小売業

店舗運営業務とは?課題や効率化のポイントを解説

店舗運営業務には売上管理や人材管理などといった幅広い業務が含まれます。売上を伸ばすためには、これらすべての業務がいつでもスムーズにまわっていく必要があり、店舗運営業務の効率化は経営者が特に頭を悩ませるところでしょう。本記事では、店舗運営業務の内容や、効率化のポイントについて解説します。

店舗運営業務とは?課題や効率化のポイントを解説

売上管理業務

売上の情報を正確に把握することは、店舗経営を拡大する上で欠かせないプロセスです。売上管理の基本は、閉店後にレジやPOSシステムの記録と伝票を合計した金額を照らし合わせて差異がないか確認するところから始まります。

とはいえ、売上管理において重要なのはお金を数えることだけではありません。売上情報を分析して最近の動向を掴み、そこから得られた結果をもとに新しい施策を実行し、実際に成果を上げていくことに意味があります。売上データを活用することで漠然としていた問題点が数字によって可視化されるため、目では見えにくい課題を洗い出すことができます。

また、施策のプランニングや実行に時間をかけるためにも、分析活動は手早く行う必要があります。

在庫管理業務

在庫管理業務とは、仕入れ先から調達した商品や材料を適切に管理し、必要な商品の種類や量を必要な場所に、必要なタイミングで供給することを指します。

在庫というのは現金化されることを待っている状態なので、在庫が過剰になると倉庫での保管量が増えたり、利益を圧迫したりします。その一方、在庫が不足すると欠品が生じてしまい、販売機会が失われるため売上の低下につながります。

これらを常に最適なバランスに保つためには、商品ごとに仕入れや販売のリードタイムを正確に把握しておくことが欠かせません。そのためには、担当者が仕入れから販売までの情報を一元管理し、在庫管理を徹底する必要があります。

仕入管理業務

仕入管理業務とは、仕入れ先から納入した商品や部品、材料などを発注情報と照合するといった、仕入れに関する一連の業務のことを指します。また、商品をいかに安く仕入れて、必要な時期に間に合わせるための折衝や調整も仕入管理業務の一部です。

仕入管理は通常、仕入れ先を統一し商品の絶対数を増やすことで価格交渉を有利に進めるのが一般的です。ただし、この方法だと仕入れ先の言い値に左右されるため仕入れ価格が安定しません。

さらに、仕入れ先が供給困難になったときには在庫が不足し、販売機会を逃すことにもつながります。そうしたリスクを回避するためには、日常的に複数の仕入れ先を開拓し、リスクを分散することが大切です。

人材管理業務

店舗を運営する上では人的資源が欠かせません。人材管理業務とは、人材を効率的に活用するための取り組み全般を指します。人材管理を構成する要素としては、従業員のシフト管理や勤怠管理のほか、人材の適性配置、採用活動、研修・教育、評価制度の整備、福利厚生など幅広い業務が挙げられます。

人手不足な現場では、業務の属人化が起こりやすくなります。しかし従業員の退職や休職、転勤を機に業務が回らなくなる可能性もあるため、そうした事態に備えてのリスクヘッジも行わなければなりません。

特定の従業員に負担が偏ることは離職率の上昇にもつながるので、従業員の業務負担を改善したり、モチベーション管理も常に行ったりする必要もあります。

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店舗運営業務の課題

店舗運営を行う企業やその経営者たちは、現状どのような課題を抱えているのでしょうか。ここでは店舗サイドと本部サイドの両方から、店舗を運営する上での起こりやすい問題点について解説します。

店舗サイドが抱える課題

ここまで紹介した4つの業務が滞りなく管理できていれば、店舗運営はスムーズに回ります。しかし、実際のところ店舗はさまざまな課題を抱えており、思うように管理業務が行えないケースも見受けられます。

管理業務が滞る最大の原因としては、店舗責任者が接客や事務作業などに追われ、本来の管理業務にまで手が回っていないことです。店舗責任者は企業の本部から日々の業務指示を受けて店舗経営に当たり、1日の終わりには日報を、1週間の終わりには週報を作成して本部に報告するところがほとんどです。

それ以外にも閉店後の売上確認や台帳への記録といった業務も発生し、売上データの分析といった管理業務は後回しにせざるを得なくなるのです。適切な集客施策が取られていない状況を打破するためには、事務作業の効率化が課題となるでしょう。

