帳票のデジタル化メリット5つ!電子帳簿保存法改正が追い風に

 2021.02.24  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

近年、さまざまな分野でデジタル化が進んでおり、会計上における帳票の電子保存についてもその例外ではありません。電子帳簿保存法が2020年に改正されたことで、会計帳簿や証憑の電子化はさらに注目度は高まっています。

ここでは、今後ますます導入する企業が増加すると予想される帳票電子化のメリットについて解説していきます。

帳票のデジタル化メリット5つ!電子帳簿保存法改正が追い風に

2020年改正電子帳簿保存法が施行!ますます進む帳票のデジタル化

近年、帳票のデジタル化が各所で進んでいますが、まずは、その要因でもある従来型の帳簿・紙伝票の保存が引き起こす問題点と、それを解決するための有効な電子帳簿の保存法について紹介します。

紙の帳簿や伝票の問題点

従来、帳簿や伝票は紙で作成した上で、保存する方法が一般的でした。しかし紙による作成・保存にはさまざまな問題があります。そのなかでも作成・送付・保管という一連の作業に対して、膨大な時間と手間がかかってしまうことが最大の問題点といえるでしょう。

多くの書類を手書きで作成するには、相当な時間を要することはもちろん、誤字脱字があった際に書き直しが必要になったり、乱筆になってしまったりする可能性が高くなります。また、作成した書類を送付する際には基本的に郵送で送付しますが、封入や投函にも手間を費やすことにもなってしまいます。

さらに、紙の帳簿や伝票を保存するためにはファイリングが必須です。乱雑なファイリングでは必要になった際に探し出すことが難しいため、きちんと整理してファイリングする必要があり、それにも手間と時間が必要です。

また、保管する場所も確保しなければならず、年々増えていく書類を限られたスペースのオフィスに置いておくことは企業にとって負担が大きくなってしまいます。

倉庫を借りて保管する企業もありますが、その場合は費用が発生する上、書類が必要になったときに現物が手元にないため、すぐに確認できず不便に感じることもあるでしょう。

この他にも、多くの紙代や印刷代が発生することや、経年劣化によって確認できなくなる可能性や、紛失してしまうリスクがあるなど、紙による帳票や書類の保存には多くの問題点があることがわかります。

電子帳簿保存法とは?

前項で解説した紙の帳票や書類の保存について、この問題点を解決するために制定されたのが電子帳簿保存法です。これは、1998年に制定された国税関係の帳簿や書類を電子データによって保存することを認めた法律です。

制定当初は電子データとして作成されたもののみ電子保存を認めるものでしたが、2005年にはスキャナーで読み込んだ紙の書類の電子保存を認め、さらに2016年にはデジタルカメラやスマートフォンによって撮影された電子データについても認められました。

また、2020年の改正では、キャッシュレス決済の場合のみ利用明細が領収書の代わりとして認められ、領収書原本の受領や保存の必要がなくなりました。

このように制定以降も複数回の改正が行われた結果、導入するメリットが増え、採用する企業が年々増加しました。現在では非常に多くの企業が電子データによって帳簿や伝票を保存しています。

電子保存が認められる書類には、総勘定元帳や売上帳などの帳簿、貸借対照表や損益計算書などの決算関係書類、請求書や領収書などのその他の証憑類の3つに分かれます。

手書きで作成された帳簿や請求書の写し、取引先から受け取った請求書などについての電子保存は認められないため、導入の際は、電子保存できるものとできないものの区別をしっかりと把握しておく必要があるでしょう。

電子保存を導入するためには、「国税関係帳簿の電磁的記録による保存等の承認申請書」及び、会計システムの概要などを記載した添付書類を提出する必要があります。電子保存を始める日の3ヶ月前までに国税庁の所轄税務署への申請が必要で、さらに課税期間の途中からの適用はできないため、導入を決定した場合はなるべく早めに申請書の作成に取り掛かりましょう。
(参照元:https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/index.htm

帳票をデジタル化することのメリット

帳票を紙で作成・保管する方法をデジタル化することによって、さまざまなメリットを得られます。以下ではデジタル化することで得られる代表的なメリット5点をご紹介します。

帳票作成時の手間が削減

紙による問題点の項でも解説したように、手書きによる帳票や書類の作成には膨大な時間を要するため担当者の負担が大きいですが、電子上で作成すればこれを大幅に削減できます。

