プロトタイピングとは? 行うメリット・デメリットをわかりやすく解説

 2022.07.21  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

近年ビジネスシーンでは、「プロトタイピング」という開発方法が注目されています。これは、設計図だけでなく実際に試作品を作り、フィードバックを反映しながら完成品に近づけていく手法です。本記事ではこの方法のメリットとデメリットに加え、プロトタイピングを行う上で気を付けるべきポイントも詳しくご紹介します。

プロトタイピングとは? 行うメリット・デメリットをわかりやすく解説

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プロトタイピングとは?

プロトタイピング(Prototyping)とは、製品やサービスの開発に入る前段階で、簡単なデザインや機能を備えた試作品(プロトタイプ)を制作し、それを使って検証と改善を繰り返すプロセスのことを指します。

図面上で試行錯誤するのではなく、実際の製品に近い状態で使い心地や工程、デザインなどを検証できるため、ユーザー目線に立った開発が可能です。ビジネスシーンでも近年このプロセスを重視する企業は増えており、ソフトウェアやアプリ開発といったIT関連だけではなく、建築やインダストリアルデザインなど、さまざまな分野で活用されています。

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プロトタイピングのメリット

では、プロトタイピングのプロセスを踏むことにより、企業にはどのようなメリットがあるのでしょうか。主なメリット3点について、以下で詳しく解説します。

完成後のやり直しを防止できる

プロトタイピングのメリットのひとつとしては、試作品があることでイメージを描きやすいため、完成後の大幅な変更を防げることが挙げられます。

製品やサービスがほぼ完成してから、ユーザーやクライアントのニーズとのズレや使い勝手の悪さに気付いた場合、やり直すとなると莫大なコストと手間がかかってしまうでしょう。しかしプロトタイピングでは早い段階からユーザーテストを行うため、改善点やニーズを的確に把握できます。

早期にニーズの有無がわかるため、開発リソースが無駄になることを防げます。ニーズが明確である場合は、何度もブラッシュアップを繰り返すことにより、よりユーザー目線に立った完成品を仕上げられるのがメリットです。

チームメンバー間での認識のズレがなくなる

プロトタイピングはニーズと制作サイドの思惑のズレを解消するだけでなく、制作チームメンバー間での認識のズレも少なくできます。

製品やサービスを開発する際、仕様書や設計図などの書面だけでは、具体的な完成品のイメージが描きにくく、同じチームメンバー間でも認識にズレが生じてしまうことがあります。プロトタイプを作ることで、デザイナーやエンジニアなど制作に関わるスタッフ全員が最終的なイメージや課題を共有し、互いに合意しながら調整できます。それによりチームミーティングなどでも建設的な議論を行えるでしょう。

また、途中からプロジェクトに参加した場合でも、最初のメンバーとの認識のズレが少なく、スムーズに取り組めるのもメリットです。

段階的に調節しながら開発できる

もうひとつのメリットは、クライアントの意向を汲みながら、調整を重ねて開発できることです。制作の前に書面や図面ですべての仕様を決めてしまっていると、後から改善したい部分が見付かっても修正が難しかったり、修正に莫大なコストと労力がかかったりする場合があります。

また、書面でクライアントのOKが出たからといって、途中で確認を取らないまま制作を進めていると、完成したものが相手の要求と大きくズレてしまう可能性もあります。

プロトタイピングは、早い段階から機能やデザイン、操作イメージなどを具現化できるため、双方が意見をすり合わせながら調整することが可能です。それにより、最終的にクライアントの希望に沿った製品やサービスに近づけられるでしょう。

プロトタイピングのデメリット

プロトタイピングはクライアントや制作者、ユーザー間の認識のズレを防ぐために有効な手段ですが、デメリットもあります。ここからは、主な3つのデメリットについて詳しく解説します。

プロジェクトが進まないリスクもある

プロトタイピングでは、クライアント側がシステムを操作しながら仕様やデザインを決められるため、より希望に沿った完成品を得られるメリットがあります。

しかしその一方、プロトタイプを見せるたびに当初はなかった要望が出てきて、延々と修正を繰り返さなければならないなど、開発のプロセスが泥沼化するリスクもあります。

また、専門知識がないクライアントの場合、技術面やコスト面で無茶な要望を出してきて、プロジェクトが進まなくなるおそれもあります。相手が細かい要求をしてきそうな場合は、あらかじめ対応できる条件を提示したり、修正の回数を決めておいたりするなどして、一定のルールを設けておく必要があるでしょう。

開発会社側の負担が比較的多い傾向にある

プロトタイピングを行う過程では、試作品を何度も制作しなければなりません。試作品といっても中途半端な完成度では的確なフィードバックが得られないため、本番さながらの仕上がりが必要になり、制作者の作業量は多くなります。

さらに、フィードバックを反映するにあたって、その都度デザインや仕様を修正するとなると、その分コストも労力もかかります。加えて、フィードバックのためにクライアントと何度もミーティングの機会が必要になるなど、時間的な制約も多くなる可能性があります。

こうした点を踏まえると、プロトタイピングは開発後のコストや労力が省ける反面、制作途中の開発会社側の負担が場合によっては大きくなってしまうケースもあります。

大規模なシステム開発には向いていない

大規模なシステム開発の場合、関わる関係者は多くなります。そのため、試作品の検証のために関係者全員のスケジュールを合わせるだけでも大変で、調整のために工程が後ろにズレてしまうリスクもあります。

また、多数の意見を参考にすることで修正箇所が多くなり、工数が増えたりスケジュールが遅延したりして、逆に効率が悪くなる可能性もあります。

プロトタイピングは、イメージがはっきりしていない新規開発のプロジェクトや、ECサイトなどUI(ユーザーインターフェース)を重視するシステム開発に適した方法です。プロトタイピングのメリットを活かすには、プロジェクト自体の適性を見極めることも重要です。

プロトタイピングを行う際のポイント

プロトタイピングはあくまで機能やデザインの問題点や改善点を洗い出すためのプロセスであるため、試作品の制作に凝り過ぎないことも大切です。技術者としては細部にまでこだわりたい気持ちがあるかもしれませんが、試作品に時間を費やしすぎると、プロトタイピングのメリットが相殺されてしまいます。

また、一度のフィードバックで思うような反応や結果が得られなかったとしても、開発を諦める必要はありません。検証は製品やサービスをよりよいものにするためのプロセスに過ぎません。フィードバックをもとに問題点は何か、どう改善すべきかを洗い出し、それを新たなプロトタイプに反映させることが重要です。そうすることで、関係者全員が納得できる完成品を作り上げられるでしょう。

まとめ

プロトタイピングは、実際に試作品を見てブラッシュアップを積み重ねる開発手法のため、関係者間で完成イメージを共有しやすいのがメリットです。それによりクライアントと制作者の認識のズレも少なくなり、完成後の大きな修正を防げるため、工数の削減やコストカットにもつながります。
特に、製品・サービスの新規開発や、UIを重視するサービスはプロトタイピングのメリットが発揮されやすい分野ですので、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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