本部サイドが抱える課題

店舗責任者だけでなく、本部サイドでも問題を抱えているのが現状です。

複数店舗展開をしている企業の場合、本部は店舗ごとの売上や在庫数を把握し、それに応じて売上向上に向けたコンサルティングを行わなければなりません。店舗ごとの管理が行き届かず現場で発生している問題を見極められない状況では、改善点を探すこともままならないでしょう。

また、店舗数が多すぎる企業においては、店舗ごとの売れ筋をキャッチアップできないケースも目立ちます。全体的に「どの商品が売れているか、売れていないか」がわからないと、キャンペーンなどの販促策を練ることも不可能になります。

店舗運営業務の効率化のポイント

まずは既存の業務プロセスが本当にベストと言えるのか、省ける業務がないかどうかを見直してみることが有効です。

あらゆる無駄をなくすECRSの導入

業務の効率化を図る上では、「ECRS(イクルス)の原則」というフレームワークが役に立ちます。

ECRSとは、「Eliminate(排除)」、「Combine(結合と分離)」、「Rearrange(入替えと代替)」、「Simplify(簡素化)」という業務効率を改善するために必要な要素の頭文字を取った言葉で、取るべき行動の順番を示すものでもあります。

もともとは製造業における煩雑な業務プロセスを改善すべく考案されたものですが、販売や事務、営業などあらゆる職種において適応することで効果が期待できます。

Eliminate(排除)

Eliminateの排除とは、「その業務は本当に必要なのか?」という視点で業務全体を見渡し、ほかの業務に支障がでないのであれば、その業務自体を廃止していくことを意味します。

例えば、上司が日報などの報告書をほとんど見ていない場合、日報作成自体を業務から排除するのも1つの手でしょう。また、小売業の現場なら顧客が価値を感じていない過剰なサービスを廃止することで従業員の負担も軽くなり、より重要度の高いサービスに時間と労力を費やせるようになるでしょう。

Combine(結合と分離)

Eliminateの次はCombine(結合と分離)です。同じような性質の業務を結び付けたり、複雑化している業務を分離したりすることで、業務効率を高めることを指します。業務を集約すればそれまで2人で行っていた業務を1人で回せるようになり、人件費などのコスト削減にもつながるでしょう。

Rearrange(入替えと代替)

Rearrangeの入れ替えと代替とは、より効率のよいやり方を模索して作業の順番を入れ替えてみることを意味します。例えば、これまでは企画案をきちんと作成してから上司の承認を得ていたとしたら、アイデアの時点で先に上司の意見を仰いでおけば、後出しの修正指示を減らすことにもつながります。

Simplify(簡素化)

最後のステップはSimplifyつまり簡素化です。ここまで見直してきた業務を再度分析し、売上や品質にマイナスの影響がでないラインを見極めた上で、さらに省ける部分がないかを検討します。完全に廃止するのが難しい業務なども簡素化であれば踏み切りやすく、労働時間やコストを削減できる可能性があります。

店舗管理システムを導入

店舗責任者の業務量を減らすために人員を増やそうとしても、今はどの業界でも人材不足が叫ばれているのが現状です。募集をかけたところで有能な人材が集まりにくく、増員という選択肢は現実的には難しくもあります。そこで推奨されるのが店舗管理システムの導入です。

店舗管理システムは、売上管理や在庫管理、勤怠管理など、店舗の経営に欠かせない機能を備えています。また、作業指示書や報告書がフォーマット化されているので、作成時間の短縮、情報共有もスムーズに行えます。POSデータを分析して必要な営業施策を講じられるだけでなく、本部も各店舗の売上をリアルタイムで把握することが可能です。

その1つである「Microsoft Dynamics 365」は、Microsoft社が提供するCRMアプリケーションです。営業やマーケティング、顧客サービス、商品開発、経営企画といったあらゆる部門の顧客情報を一元管理し、全社規模での情報共有を可能にしてくれます。また、営業やマーケティングにおけるデータ分析や指示書の作成も可能。OfficeアプリやMicrosoftのグループウェアとも連携しやすく、店舗業務の最適化をサポートしてくれます。

これから店舗管理システムの導入を考えている企業の方は、ぜひMicrosoft Dynamics 365を活用してみてはいかがでしょうか。

まとめ

人手不足が深刻化し、店舗管理を担うはずの店舗責任者は作業に追われ、管理業務まで手が回らなくなっています。そこで活用したいのが店舗管理システムです。導入すればPOSデータの分析やリアルタイムでの売上確認、指示書の作成といった業務まで行えます。店舗業務を効率化のためにぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

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