建設業界におけるARの活用例4選

 2021.07.26  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

近年、さまざまな業界においてARの活用が進んでいます。不動産業界やメディア業界、ブライダル業界などでも活用されていますが、実は建設業とも相性がよいことはご存知でしょうか。本記事では、ARの基礎的な知識や導入メリット、建設業界における実際の活用事例などについて解説します。

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ARとは

「AR」とは「Augmented Reality」の略語で、日本語では「拡張現実」を意味します。現実世界の風景に仮想の視覚情報を加えられる技術として知られています。

お気付きの方も多いかもしれませんが、ARは一世を風靡したスマートフォンアプリ「ポケモンGO」に採用されていた技術です。ポケモンGOでは、ポケモンと遭遇すると、スマートフォンの画面にポケモンが表示されます。画面で見ると、まるで現実世界にポケモンがいるかのような体験ができるのです。

ポケモンGOの爆発的な流行を機に、さまざまなシーンにおいてAR技術が採用され始めました。たとえば、ある家具店のアプリでは、カメラを向けた室内の風景が画面に表示され、そこへ家具を配置できます。家具は実際に設置してみないとサイズ感や雰囲気がわからず、かといって気軽に購入し設置できるものでもありません。AR技術を用いれば、アプリ上で簡単にシミュレートでき、サイズ感や設置したときの印象などの把握が可能です。

このように、ARはシミュレーションが必要なシーンで幅広く活用されています。家具の設置や服・靴の試着、メイクなど、活用シーンは年々拡大しています。

ARとVRの違い

「VR」とは「Virtual Reality」のことで、日本語では「仮想現実」を意味します。仮想世界をまるで現実世界のように体験できる技術です。

VRの場合、基本的に目の前に広がるのは完全なバーチャル世界です。この点が、ARとのもっとも大きな違いといえるでしょう。ARが現実と仮想の融合であるのに対し、VRはあくまで独立した仮想空間を楽しむものです。

VRもARと同様に、すでにさまざまな業界で活用が進んでいます。もっともよく知られているのは、ゲーム業界ではないでしょうか。専用のゴーグルを着用してプレイすると、まるで自身がゲームの主人公になったかのような体験ができます。

また、職業訓練や医療教育などの現場でもVR技術が活用されています。たとえば、ニューヨーク大学ランゴーン医療センターでは、医学生が人体の構造をリアルに学べるよう、VR教育を導入しています。

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ARが建設業にもたらすメリット

ARを活用する業界はどんどん拡大しており、建設業においても例外ではありません。建設業にARを導入するメリットとしては、主に作業の効率化や人手不足の解消、情報共有の徹底などが挙げられます。

作業の効率化

たとえば、建設現場での作業中に、配管や配線の位置を確認しなければならないことがあります。壁や天井、床などに穴をあけたり、何かを打ち込んだりする作業では、確認をせずに進めると配管や配線を傷めてしまうおそれがあるからです。

ARを活用した3D図面なら、どこに配管や配線が通っているのかをすぐに把握できます。そのため、職人が時間をかけて位置を確認する手間が省け、作業効率を向上させられるのです。誤って配管や配線を傷つけるおそれがないのも、メリットといえるでしょう。

人手不足の解消

ARは人手不足の解消にも役立ちます。建設業界は慢性的な人手不足といわれ、今後その傾向がさらに強くなるとも見られています。そのため、個々の生産性を向上させることは、建設業を営む企業にとって必須といえます。

AR技術を用いれば、現場の完成イメージを把握できます。最終的にどのような姿になるのかを容易に把握できるため、熟練の職人でなくてもスムーズな作業が可能となります。その結果、個々の生産性が向上し、経験の少ない作業員も短期間で活躍できるようになるでしょう。

情報共有の徹底

情報共有がしやすいのもメリットです。ARでは映像で視覚的にさまざまな情報を確認できるため、すべての作業員で情報共有が行えます。使用する材料や仕様などに変更が生じたときも、スピーディに作業員が把握できるので、ミスの回避にもつながります。

建設業界におけるARの活用例4選

すでに建設業界ではARの活用が始まっていますが、具体的にどのような形で活かされているのでしょうか。ここからは、建設業界における実際の活用例をいくつかピックアップしてご紹介します。

完成イメージを体感

建設・建築したものがイメージと大きく異なるケースは珍しくありません。あらかじめ、施主には図面やイラストなどで完成イメージを説明しますが、あくまでもイメージであるため、最終的な完成形は工事が終わるまでわからないのが実情です。

そのため、工事中や完了後に、施主から「当初のイメージと違う」といったクレームが入る可能性もあります。「イメージが異なるから壁の資材を変更したい」「色を塗り替えてほしい」などといわれてしまうかもしれません。

AR技術を導入すれば、このような事態を回避できます。現実世界の風景に、建物の完成イメージを融合させて表現できるため、施主に伝わりやすいのです。企業としては手戻りになることを回避でき、当初の計画通り工程を進められるメリットがあります。

技術的な実現方法としては、建設予定の建物3DデータをARコンテンツ化し、スマートフォンやタブレット端末の画面上で表示させます。

建設中の施工をチェック

建物の建設は、設計図や工程表通りに進められるのが一般的です。ただ、図面や工程通りに進めていても、さまざまな要因による遅れや施工ミスなどが発生するケースも少なくありません。

工事が大詰めとなったタイミングで、図面とのズレなどが見つかると大変です。該当箇所を解体し、やり直しになることも考えられるでしょう。解体の手間が発生するのはもちろん、材料や人員を投入する必要があるためコストもかかります。

このような事態も、AR技術の活用による予防が可能です。タブレット端末に2Dの図面を表示したうえで、躯体や設備の3Dデータを重ね合わることで、ズレを確認できます。データを重ね合わせれば、本来施工されているべきものが未施工となっているケースも発見できるため、工程の遅れを視覚的に把握し、手戻りを避けられるのです。

ビルメンテナンス

正確なビルメンテナンスと管理が実現するのも、ARを活用するメリットです。あらかじめ建物内部を3Dスキャンしておけば、あとから設計データと合わせて配管や配線の位置などを確認できます。

また、IoTと連携しているケースでは、温湿度や消費電力などの情報もタブレット端末上でチェックできます。センサーで情報を取得し、リアルタイムで温湿度や消費電力などを確認できるため、万が一異常が発生しているときは即座に対応可能です。

通常、ビルメンテナンスには知識や経験が必要ですが、ARの技術を用いれば高度な専門知識は不要となります。作業の属人化を防げるため、コストダウンにつながるのもメリットといえるでしょう。

プロモーション活動の差別化

ARの最新技術を用いたプロモーションを展開できれば、メディアやクライアントに対し、効果的な訴求が可能です。従来はできなかった独自の新しいプロモーションが可能であり、強烈なインパクトも残せるでしょう。

また、派手なプロモーションができるだけでなく、建物の概要や魅力、機能性などを伝えやすいのもメリットです。建物内部の映像にARコンテンツを融合させることで、伝えたいことをダイレクトに伝えられます。

そのほか、施設案内をするときにも活用できます。任意の場所で映像に情報を追加できるため、案内人が伝える内容を忘れる心配もありません。

まとめ

ARの導入により、企業は作業効率化や人手不足の解消、情報共有の徹底といったメリットを得られます。すでに完成イメージの体感や建設中の施工チェックなどの目的で、さまざまな建設企業がARを活用しています。建設現場でのAR活用をお考えなら、PTC社のサービスの利用がおすすめです。この機会にぜひ検討されてはいかがでしょうか。

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