5GとIoT技術で創出される社会とは?

 2020.11.10  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

4Gに替わる5Gが、大手携帯会社によって大きく宣伝されています。そのため5Gを「携帯電話が便利になるもの」とイメージしている方も多いでしょう。しかし5Gは、IoTと呼ばれる概念と一緒になることで、日々の暮らしや業務にも大きな変化をもたらすと期待されているのです。そこで今回は、5GとIoTとを、共に解説していきます。

5GとIoT技術で創出される社会とは?

第5世代移動通信システム「5G」とは?

5Gとは、携帯会社が掲げる通信規格の第5世代です。Gは世代を意味する「Generation」を略したもので、4Gの次にくる世代という意味になります。

「G」という呼び方と携帯電話

1Gの頃はアナログ式携帯電話で、まだ「1G」という言葉すら使用されていませんでした。2Gになってようやく、デジタル式の携帯電話が普及するようになりました。今でいう「ガラケー」と呼ばれるものですが、この時代でも「2G」という呼称はあまり使用されていません。正式にこの言い方が世間に認知されるようになったのは、スマートフォンが普及し始めた3Gからでしょう。この頃から、過去の世代について1Gや2Gと呼ばれるようになったのです。

5Gへの飛躍

さて3Gでは、スマートフォンにアプリをダウンロードする現在のスタイルが始まり、データカードも普及しました。そして4GではLTEが登場して、より品質の高い通信が可能になります。

そして2020年からスタートした新規格5Gについては、「大容量通信」「低遅延」「多数デバイスとの同時接続」という3つの特徴を挙げられます。これまでより素早いネット通信や、ほかのデバイスとのスムーズな連携も、できるようになったのです。

5Gの3つの特徴。4Gとの違いは?

4Gから5Gになることで、どのような変化があるのでしょうか?ここでは5Gの特徴と4Gとの違いについて解説していきます。

通信速度

5Gの通信速度は、最大で10Gbps(将来的には20Gbpsともいわれています)です。このGbpsとは、「Gigabit per second」の略で、1秒間にどれくらいのデータ量を転送できるかを表します。10Gbpsの場合は、1秒間に10GBものデータを受信可能ということです。

4Gは最大で1Gbpsだったので、10倍もデータ転送が速くなったことになります。1Gbpsのときは、2時間の動画をダウンロードするのに30秒程度かかりましたが、10Gbpsでは約3秒で可能といわれています。Gbpsの実測値は環境によって変化しますが、大幅な速度上昇を期待できるでしょう。

また、動画サービスなどでは通信容量が下がると画質も低下するようになるので、高速通信を実現すると高画質で映像を楽しくことができます。4Kや8Kといった映像を当たり前のようにスマートフォンで見ることも夢ではなくなるでしょう。

低遅延

遅延速度は、4Gが10msだったのに対し、5Gは1ms程度です。値が低いほど遅延も少なくなり、最大値では4Gの頃と比べると10分の1ほどまで抑えられています。現状のスマートフォンでも「遅延を感じることはそれほど多くない」と思われるかもしれませんが、他デバイスとの連携においては、わずかな遅延速度が大きく影響するのです。

例えば、ロボットなどの遠隔操作や自動運転、ドローン、生産ラインの自動化、遠隔医療などでは、遅延速度を抑えることでスマートフォンとのリアルタイムな連携が可能になります。特に自動運転や遠隔医療などは、少しのミスも許されない分野です。このような重要な場面で利用できるまでの低遅延性は、5Gの最大のメリットと言えます。

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多数デバイスとの同時接続

5Gの場合、他デバイスとの接続数は1平方キロメートルあたり100万デバイスです。4Gでは10万デバイスだったので、単純計算で10倍もの違いがあります。4Gでは通信速度の向上が大きな特徴でしたが、5Gでは、この「多数デバイスとの同時接続」が特徴です。

同時接続が可能になることで、例えば家に帰る前に冷暖房のスイッチを入れたり、炊飯器の予約スイッチをオンにしたりなど、スマートフォン一つで身近な家電との連携ができるようになります。つまり、5Gの登場によって、スマートフォンは家電やほかのシステムと連携する管理機器としての役割も果たそうとしているのです。

IoTとは

前述したように5Gでは、多くの家電やさまざまなシステムと一度に連携できるようになります。この連携で鍵となるのが「IoT」です。IoTとは「Internet of Things」の頭文字を取った略語で、「モノのインターネット」と呼ばれています。IoTはその名の通り、さまざまなモノをインターネットにつなげようという試みです。

身近なもので言えば、エアコンやロボット掃除機、冷蔵庫、炊飯器、カメラなどが挙げられます。外出先からでもペットの状態を確認したいときにスマートフォンと家に置いたカメラを連携させたり、足りない食材を冷蔵庫の映像で確認しながら買い物したりなど、さまざまな利用が考えられていくでしょう。

また、IoTは企業の業務を改善させる面でも大いに役立ちます。例えば、生産ラインで問題点があるとスマートフォンに情報を送信したり、IoTで蓄積したデータを活用して生産コストを削減したり、モノとネットがつながることで業務の効率化が図れます。

