小売業がおさえておきたいECトレンド5つのポイント【2020年版】

 2020.08.07  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

EC業界はテクノロジーの活用が盛んで、変化のスピードが速い業界です。流行を把握するのは意外と難しいECサイトについて、大まかな流れが分かる2020年のトレンドを、5つご紹介します。D2Cや動画コマースなど、これから注目したいトピックなども取り上げていますので、ぜひチェックしてみてください。

小売業がおさえておきたいECトレンド5つのポイント【2020年版】

EC業界の市場規模とEC化率はどのくらい?

まず、EC業界の市場規模は現在どの程度あるのでしょうか。経済産業省の発表によると、2018年のB to C(消費者向け)ECの国内市場は約18兆円、EC化率は6.22%と、右肩上がりに成長しています。またB to B市場は344.2兆円、EC化率は30.2%と増加傾向にあり、企業間取引の電子化も順調に進んでいることがわかります。

(参照元:https://www.meti.go.jp/press/2019/05/20190516002/20190516002.html

とはいえ、消費者向けのEC化率は現在1割以下にとどまっている状況で、意外と少ないと感じた方もおられるでしょう。

近年では、新型コロナウイルスによる非常事態宣言をきっかけに、オンラインショッピングを利用する人が増加しました。この流れは今後も続くと見られており、B to CのEC市場はより拡大していくと予測されています。

EC業界の最新トレンド

ここ数年は、ユーザーのスマホ利用が増加したことを背景に、情報収集や購買、コミュニケーションのスタイルは大きく変化しています。それに伴い、EC業界でもスピーディにビジネスを変化させることで、ユーザーの心を引き付け、売り上げを伸ばす企業が登場してきています。

昔ながらのスタイルで売り上げをキープしているECサイトもたくさんありますが、変化に対応したほうがユーザーの目に留まりやすく、商品・サービスを購入してもらうチャンスが増えます。そのためにも、業界のトレンドを把握することは重要です。今回は、特に注目したいトピックを5つ取り上げました。

D2Cモデル

「D2C(Direct to Consumerの略)」とは、メーカーが自社チャネル経由で直接エンドユーザーに対して商品を販売するビジネスモデルです。PCメーカーが自社ECで直接顧客に販売するのもD2Cです。

メーカー側は、直接販売することで販売事業者に手数料を支払わずに済み、その分売値を安くすることができます。さらに、販売事業者通さないことにより、ユーザーの声が直接届くようになりました。そこから得られたデータをマーケティングや商品開発につなげることで、よりよい商品を販売できるメリットがあります。

先行するアメリカでは、マットレス販売の「Casper(キャスパー)」など、D2Cで成功して上場する企業も出てきています。ほとんどがリアル店舗を持たずにオンラインで販売していますが、近年ではユーザーとの接点としてリアル店舗を運営する動きも見られます。

サブスクリプションモデル

「サブスクリプション」とは、毎月(または毎年)定額の利用料を支払い、商品やサービスを利用できる販売形態です。代表的なところではAmazon PrimeやApple Musicなどがあり、「サブスク」は2019年の流行語大賞候補にもなったほど身近になっています。

デジタル系の無形サービスだけでなく、ブランドバッグを定額レンタルできる「レクサス」や、ファッションレンタルの「airCloset(エアークローゼット)」などのサービスもあります。

ユーザーはトライアル感覚で気軽に利用できるため、わざわざモノを買わずともサービスの恩恵にあやかることができます。

一方、企業側のメリットとしては、毎月定額で利用料収入が得られるので、売り上げ予測が立てやすい点があります。ただ、顧客満足度が下がると解約に至るリスクがあるため、継続率を高める工夫が必要となります。

サブスクが増えた背景には、モノを所有しないライフスタイルの流行があります。また企業側にとっては、購入前に試したい・必要な期間だけ所有したい、といったニーズを取り込めたことも市場拡大につながっています。

キャッシュレス決済

「キャッシュレス決済」とは、現金以外で決済を行う方法を指します。従来からあるクレジットカードや電子マネーのほか、ここ数年ではスマホ決済(QRコード決済)も増加しています。ECサイトのトレンドという視点から見ると、楽天ペイやAmazonペイにも注目したいところです。

