製造業における代表的な現場課題5つとは?現場改善方法5つも紹介

 2021.04.08  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

製造業の製造現場では日々の作業に追われ、無駄を生み出している場合があります。それに気づかず生産を続けていると生産を圧迫し様々な問題が発生します。製造業の生産性が下がる原因は何か、具体的にどのように改善していけばいいのか考えてみましょう。

製造業における代表的な現場課題5つとは?現場改善方法5つも紹介

現場改善のための4STEP

改善活動では生産ラインを止めることなくできることを抽出し、トライアンドエラーを繰り返しながら生産性そのものを向上させていかなくてはなりません。

ここからは、現場改善のためのポイントを4段階に分けて紹介します。

1:現状把握をする

1つ1つのプロセスの中で、今どういう状態であるのかなど事実や数値に基づいて明確にしていかなければなりません。

作業する中でなんとなく前はこうだった、最近のほうがなんとなく良いような気がするというような曖昧なものが現状把握ではありません。現状の分析や点検をすることで、課題の特定につなげます。

2:課題を明確にする

現状把握を継続することで必然的に数値として、現在の状況をとらえることができるようになります。そしてその状況になってしまっていることを理解した上で、何が問題なのかを明確にしなければなりません。

現状把握から、その要因が人なのか、装置なのか、環境なのか、コストなのかなど1つ1つ課題が浮き彫りになってきます。

3:改善策を立てて実践する

現状把握から課題が明確になった後は、その問題に対して具体的に何をしていくのかという改善策候補をいくつか選んで優先順位をつけていく必要があります。

現場改善するためには実現性を考えて、一番効果があるのは何か、取り組みやすいかなどを考えて実際に実践していかなくてはなりません。

4:結果の評価と活動の定着

具体的に改善策を立てて実践したら、現状把握したときの数値と照らしあわせてみる必要があります。現場改善したことで具体的に数値が良くなったか、反対に悪くなったか、その結果に対して評価することもまた改善にとって重要なことです。

またこの改善活動は一定期間継続し定着化させることが大事です。継続的に現場改善を繰り返すことで生産は向上していきます。

製造業における現場の課題5つ

実際に製造現場で浮き彫りとなっている課題について考えてみましょう。

様々な課題に直面していても生産を止めることはできません。どのように時代に合わせた製品づくりをしていかなくてはならないのか、現場の課題について解説します。

1:人材が不足している

いざ生産が増えたとしても各工程で必要な人材を確保できないことがあります。日本では少子高齢化に伴い現場作業員の高齢化も問題となっています。今後、定年を迎える予定の人数をカバーできる人材を確保できない可能性も十分に予想されます。

また、部門・工程間での人員バランスを考えたときに、どうしても人員が確保できないこともあります。その結果、一部の部門で残業が増え、社員の不満につながりその結果、退職につながってしまうなどのケースがあります。

2:部門間の情報共有

製造業では、1つの製品が完成するまでに多くのプロセスがあります。当然そのプロセスごとに部門が分かれており、作業内容も大きく異なります。

部門が違うことで不具合データの引継ぎやメンテナンス予定の連絡などが予想以上にうまく連携できないことがあります。不具合の連絡が1つ遅れるだけで生産には大きなダメージを与えかねません。

3:作業をする上でのミス

繰り返される毎日の作業の中でイレギュラーが起こったとき、人的ミスが発生することがあります。

ほんのささいなミスが製造業にとっては致命的なクレームにつながることも大いに考えられます。ミスが多くなると生産は圧迫され、生産効率を大きく下げてしまうこともあります。

4:標準化が進まない

製造業においては当たり前に求められる標準化ですが、実際の製造現場では必ずしも当たり前に標準化が進んでいないケースもあります。ベテランと作業初心者ではどうしても作業にばらつきが発生しやすく、品質においても必ずしも一定とはいえない現場もあるでしょう。

新人教育の時間が取れない製造現場は生産に追われ、新人教育もままならずノウハウの継承ができないままベテランが退職してしまうケースもあります。

5:部品の管理

通常生産業務を行うためには、資材や部品が必要不可欠です。日々の生産の中で突発的に発生したトラブル対応で専用部品が必要になります。もし必要な部品がない場合生産は停止し、生産に大きなダメージを与える可能性があります。

