く導入されています。無料でトライアルすることも可能ですので、実際に使ってみて、そのうえで正式導入を検討することもできます。

Microsoft Azureによる現場へのイノベーション

ディズニーとの提携に関して、米マイクロソフトのプレジデントであるケイト・ジョンソン氏は次のようにコメントしています。
「メディア産業にとってクラウドは変革の時を迎えていますが、技術と改革への思いを受け継いできたウォルト・ディズニー・スタジオがこうした変革の先頭に立っていることに驚きはありません」
「Azureは非常に多機能で、世界中どこでも利用できるうえ、ストレージおよびネットワークの性能もほかより優れています。これまで世界の映画産業をリードしてきたディズニーが活用すれば、メディアやエンターテインメントの世界に新たな道を開き、コンテンツや創造性はさらに豊かなものになるでしょう。Azureをコンテンツの基盤のクラウドとして使い、ディズニー・スタジオが生み出す幅広い作品の全てにおいて改革を続けるスタジオ・ラボのチームと仕事ができることに、わくわくしています」

また同様に、ウォルト・ディズニー・スタジオのCTO、ジェイミー・ボリス氏も次のようにコメントしています。
「制作や編集のワークフローの大部分をクラウドに移すことで、世界中でより早く、そして効率的にコンテンツを作ることができると考えています」
「また、こうしてマイクロソフトとイノベーション・パートナーになったことで、私たちは多くの工程を合理化することができますし、わが社の優秀な映像作家たちも、彼らが最も得意とする仕事に専念できるようになります」

マイクロソフトが目指すデジタルトランスフォーメーション

マイクロソフトとディズニーが提携したことで、メディアやエンターテインメント業界にクラウドがより普及していくことが期待できます。今回の提携により、クラウドの仕組みを通じてセキュリティを確保しながら、精度の高いワークフローを整え、コンテンツの制作や配信などができることが明らかになったからです。同時に、新たな利益や効率性が引き出され、制作チームも作業方法を再検討できるようになりました。

両社はともに、メディア・テクノロジーの分野で世界トップクラスの「Avid」とも連携を深めています。既にマイクロソフトとAvidは、戦略的なクラウド・アライアンス(クラウド同盟)に基づいて、「コラボレーティブ・エディティング(共同編集)」「コンテンツ・アーカイブ(コンテンツの保存)」「アクティブ・バックアップ(有効なバックアップ)」「プロダクション・コンティニュイティー(制作の継続性)」などの、クラウド上で実行する複数の重要なメディア・ワークフローを作成しています。

プラットフォームの「MediaCentral」「MediaCentral | Cloud UX」やストレージ・システムの「Avid NEXIS」、ビデオ編集の「Media Composer」のようなAvid製品を使って、複合的なワークフローにより制作を行えば、コンテンツの作成や管理は変革され、さまざまな課題の解決にも役立ちます。これらの製品は、もちろんAzure上でも使用することができます。

マイクロソフトは「インテリジェント・クラウド」「インテリジェント・エッジ」の時代に向けて、デジタル・トランスフォーメーション(デジタル変革)を実現させようとしています。それは「世の中のありとあらゆる人々や組織が、もっとたくさんのことを成し遂げられるようにする」ことが、マイクロソフトのミッションだからです。

まとめ

マイクロソフトとディズニーと言えば一見全く畑違いの企業にも思われますが、だからこそ、新しい化学反応が生まれる可能性もあります。このパートナーシップからコンテンツ制作や配信などの画期的な方式が開発され、映像制作全体の生産性向上も期待できます。自社のビジネスに合わせてクラウドの活用を検討してみてはいかがでしょうか。

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