スマホ決済が増加している理由としては、各社がキャンペーンや割引などを提供していることや、ポイント還元率が高いことなどが挙げられます。 また、決済方法の多様化は顧客のニーズにもマッチしています。今後はオンラインとオフラインを融合した戦略がますます重要になるので、購入するだけではなく、いつQRコードを読み取ったのかなどの細かいデータの活用も期待されています。

全体を見ると、依然として現金支払いが主流ではあります。しかし少額決済にキャッシュレス決済を利用する人は増えており、新型コロナウイルスに関して政府から公表された新しい生活様式でも電子決済を推奨しているため、今後はさらなる増加が見込まれます。

SNSマーケティング

「SNSマーケティング」とは、LINE・Instagram・TwitterなどのSNSで実施するマーケティング施策のことです。

これが広がった背景には、ユーザーが情報収集ツールとしてSNSを利用し始めたことがあります。ハッシュタグ検索やタイムラインのチェックはもちろん、日頃から「いいね!」やフォローといったアクションをとるなど、SNSを軸とした情報収集を行う人が増えてきています。

そのような中、企業がSNSを活用してユーザーとの関係性を強化することで、潜在層へのアプローチが期待できます。

動画コマース

「動画コマース」とは、ユーザーが商品に関連する動画を視聴しながら商品購入できる仕組みのことです。

一般的な動画では、商品に興味があった場合、リンクをクリックしてECサイトへ移動し、購入手続きを行う必要がありました。対して動画コマースでは、カートと連動することで直接商品を購入できるのが特徴です。ただ、開発費用が通常の動画より多くかかることもあり、まだそれほど広く普及はしていません。

また、ここ数年では「ライブコマース」も盛り上がりを見せています。こちらは生放送しながら商品を紹介し、視聴者はそこから商品を購入できる仕組みとなっています。

動画コマース・ライブコマースはどちらも映像なので、商品の魅力をテキストよりも伝えやすいほか、シェアしてもらいやすい点もメリットだと言えるでしょう。

2020年3月には、国内でも5G(第五世代通信)の商用利用がスタートし、大容量かつ高速の通信が実現します。今後本格的に5Gが活用できるようになれば、今以上に動画コマースの需要は増加すると思われます。

EC業界で注目したい動き

ここまで、主にユーザーの変化に対応したトレンドをご紹介しました。ここからは、社会的な変化に対応したEC業界の動きについて解説します。

デジタル取引の透明化にむけて

2020年2月に「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律案」が閣議決定されました。これは、大手プラットフォーム側の地位乱用による、一方的な変更を規制する意図で作られた法律です。具体的には、取引の透明化を図るために、取引条件などの情報開示や運営における公正性の確保、運営状況の報告と評価、評価結果の公表などを行うことが義務付けられています。

たとえば、同案の閣議決定より少し前、「楽天」が出店ショップに対して送料無料を強制したことで、公正取引委員会が緊急停止措置を申し立てたニュースが話題となりました。このような企業間の不平等を是正し、取引実態を可視化しようとする動きが高まっていることは、今後のデジタル取引において非常に注目度の高いトピックといえます。

業界を越えたコラボレーション

もう1つの大きな動きとして、業界を越えたコラボレーションが挙げられます。これによりAmazonのような超大手ECに対抗するため、EC企業だけでなく、異業種である大手企業のコラボレーションや有名店舗同士のコラボレーションが進むと見られています。

たとえば、食材・ミールキット通販を提供する「オイシックス・ラ・大地」では、教育サービス企業「ベネッセコーポレーション」が展開する「こどもちゃれんじ」とのコラボレーションで、2020年4月に「Kit Oisix with しまじろう」を販売開始しました。これは、自宅で過ごす親子が一緒に料理を楽しめるようミールキットを共同開発したもので、教育と食材という、まったく異なるジャンルの大手企業同士が提携した例として注目されています。

このほかにも、今まででは考えられなかったような企業同士のコラボレーションが、これから多数生まれるのではと予測されています。

まとめ

動画コマースやSNSマーケティングなど、ユーザーの生活や購買行動の変化に合わせて、商品の販売方法も変化しています。ECトレンドを自社ビジネスに取り入れることは、ユーザーの変化に対応することに繋がります。自社でECサイトの刷新をお考えの方は、それらを踏まえたリニューアルを検討してみてはいかがでしょうか。


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