逆に必要だと思っていた部品が必要なくなり、大量に余りその結果経費を圧迫してしまうことも想定されます。

製造業における現場改善方法5つ

製造業において、生産を向上させるためには様々な現場改善が必要になってきます。

ここからは、5Sを徹底することや工程を見直すことなどをはじめとした、生産性を向上させるために必要な5つの改善方法を紹介します。

1:5Sを徹底する

製造業の生産現場では、5Sという言葉が当たり前に使われており、「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「しつけ」のそれぞれの文字Sを合わせて5Sと呼んでいます。

「整理」で必要なものと不必要なものを分け、不必要なものは処分します。そして必要なものをすぐに取り出せるようにするため「整頓」します。製造現場にとっては非常に有効です。

そして生産設備を維持するためには「清掃」「清潔」が常に必要であり、それを当たり前にできるように「しつけ」が必要ということです。このように、現場改善には5Sの徹底が必要不可欠になります。

2:工程の見直し

製造業においては、1つの製品が出荷できるようになるまでにいくつもの工程を通過します。当然それぞれにスケジュールがあり、社内で納期目標をもって生産を繰り返しますが、工程内でトラブルがあったり、生産が滞ったりすると後工程に直に影響が出ます。

そのため、各工程でしっかりとした生産計画を練ることが重要になってきます。特にメンテナンス時は生産が停止することもあるので、後工程との密な連携が大切です。

3:段取り替えの見直し

製造業の工場内では様々な製品が製造されることがあります。その際必ず必要となってくるのが段取り替え作業です。1日の間に何回も段取り替えが発生する場合もあり、それにかかる時間が適正かどうか見極めることも重要となってきます。

この段取り替え作業の間は当然生産も止まります。しかし絶対に間違いがあってはなりません。どうやったら時間をかけずに段取り替えできるかは、現状把握をもとにデータ取りをする必要があります。

4:動作チェックをする

各工程、各作業において1サイクルの作業動作に無駄がないかチェックが必要です。繰り返しの作業になるため、1回人が振り向いたり、1回製品を置くだけで一連動作のサイクルタイムが長くなってしまったりします。

正しい作業をするためにそれぞれの動作が必要な動きか、適正な時間で作業できているかチェックしなければなりません。

5:導線を考える

製造業の工場内は人の動きを考えて機械を設置しなくてはなりません。限られたスペースに設備を設置することばかりに気を取られていると、いざ生産を開始したときに作業効率の低下を招いてしまいます。

製品や原料の流れ、人の動きを考えたレイアウトづくりは製造業においては必須です。レイアウトは後からでも変更できますが、生産を始める前に実際に現場の声を取り入れながら、よりスムーズなものの流れ方を考えていかなくてはなりません。

製造業における現場改善で知っておきたい言葉4つ

製造業の現場改善においては、生産の異常事態に備えて様々な面から作業内容やデータを見える化していく必要があります。

ここからは、製造業における現場改善で知っておきたい4つの言葉について解説します。

1:4M

4Mとは生産において必要要因となる、Man(人)Method(方法)Material(材料)Machine(機械)の4つの項目をひとまとめにした言葉です。

顧客との契約上、生産者側では勝手に変更できないことも当然存在するため、これらを見える化していくことが非常に重要です。

2:QCDS

QCDSとは4Mが生産の必要要因であるのに対し、結果要因であるQuality(品質)Cost(コスト)Delivery(納期)Safety(安全)のことを指します。

これらを見える化しておくことで、品質不良や原価の増減、納期の遅延、労働災害を未然に防止できます。

3:KMK

生産においては当たり前のことを当たり前にさせるルール作りが重要です。このルール作りとルールの遵守がおろそかになると品質は低下していきます。

K(ルールを決める)M(ルールを守る、守らせる)K(ルールが守られているか観察し、できていなければ改善する)ことをKMKと呼んでいます。

4:7つのムダ

7つのムダとは「もの」が見えないことで発生する無駄な状態を指します。ここでいう「もの」とは、材料・製品・仕掛品・不良・工具・治具・ゲージなどを指します。

これらがしっかり見える化されていないと、作りすぎの無駄、手待ち時間の無駄、運搬の無駄、加工の無駄、在庫の無駄、動作の無駄、不良を作る無駄など7つの無駄を招く結果となってしまいます。

まとめ

製造業において現場改善を行うことは日常であり、生産性を向上していくためには現状把握をしっかり行い、継続していくことが何より大事です。問題点をしっかり把握していなければ対策を打つこともできません。

毎日の生産の中で現場の見える化をすすめ、現場改善方法を必要に応じて展開していくことで生産性を高めていきましょう。

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