企業が位置情報を活用するとなにができるの?シナリオ3つを紹介

 2021.04.26  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

ビッグデータが普及している今日、企業が自社社員や顧客の位置情報データを持つようになり、あらゆる場面で活用が進められるようになりました。しかし、位置情報データをどのように活用できるのか疑問に思う方もいることでしょう。そこで本記事では、企業の位置情報データの概要や活用方法、また活用事例について詳しく解説していきます。

企業が位置情報を活用するとなにができるの?シナリオ3つを紹介

位置情報データとは

「位置情報データ」とは、人間や車両など動くものの位置を測定したデータのことを意味します。車のカーナビやスマートフォンの地図アプリをはじめ、様々な場面で活用する位置情報データですが、どのような方法で取得するのでしょうか。以下では、位置情報データの取得方法とその特徴について解説していきます。

ビーコンやGPSの位置情報データ

位置情報データの代表的な取得方法としては、「ビーコン」と「GPS」の2つの方法が挙げられます。

まずビーコンとは、低消費電力の近距離無線技術を活用した新しい位置情報特定技術ないしは、その位置情報を送信する発信機そのもののことを意味します。そこで活用されている無線は、Bluetoothの一種である「Bluetooth Low Energy」で、その頭文字を取って「BLEビーコン」と呼ぶこともあります。

ビーコンは、ユーザーがスマートフォンのBluetooth機能をONにしてさえいれば受信が可能で、施設内の実店舗などGPSが活用しにくいオフラインの場所で数多く活用されています。

他方で「GPS(Global Positioning System)」とは、大気圏外の人工衛星から発信された電波を利用して、位置情報データを把握する仕組みを指します。たとえば、私達が日常的によく使用しているカーナビや「Google Map」などの地図アプリには、GPS機能が使われています。

GPSはその性質上、ビーコンよりもはるかに広範囲で位置情報データを取得できます。しかしその反面、宇宙から電波を受信するという性質上、建物の中や地下など、電波を遮断するような環境では使いにくいという欠点も抱えています。

ビーコンとGPSの大きな違いは、その活用範囲の広さにありますが、いずれもリアルタイムで該当端末の位置情報をトラッキングできるという点に特徴があります。

ユーザー登録位置情報データ

位置情報データには、GPSとビーコンの他にも、「ユーザー登録位置情報データ」も挙げられます。ユーザー登録位置情報データとは、サービスの登録時に入力されたユーザーの居住地データを指します。ビーコンやGPSとは異なり、ユーザー登録位置情報データにはリアルタイム性はありません。

従業員の位置情報データ活用方法

現在、日本では働き方改革の一環として、ビーコンデータを活用して従業員の位置情報データをリアルタイムに取得し、経営に役立てる取り組みが進んでいます。

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たとえば、フリーアドレス制のオフィスを導入する企業において、従業員がどこにいるのかを把握するのに役立てたり、会議室やその他のオフィススペースの使用率を調べることで、効率的なオフィス運用を構築するために参考にしたりすることが可能です。

また、新型コロナウイルスの感染対策としては、「密集・密接・密閉」の3密を避ける取り組みが推奨されていますが、位置情報データを活用すれば、どこに他の従業員が集中しているかを確認し、空いている席を素早く探せます。

ただし、ここで取得される位置情報データは従業員の個人情報となるため、事前に従業員から取得の許諾をもらう必要があることに注意が必要です。

顧客の位置情報データ活用方法

顧客の位置情報データを取得し、マーケティング等に役立てる取り組みも進んでいます。

たとえば、その一例としては、顧客の居住地ごとにマーケティングキャンペーンをカスタマイズすることが挙げられます。具体的には、来店確率の高いエリアや競合他社の影響が強いエリアを割り出し、そこに居住するユーザーに対して特別な対策を練るなどが挙げられます。

あるいは、リアルタイムな位置情報の把握に基づいて、店舗に近づいたユーザーに、クーポンやキャンペーン情報をSNSで発信するなどの取り組みをする企業も存在します。

このように顧客の位置情報データは、地域特性を把握することやユーザーの地域・位置ごとに有効なマーケティング施策の検討などに役立てられるのです。

企業の位置情報の活用事例

このように、位置情報データは企業において様々な形で活用できます。続いては、位置情報データを自社の経営に役立てることに成功した、具体的な事例について紹介していきます。

事例1:バスの運行ルートの最適化

イタリアのあるバス会社は、バスの運行ルートの最適化のために位置情報データを役立てました。その企業はまず、バスの運行状況を捉えるために、各車両にGPSを搭載して運行状況をピックアップすることから始めました。

そして、「Automatic Vehicle Monitoring」と呼ばれるシステムに大量の位置情報を一元化し、ピックアップしたバスの位置情報とあわせて、運行ルート近辺のイベントや時刻・季節などに関連する乗客数の増減、バスの遅延などの他のデータを定量的に分析にかけたのです。

この分析結果に基づいて、企業はバス停の統廃合や特定区間による特定時期の増便、遅延しやすいルートの除外など、運行スケジュールや運行ルートの最適化に活用しました。結果、そのバス会社は遅延を減少させ、車両の稼働率の向上を成し遂げ、バス運行のコストの削減やオペレーションの効率化を達成しました。

事例2:ビールメーカーのLINEビーコン活用

あるビールメーカーは、「LINEビーコン」をマーケティングに活用しました。LINEビーコンとは、LINEとビーコンの位置情報を連動させ、ユーザーがビーコンの検出範囲に立ち入ると、ユーザーのLINEにキャンペーンやクーポンなどが送信されるシステムのことを意味します。

そのビールメーカーはあるキャンペーンの実施時に、ビーコンを大手スーパーなどの自社製品の商品棚に設置し、LINEで自社アカウントと「友だち」になっている客が棚に近づくと、LINEにキャンペーン情報が届くように設定しました。そして、ビーコンを設置した店舗で対象商品を購入した証拠であるレシートを送ると、景品が当たるプレゼント企画を実施し、ユーザーから好評を博すことに成功しました。

事例3:保険販売会社の自然災害被害予想シミュレーション

ある保険販売会社では、既に自社の損害保険に加入している顧客に対して、台風被害に対応するオプションを売り出すクロスマーケティングを実施しました。

その際、その企業は顧客の住所データと浸水・氾濫したときの統計データを紐づけて、危険性を具体的に算出した上でアプローチをかけました。他方で、台風損害に対応したオプションに、すでに加入している顧客に向けて、住所データをもとに台風被害が予想される場合に、リアルタイムで注意報が発信されるようシステムを作りました。

この取り組みによって、その保険販売会社はすでにオプション加入していた顧客には、台風被害が予想される場合にあらかじめ注意を促すことで、顧客の損害を減らして保険金の支払いを減額することに成功し、オプションの未加入者には説得力を持って、オプションの追加をアピールすることを可能にしました。

このように、位置情報データは自然災害の被害予想シミュレーションに応用することも持っており、幅広い活用の可能性を秘めています。

まとめ

本記事では、企業経営における位置情報データの様々な活用の仕方について紹介しました。顧客だけに限らず、社内従業員の位置情報データも取得することで、様々な課題に対してソリューションを展開できます。位置情報データを活用し、自社の営業およびマーケティングの効果アップにぜひ役立ててください。

Factory of the Future製造現場が抱える課題。解決の鍵は「デジタル化」です。

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