小売業は成長のためにどのようなデータ分析をすべきなのか?

 2019.12.04  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

データ分析はあらゆる業界で行われていますが、それは小売業でも例外ではありません。しかし、小売業に携わる企業がより成長するためには、いったいどのようなデータ分析を行うべきなのでしょうか。データ分析といっても種類があり、改善できる内容なども異なります。正しくデータ分析を理解し、さらなる成長につなげましょう。

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「売れない時代」だからこそ活用したいデータ分析の基礎知識

物が売れない時代といわれていますが、だからといって手をこまねいているようでは、状況は改善しません。売れないのなら、なぜ売れないのかを考え分析する必要があります。まずは、データ分析についての基礎的な知識、事前にすべきことを理解しておきましょう。

データ分析とは

読んで字のごとく、データを分析することを指します。目的をもって集められた数値や符号などのさまざまな情報を分類し、それをベースに分析することで最終的な目的を果たそうとするという認識で問題ないでしょう。

小売業界では、顧客の氏名や住所、購入履歴といったデータを集めることは珍しくありません。中には大量のデータを保有している小売店もあるかもしれませんが、データはただ集めるだけでは意味がないのです。集めたデータはきちんと分析を行い、そのうえで今後の経営に活かさなくてはなりません。

データ分析をする前にすべきこと

まずは現状の課題を把握し、優先順位をつけたうえで、どうしてそのデータを分析する必要があるのか、ということを考えなくてはなりません。それを考えないと、分析から導き出された結果を活かすこともできないでしょう。

とりあえずデータさえあれば分析は可能であり、結果を導くことはできます。しかし、そのデータが持つ意味や背景、改善するべき点などをきちんと理解できていないと、今後の方針を示すことができません。データを分析した結果、何を知りたいのか、最終的にどうしたいのかということまで考えて分析を行う必要があります。

また、一口にデータ分析といっても、さまざまな種類があるので、どのような分析方法があるのか、方法ごとに何が得られるのかを理解しておくことも大切です。理解がなければ扱うデータや範囲に誤りがあっても気づかず、間違った結果をもとにその後の対応をしてしまったり、分析が徒労に終わってしまったりします。

小売業者が知っておきたいデータ分析の種類

特に小売業者が知っておくべき分析の種類についてまとめてご紹介します。代表的なものを挙げると、クロス集計やロジスティク回帰分析、ABC分析、カテゴリー分析などがあります。それぞれに特徴があり、改善できる内容も異なるのでしっかり理解しましょう。

クロス集計

分析の基本ともいわれているのがクロス集計です。一般的な集計だと、アンケートなどで得た結果をもとに数値化を行いますが、これだけだと大まかな結果しか分かりません。例えば、「この商品を使ってみたいと思いますか?」という質問に対し、「はい」と答えた人が50%、「いいえ」と答えた人が40%、「どちらでもない」と答えた人が10%だったとします。この場合だと、全体的な割合は理解できても、どのような属性の人が商品を使ってみたいのかが分かりません。

小売業では、具体的にどのような属性の方が商品を使ってみたいのかを知る必要があります。それを把握できれば、各属性に向けた効果的なプロモーションが行えるからです。使ってみたいと答えた方の性別や年齢、住んでいるエリアなどが分かれば、プロモーションの戦略も立てやすくなるでしょう。

この属性を把握できるのがクロス集計です。性別や年齢だけでなく、来店頻度や満足度なども加えたうえで集計を行います。需要のある性別や年齢を正確に把握することで、その属性に特化した販促を行えます。アンケートで調査した結果を分かりやすく可視化できるのも大きなメリットでしょう。

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クロス集計はデータさえそろっていれば、エクセルで表を簡単に作成できます。特殊なツールも必要ないため、すぐに実践できるでしょう。グラフ化もしやすいため、会議やプレゼンテーションがしやすくなるというメリットもあります。

ロジスティック回帰分析

多変量解析に属する分析手法の一種です。結果として出ていることについて説明するとき、または判明できていない結果を予測するときなどに用いられます。さまざまなシーンで活用されている分析手法で、ある事象の発生率を把握するために使われます。

この分析手法では説明変数と目的変数を使用します。説明変数とは現象の要因であり、x1、x2のように示します。目的変数とは現象を数値にしたもので、yで示します。yが1に近づくほど、事象が発生する確率が高まることを意味しています。

要因分析だけでなく将来予測もできるので、今後特定の商品をどのように販促をするか、どの売り場に配置するかといった点を踏まえ、どの程度売上を変化させられるのかを統計学的に把握できるメリットがあります。

商品カテゴリー分析

現時点におけるアイテムの売れ筋把握や、今後どのような商品が売れそうなのかといったことを予測するための分析手法です。消費者データをもとに、お客様がどのように商品をカテゴライズしているのかを分析します。類似する商品をデータとして用います。

