業務改革とは?業務改善との違いや改革のポイント

 2020.09.28  デジタルトランスフォーメーションチャンネル編集部

カブキ、ゼン(禅)、スシ、ラーメン、カワイイーー。これらの言葉は日本という国を飛び出してもそのまま通じる世界共通語として知られています。特に日本の伝統芸能・文化やサブカルチャー、食文化における言葉が多いのですが、実はビジネスシーンでも海外でよく使われる日本語があります。それが「カイゼン(改善)」です。

遡ること四十数年前、1978年に出版された『トヨタ生産方式―脱規模の経営をめざして』では、40年以上経過した今でも生産管理者のバイブルとして知られています。

もともとは製造業で盛んに行われていた改善活動ですが、現在の日本企業で「業務改善」を行っていないところは皆無と言っても良いでしょう。これに加えて、近年では「業務改革」による新しい業務プロセスの構築にも注目が集まっています。本記事では、そんな業務改革の基本と業務改善との違い、そして改革のポイントです。製造業に従事していないビジネスパーソンもぜひ参考にしてください。

bpr

業務改革とは?

業務改革、英語圏では「BPR(Business Process Re-engineering:ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)」と表現されるこの言葉は、「既存の業務プロセスを新しく組み替えることで、時代に即した業務プロセスの構築と高い柔軟性の確保」を目的とした取り組みの総称です。

企業には設立から受け継がれてきた「伝統」とも呼ぶべき業務プロセスがいくつも存在し、それらが積み重なることで大きなビジネスを形成しています。ところが、設立当初と現在とではビジネスを取り巻く環境が変化している部分も多く、必ずしも伝統的な業務プロセスがその企業にとっての最適解とは限りません。むしろ、伝統を重んじるあまり現代ビジネスへの追従が難しくなり足かせになってしまっているケースもあります。

BPRが本格的に注目されたのは1990年代初頭であり、米国の長期的不況によって疲弊しきっていた企業経営を立て直すための抜本的改革として注目されます。BPRの原型と呼べる概念を提唱したのが元マサチューセッツ工科大学教授のマイケル・ハマー博士と、経営コンサルタントのジャイムス・チャンピーです。彼らの共著である『リエンジニアリング革命』がベストセラーになったことをきっかけに、BPRへの注目が高まります。

当時、日本ではバブル経済の崩壊によりBPRの考え方が広く受け入れられることになり、多くの企業や組織が経営そのものを抜本的に改革する目的で着手します。

ちなみにBPRは1980年代の日本企業の業務プロセスを米国企業が参考にしたという背景があり、そこには前述した『トヨタ生産方式―脱規模の経営をめざして―』のカイゼンの考え方が多分に含まれています。つまり、業務改革並びにBPRとは日本が逆輸入的に取り入れ、製造業以外の産業でも広がった業務改善の原型というわけです。

業務改革と業務改善の違い

業務改善へ日常的に取り組んでいる企業は多いですが、業務改革へ取り組む企業は少ないと言われています。企業の中には、「毎月1つ以上業務改善案を提出する」といったノルマが課せられているケースもあるほど業務改善は一般化されています。では、業務改革と業務改善の違いとは何でしょうか?以下に違いをまとめてみました。

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業務プロセスに加えられる変更

業務改革:業務プロセスの全部または一部を一度破壊し、新しく構築する

業務改善:日常の業務プロセスの中で創意工夫を繰り返して効率性を高める

業務プロセス変更に対する反対

業務改革:反対する者、抵抗感を示す者が存在する

業務改善:積極的に反対する者はほとんど現れない

業務プロセス変更の持続性

業務改革:一過性のプロジェクトであることが多い

業務改善:PDCAサイクルを継続的に回していく

業務プロセス変更の効果

業務改革:業務プロセスの仕組みそのものを変革するため一度成功すれば高い効果が得られる

業務改善:持続的な活動なので取り組みをやめると効果が低下する

業務プロセス変更の難易度

業務改革:難易度は高く、プロジェクトを遂行するリーダーとチームが必要である

業務改善:一定の手順を踏むことで誰もが成果を上げることができる

以上の中で特に着目していただきたいのが「反対者の有無」です。業務改善は日常の中の創意工夫であり、「今あるものをもっと良くする」という考え方が根底にあるため、細かい施策で議論が飛んでも業務改善自体に反対する者はほとんどいません。

その一方で、業務改革は既存の業務プロセスを一旦破壊し、新しい業務プロセスを構築する抜本的改革を伴うことから反対者が出現します。業務改革では自業部門において自身への影響度が計り知れないことから、自然と反対意見も多くなるわけです。このことを理解しているか否かにより、業務改革の成否が分かれると言っても過言ではないでしょう。

業務改革を実施するポイント

では最後に、業務改革を実施するポイントを簡単にご紹介します。

ポイント1.業務プロセスの洗い出し

まず大切なのはビジネスを形成している業務プロセスを洗い出すことです。日々の業務では整理しきれない業務プロセスを整理することにより、業務改革を実施するための基盤を作っていきます。

ポイント2. 業務プロセス間の繋がりを可視化

業務プロセスは洗い出すだけでなく、業務プロセス間の繋がりを可視化するためのモデル図などを作成しましょう。これがあるか無いかで業務改革の質が変化します。

ポイント3. ビジネスの停滞を起こす問題特定

次に、業務プロセスの中でビジネスの停滞を起こすような問題(ボトルネック)を特定します。先に作成したモデル図から業務プロセスを俯瞰しながら問題を発見しましょう。

ポイント4. 業務プロセスの再構築

問題を特定したら、それを解消するために業務プロセスの再構築(並べ替えや廃止など)を行います。その際は他の業務プロセスとの繋がりに注意しながら、変更による影響範囲を確認しながら再構築します。

ポイント5. 業務改革の実施とモニタリング

いざ業務改革実施したら、それで終わりにするのではなく定期的にモニタリングを行い想定する効果を発揮しているかを判定します。

以上のように、業務改革の大まかなポイントは5つです。実践する難易度は高いですが、しっかりとポイントを押さえて業務改革に取り組めば不可能ということはありません。また、業務改革実践をサポートするツールも提供されているので、この機会に自社における業務改革へぜひ取り組んでみてください。

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