これまでは通信速度、遅延速度、デバイス連携に制限があったため、一般家庭への浸透速度は遅かったのですが、5Gの登場によってIoTの普及加速が向上すると考えられます。

5GとIoT技術の進化で創出される未来

5GとIoTの導入によって暮らしはより便利に変化するといわれています。ここではどのような変化が期待できるのか紹介していきます。

自動車に関わる交通問題の解消

自動車と5Gの組み合わせによって期待されるのは、自動運転技術の現実化です。車両、インフラ、歩行者の情報を相互にやり取りすることで、事故の発生リスクを減らすことも可能です。例えば、前方との車間距離が狭い場合は自動的に速度を落としたり、歩行者が飛び出してきた場合に自動ブレーキをかけたりなど、さまざまな利用方法が考えられます。

さらに濃霧などの視界が悪い状況下でも、前方の情報をフロントガラスに映し出すことで運転者が危険を察知するよう導く、といったことも可能です。このような試みにより交通事故が減れば、安全性が増すだけでなく、渋滞が減り経済効果も期待できます。

また、バスやルートトラックといった商用車は道順が決まっているため、AIによる自動走行も可能です。低遅延での連携により、管理センターから直接操作をすることもできます。これにより人材不足の解消や遅延、交通事故を防ぐことが可能です。

インフラ・防災

5GとIoTによるリアルタイムな管理機能を用いれば、インフラや防災にも役立てられると期待されています。インフラの分野では、重要な情報を定期的に収集することで事故を予防します。例えば、橋の下に加速度センサーを取り付けて定期的に情報を取得すれば、異常があった際にすぐにメンテナンスが可能です。さらに道路状況や交通機関の情報を結びつけることで、混雑解消や電力の使用量削減など、さまざまな効果も期待できるでしょう

また、河川の監視カメラや水位計によってデータを収集することで、氾濫を事前に察知して避難を促すことも可能です。氾濫によって孤立した地域があっても、ドローンを活用することによって二次災害を防ぎながら、安全に要救助者を探せます。復旧作業の効率化も期待できるため、災害の多い日本において5GとIoTの活用は、より重要なものとなりそうです。

農業分野

農作業の分野では、自動運転と情報技術の両方を5Gと結びつけて活用できます。例えば、トラクターの自動運転はその代表です。自動運転の農業用車両を使うことによって、特別な技術が必要なく、農業初心者でも簡単に農作業が可能になります。遠隔操作機能がついたものもあるので、人力で運転するよりも労力を減らせるでしょう。将来的には、自動運転やドローンの使用で人手が必要ない農作業を実現できるかもしれません。

また、データ収集するロボットを導入すれば、環境データや作物の生育データを自動で取得してくれます。このデータを活用することで、作業者の適切な配置や収穫数の予想、売上予測まで立てることが可能です。専業農家では作物の出来不出来が年収に大きく左右されるため、このような予測が立てられることで収入も事前に予測できるようになります。

スマートシティ構想

スマートシティ構想とは、街の中にさまざまなセンサーを取り付けてデータを収集し、その情報を活用して住民が暮らしやすい街を目指すことです。収集した情報はインターネット上に集めて分析され、有益な情報へと変換されます。

スマートシティの実用化が進んでいるスペインの都市では、例えばゴミの情報を収集し、街づくりに役立てています。ゴミの多い地点と少ない地点を分けることで、収集車が巡回しなくてもいい場所を避けられるのです。これによって作業の効率化や騒音の軽減、二酸化炭素の排出量削減なども実現しています。

そのほかにも駐車場の空き情報を車に送信することで渋滞を減らしたり、街の温度や湿度を分析することで事前に熱中症などの危険情報を伝えたりなど、さまざまな試みが可能です。

5Gに関する課題とは

暮らしをより便利にしてくれる5Gですが、導入にはさまざまな課題もあります。その一つが、プライバシーの問題です。さまざまなデータを収集するということは、個人の行動を監視しプライバシーを侵害してしまう可能性があります。

例えば中国は、街中の防犯カメラで顔認証し、誰がどこにいるのかがすぐにわかるような社会を実現しています。このような試みが加速すれば、常に住民が監視されることになる、という危険が生じるでしょう。プライバシーの尊重と管理の区別をしっかりと分けることは、5Gの大きな課題と言えるのです。

また、セキュリティ対策も重要になってきます。さまざまな家電やデバイスがインターネットとつながることで、乗っ取りやデータの漏えいといった問題が発生してしまうでしょう。IoTを活用するうえでも大きな課題になるため、セキュリティ対策の具体化が急がれています。

まとめ

モノとモノがリアルタイムで連携する「5G×IoT」によって、日常が変わろうとしています。5GとIoTの普及はこれから、と思っていると、一昔前の携帯電話のように「いつの間にか世間一般に浸透している」かもしれません。

企業経営者も次世代の会社経営を目指すために、5GやIoTを積極的に取り入れ、時代の流れをつかみましょう。

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