消費者が商品をどのようにカテゴライズしているかを把握できれば、商品の陳列にも工夫ができるでしょう。同じカテゴリーに入るアイテムなら、同じ棚に陳列することで売上アップを狙えます。

扱っている商品を細かくカテゴライズすることで、お店の強みも見えてきます。さまざまな食品を扱っているお店だとして、お酒のおつまみ系の商品がよく売れているのなら、それがお店の強みとなります。このケースだと、お酒好きな方に需要があると考えられるため、今後お酒の販売に踏み切るといった戦略も立てられるでしょう。

数値化することで初めて分かることもあるので、そこから戦略を練り直すことも可能になるでしょう。データで見たとき、お菓子類があまり売れていない、といったことも分かるかもしれません。

購買ランキング

商品が売れた順にランキング化することを指します。上から順に商品コードを並べていく方法が一般的です。ランキング化するときは、ランクと商品コード、商品名、売れた数量、単価、金額なども一緒に記入します。これによって、その月や年に何がもっとも売れたのかを把握できます。その結果から、どうしてその商品がそれほど売れたのか、背景を分析すればさらに売上をアップできる可能性もあるでしょう。単純に、売れている商品を把握できれば追加発注もしやすくなります。

売れ行きを可視化できれば、今後の課題も見えてきます。例えば1位の商品と2位の商品の売上額が大差だった場合、ここから見えてくるのは、2位の商品そのものに人気がない、もしくは売り場、売り方などに問題があるといった課題です。

チェーン店の場合だと、地域やカテゴリー別、支店別のデータも併せて分析を行い、ランキングの結果を比較すればさらにいろいろなことが見えてきます。

ABC分析

複数の指標から重要なポイントを選別し、優先度を決めていく手法です。売上分析で用いられることが多いですが、マーケティングや経営戦略でも大切な考え方になります。

この分析では、もっとも重要度の高いものをAランクに分類します。その次に重要なものをBランクに、Cランクはいわゆる死に筋に分類します。Aランクに分類されたものは重要かつ優先度が高い商品となるため、品切れを起こさないようにしなくてはなりません。

逆にCランクの商品は、これ以上仕入れを続けても大した売上は期待できないと考えられるので、仕入れをやめる、少なくするといった施策をとれます。つまり、ABC分析を実施することで、現在とるべき最適な経営方針を選択できるようになるのです。

一般的にはAとB、Cの3ランクに分類しますが、AをさらにAA、AAAといった具合に細分化することもあります。こうすることでより細かい分析が可能になります。

アソシエーション分析

たくさんのデータの中から関連性を見つけ出す分析手法です。売れた商品や金額の集計をすれば、どれが売れているのか把握できますが、このままだと「Aを買った人はBも一緒に購入する傾向にある」といったことは分かりません。アソシエーション分析を行うと、こうしたことも見えてくるのです。

例えば、スーパーなどのお酒売り場には高い確率でおつまみのコーナーも設けられていますが、これはお酒と一緒におつまみを購入する人が多いからです。何と何が一緒に買われるかが分かれば、商品の陳列にも工夫ができるでしょう。セットで買われやすいものを同じ棚に陳列するなどして売上アップを狙えます。

メトリクス分析

集めたデータを分かりやすく可視化する手法です。販売データを分析するときの基本的な方法でもあり、分析によって目標達成までのヒントを得ることもできるでしょう。

現状における進捗を可視化できるため、期間内の目標達成につながりやすくなるのが大きなメリットです。例えば、当初の予定よりも売上が伸びていないのなら、キャンペーンの実施や人員の増加といった施策がとれます。

現状を正確に把握できれば、今何をするべきかが明確になります。無駄なことをせず、本当に必要なことに注力できるため利益向上につながりやすくなるのです。

成果を上げる小売業界データ分析のコツ

どうして分析を行うのか、その理由を明確にし、現状把握にも努めましょう。どのような課題があるのか、どれを優先的に解決すべきかをはっきりさせます。
また、データを細分化することで今まで見えてこなかった部分が見えることもあります。原因から解決策まで把握できるので、データをより細かく分類して比較するのも大切なポイントといえるでしょう。ただし一度にすべてのデータを分析していくには時間や人材がいくらあっても足りないので、重視されるものに絞って取り組みましょう。

分析した結果で満足することなく、改善のために有効な施策を検証し、実行に移すことも大切です。これには長期的な取り組みが求められます。特に小売業の場合は実店舗で行う施策が中心になるため、ある程度の時間や費用が必要になります。この点をよく理解し、早い段階で失敗と決めつけないようじっくり取り組むことも必要でしょう。

まとめ

データ分析を活用すれば、小売店の利益アップも難しくありません。ただ、そのためにはデータ分析の種類をきちんと理解し、目的を持って分析を行う必要があります。今回ご紹介した小売業で活用できるデータ分析の種類も踏まえ、ぜひ今後の経営に活かしてください。

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