単純に手書きの手間がなくなりパソコン入力になるだけでなく、一定のフォーマットを作成した上で帳票を作成したり、請求書・見積書の作成時に引用したりするなど、工夫次第でより簡単な手順で帳票や書類の作成が実現できます。

また、クラウド化することによって、決められたオフィスのパソコンを使った業務だけでなく、在宅勤務やテレワークなども可能です。

紙の帳票だと作成担当者が上司から承認を得る過程でも人的・地理的要因により書類が滞る可能性があります。しかし、電子化されたデータをクラウド上に保存することで、外出先や出張先からでも承認作業が可能になるため、従来よりもスムーズに業務を進められるでしょう。

送付時の作業がなくなる

紙の請求書・見積書の送付には、封入、切手の貼り付け、投函という作業が必要ですが、データ化された帳票の場合はこれらの作業が全て不要となります。

取引先へのメールに添付する作業のみで良くなり、作業が削減されることで業務の効率化にも繋がります。紙への出力や封筒が必要なくなるため、紙代や印刷代、切手代などさまざまな費用の削減も可能です。

また、郵送での送付の場合、早くても翌日以降の到着となるケースがほとんどですが、メール送付の場合は送信と受信がほぼ同時に完了しタイムラグがないことや、メールの送信・受信履歴に残るため、送った・送っていないというようなトラブルが起こりにくいのもよい点です。

人的ミスの解消

紙ベースの帳票の場合、作成時の書き損じや、封入時の宛名の書き間違い、帳票の入れ間違いなどが起こりやすいですが、データ化によってこれらの人的ミスを大幅に減らせます。

帳票作成時に誤って入力してしまっても、出力前に確認することですぐに修正作業ができます。メールの送付先や添付する帳票を間違えて送信してしまったときでも、すぐに気付けば、取引先に連絡を入れることで、迅速に削除するなどの処置が可能です。取引先からの連絡でミスに気付いた場合、郵送の場合だと数日間待ってもらう必要がありますが、メール送付の場合はすぐに再送信でき、余計な手間と時間がかかることもありません。

帳票の保管場所に困らない

膨大な量の紙の保管には多くの場所や費用を要しますが、電子データでの保存には物理的な場所が必要ありません。

また、紙の保管では経年劣化によって領収書の印字が薄れてしまい閲覧できなくなるリスクや、誤った場所に置いたり誤って破棄してしまったりすることによって紛失してしまうリスクが時間の経過とともに増加します。物理的にアクセスできる人であれば、情報にアクセスする権限がなくても閲覧できてしまうため、セキュリティ上の心配も伴います。

一方で、電子データでの保存はバックアップ手段も豊富にあるため、事前に準備をしておけば、万が一データを紛失しても復旧できます。閲覧に制限をかけたり、パスワードを設定したりすることも可能で、高度なセキュリティ管理も可能です。

帳票の検索や参照ができる

過去の帳票を探し出す際にも、紙保管よりも電子データ保管のほうが優れています。多くの帳票の中から特定の帳票を探し出すには時間がかかり、きちんと整理している書類であっても、紙をめくる作業は必要であり、量が多くなればなるほど探し出すのに多大な時間と手間を要します。

一方で、電子データの検索なら短時間で済みます。たとえば取引日や企業名、金額などのキーワードを検索するだけで、瞬時に該当するデータを抽出できます。また、会計システムからCSVファイルへの変換もできるため、抽出したデータをさらに有効に活用することも可能です。

この際、OCRによるテキスト化を利用すればより利便性が高まります。OCRとは、手書きによって書かれた文字や印刷された文字をスキャナーで読み取り、デジタルの文字コードに自動に変換する技術です。この技術を利用すれば、文字のテキスト化が簡単にでき、帳票の検索及び参照もより簡単かつ瞬時にできます。

なお、AI技術の含まれるOCRツールを使えばテキスト化を行う度にAIが学習し、文字認識率も向上します。このように最新の技術も利用することでより業務の効率化を進められるでしょう。

まとめ

ここまで解説してきたように、帳票の電子保存はただ便利なだけでなく、企業全体におけるコストの削減や業務の効率化にも繋がるのです。

一部のデジタル化よりも完全なデジタル化のほうが効率的ですし、クラウド上に保存することでより利便性も高められます。この機会に帳票のデータ化について導入を検討してみるとよいでしょう。


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