AI(人工知能)技術で何が分析できる?ビッグデータ解析の事例と合わせて解説

 2021.02.25  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

AIによって今後さまざまなことが実現されたり、効率的な作業ができるようになったりする、といったことをよく聞きます。しかし具体的に何ができるようになるのか理解できていない人も少なくないでしょう。ここでは具体的事例や、AI技術を利用したデータ分析に関して解説していきます。

AI(人工知能)技術で何が分析できる?ビッグデータ解析の事例と合わせて解説

そもそも、AI分析とは?

AIによる具体的事例を紹介する前に、その前提となる、AI技術を活用したデータの分析手法等について解説しておきます。

まずAIとはArtificial Intelligenceの略で人工知能を意味します。まるで知性があるかのように、人間に近い思考でさまざまな分析ができ、その分析の対象も広いです。

しかし、特に「AI分析」と呼ぶ場合、通常膨大な量のデータを扱う分析を指します。なぜならAIの良さは、高い分析能力とコンピュータによる高速かつ正確な計算能力にあるからです。

明確な定義はありませんが、おおよそAI分析に対してはこのような認識が持たれており、厚生労働省でも「大量のデータに対し、高度な推論を的確に行うこと」などと表現されています。ビッグデータと合わせたAI分析は従来の情報分析よりも効果的であるため、新たなビジネスアプローチの発見にも資することでしょう。

ただ、同じ「分析」といっても、その精度等はプログラムの内容や運用の仕方、分析ツールによっても異なります。「Python」や「SPSS」、「R」などさまざまなプログラミング言語でデータ分析は可能ですが、よりレベルの高い技術者の存在が重要であることは変わりません。

機械学習、ディープラーニングとの違い

「AI」と混同しがちなのが、「機械学習」と「ディープラーニング」です。用語の違いに関しても整理しておきましょう。

これら3つは並列的な概念ではありません。AIが最も大きなカテゴリとして、その中に機械学習が存在し、さらにその中にディープラーニングが存在する、という関係性をもちます。
つまり、ディープラーニングは常に機械学習でもありAIの一種ともいえますが、AIが常にディープラーニングを指すとは限りません。

なお機械学習とは「定義した条件を元に特定のタスクを自動化する」ことを意味し、ディープラーニングとは「AI自体が定義付けから分析まで自動で進める」ことを意味します。
両者ともAIに内包される用語ですが、ディープラーニングのほうがより技術レベルの高いものが要求されることもあり、この領域を指してAIと呼ぶこともあります。

AIにできることは?

次に、AIができることや得意とするタスク等を紹介します。
AIが特徴的なのは、従来のデータ分析と比較して高い自立性と適応性を有している点にあります。そのため逐一人間に頼ることなく作業を進められますし(自立性)、過去の経験を活かしてパフォーマンスを向上させられます(適応性)。

人が認識するのと近い状態を再現できるため、音声認識や画像認識、自然言語処理などもできます。ある画像や音声を認識し、それがどのような意味を持つのか、何を表しているのか、ということを人に近い感覚で処理するのです。

自然言語は人間が使用する日本語などの言語のことで、要はコンピュータ用に開発されたプログラミング言語でなくとも理解可能ということを意味します。

こういった解析がAIの活躍の場となっています。その他、人が扱いきれない膨大な情報をまとめて処理し、分析するといった作業もAIが得意とする分野です。
今後さらに技術が向上することで適用範囲は広がることでしょう。

事例から見るAI分析の形

それでは、実際にAI分析が活用されている事例を紹介していきます。

デジタルマーケティング領域への活用

「データは蓄積されているがマーケティングに上手く活用できていない」「顧客それぞれに最適なコミュニケーションができていない」「マーケティング部門の人手が不足している」といった問題を抱える企業も少なくありません。

この場合、AIを用いることで問題解決できる可能性があります。具体的には、顧客データを元にターゲット層を分析したり、カスタマーサービスを自動化したり、といったことが実現できます。

データの有効活用および顧客のパーソナリティに合わせた対応、そして業務効率化による人手不足の解消も図れるでしょう。

膨大なデータをAIは高速処理できるため、より人間に近いコミュニケーションを取れるようになりつつあります。

実際、AIを使ったチャットボットの導入例も増えています。自動で顧客対応をしてくれるためメール対応を減らせますし、深夜対応も可能です。チャットボットの導入で深夜や早朝でも顧客の問い合わせニーズに応えられるようになった企業は多くあります。

他にもECサイトにおいて、購買履歴や会員情報など各種データを用いた分析によってユーザーの属性を分類、適切なアプローチを実施して新規獲得やリピート促進等に繋げることも実現します。

品質管理・改善

近年特に品質管理に対する意識が高まっていますが、人手不足の問題もあるため、改善に取りかかるのは容易ではありません。

そこで、AIを活用した品質改善への取り組みが注目されています。特に異常の検知・予知保全といった領域にはAIが有効で、人手不足と品質管理の問題を一挙に解決することも期待されています。

リアルタイムの検査を行い、故障が発生する前に担当者へ通知を出すなどして品質管理・改善を実現した例もあります。

また、検品を強化することにも役立ちます。作業者の経験やコツに頼った検品が行われている現場も多いですが、AIの導入により人的要因を減らしつつ、さらに精度を向上させられます。このようにAIを適切に取り入れることでスピードと精度の両方を向上させられるのです。

プリント基板メーカーの導入事例では、設計工程にAIを導入したことでプロセスが2割ほども短縮できています。部品配置や配線パターンの最適解が素早く導けるようになったからです。
タイヤメーカーの導入事例では、多数のセンサーを用い、タイヤの成形システムを構築しました。センサーからの情報をAIがリアルタイムで処理することにより、人間では再現するのが難しい高度な技術をシステムに反映できたのです。

自動運転・交通状況予測

自動運転も近年注目度を上げている分野です。AIが周囲の状況をリアルタイムで認識し、自動車の制御を行うのです。自動車に備え付けたセンサーからデータを得るほか、GPS等からも加速度や角速度などを検出します。

多様なデータを元に自動車の状態および周囲の状況を把握した上で、どのようにコントロールすべきか判断し、どうやって目的地に向かうのが最適なのかを考えて走行します。

また、このような技術は渋滞情報の予測にも使えます。自動運転のためには交通状況を把握することが欠かせないので、そのための情報処理が、渋滞情報を予測することにも役立てられるのです。

医療分野での活用

医療分野でもAIは活用されています。
たとえば、今だとCTやMRIなどの画像診断を人が行っているため、経験が豊富な人でも見落としてしまうこともあります。こうしたミスを減らすことにもAIは使えるでしょう。

そして将来的には病気発生の予測も期待されています。マンモグラフィの検査結果に基づく乳がん発生確率や、生活習慣の学習による心臓病生活習慣病罹患リスクを予測したり、脳のMRI画像データから軽度の認知症の兆候を発見したりして、早期に治療を目指すなど、多様な病気への対応に活用できます。そうすることで患者の負担を減らすだけでなく、医療従事者の負担軽減、さらには社会保障にかかるコストの削減などにも繋がってきます。

まとめ

AI技術による分析を活用することで、さまざまなことが実現されることが分かったかと思います。ここで挙げた事例は世の中で利用されているもののごく一部です。他にも色々な場面でAIは活用されており、ビッグデータ解析等も行っています。

AIは今後さらにその精度を向上させるとともに、活躍の場も広がっていくことでしょう。


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