ビル管理システムとは?一般的な機能や役割について

 2021.02.17  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

近年、電力コスト削減やリモートでの監視・制御に、ビル管理システムを導入する企業が増えています。しかし、比較的新しいシステムのため、どのように活用できるシステムなのか知らない方も多いでしょう。

そこで本記事では、ビル管理システムの概要や基本的な機能について解説していきます。

ビル管理システムとは?一般的な機能や役割について

ビル管理システムとは

オフィスの一室に入室した際に勝手に電気が点灯したり、空調の電源がオンになったりという経験はありませんか?これは人の出入りや室内温度を検知して、設備が自動的に動作していることによるものです。こうした設備の自動制御システムを、ビル管理システムといいます。ビル管理システムでは、照明、空調、電気、防災、防犯といったさまざまな設備を制御して快適な過ごせる空間の実現を目指しています。

ビル管理システムの役割はそれだけではありません。例えば、前述した照明や空調の自動化では、消し忘れ防止により無駄な使用を省くことで消費電力の削減が可能です。また、自動で防犯カメラを制御したり、火災などの異常を検知して自動で知らせたり防犯や非常時に役立つシステムです。従来このような設備はマニュアルで管理していましたが、これらがシステム化されたことで省人化によるコスト削減などさまざまなメリットが得られるようになりました。

ビル管理システムという名前から、高層ビルのような建物に導入されるシステムのイメージを持たれるかもしれませんが、それのみならずホテルや病院、研究所、工場など、幅広い建物でも利用されています。

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ビル管理システムの種類

ビル管理システムには、BAS(Building Automation System) とBEMS(Building Energy Management System)があります。両者の特徴と違いを抑えておきましょう。

BAS(バス)

BAS(Building Automation System)は、名前の通り建築物にある設備を自動制御するシステムです。BASの登場により、これまでマニュアルで管理していた空調・照明・防犯セキュリティシステム・電力メーターといったあらゆる設備機器をネットワーク経由で一括制御、監視を行えるようになるため、業務の効率化はもちろん省電力化・省人化によりコスト削減が期待できるでしょう。特に照明や空調のコストは想像以上に大きく、40Wの蛍光灯100本を1日11時間点灯させて1ヶ月22日間使用していた場合、年間で約29万円のコストがかかります。

オフィスの規模が大きくなればなるほど照明の使用料が増えるため、電力によるコストもその分増加します。そこでBASを導入することによって、使用していない部屋の電力を抑えられるため最小限の電力で稼働が可能です。

また、オフィスビルでは多量の温室効果ガスを排出しています。オフィスビルの用途別消費エネルギーは多い順に、ボイラーなどの熱源機器(26%)、照明(21.3%)、コンセント(21.1%)、空調機などの空気搬送(9.4%)、冷却水ポンプなどの熱源補助機(5.2%)であるというデータがあり、BASによって削減可能な用途が多いことがわかります。これらのエネルギー消費を抑えることで環境保全にも貢献できるでしょう。現在、日本では二酸化炭素排出削減を政府として目標に掲げているので、BASのようなシステムは今後も発展が期待されているのです。
(参照元:https://www.eccj.or.jp/office_bldg/img/office2.pdf p.4)

BEMS(ベムス)

BEMS(Building Energy Management System)は、ビルのエネルギーを管理するためのシステムです。BASもエネルギーを管理するシステムと言えますが、BEMSは「エネルギー消費の可視化」により焦点を当てたシステムです。

BASは、建物全体を網羅する大規模なシステムであるため、導入には莫大な初期投資が必要です。そのため、BASの導入は大規模な商業ビルややオフィスビルなど限定的でした。
他方、BEMSは、前述の通り消費エネルギーの可視化に特化したシステムであるため、BASに比べて導入コストを安く抑えることが可能です。

BEMSによる消費エネルギーの可視化は、リアルタイムで現在の消費エネルギーがわかるだけでなく、前日や、前月、前年度のデータと比較もできるため、現在のエネルギー消費量が適切であるかどうかの判断基準になります。

さらにBEMSでは、省エネを推進するためにデータを分析して改善案の提案や、設備の経年劣化の判断にも役立ちます。そのため、省エネ目標を立てることや迅速な設備メンテナンスが可能となるのです。

また、ドア開閉センサーを活用すれば、会議室の混雑状況をリアルタイムで把握することや、室内で長時間の密閉状態になることを防止するなど、昨今のコロナウィルス感染予防対策にも役立てることが可能です。

ビル管理システムの機能

ビル管理システムにはさまざまな機能が備わっており、オフィスだけでなく工場や病院などさまざまなシーンで活用できます。
これから導入を考えている企業は、管理システムの機能を把握して設備管理に役立てましょう。

ビルのリモート監視機能

異常検知、管理状態の監視、計測値を超えた場合の警報処理、保守情報の監視など、ビル管理システムにはさまざまな監視機能が備わっています。そのため、工場などで動作を監視したい場合や管理している設備の老朽化を確認したい場合など、さまざまな場面で活用されます。
これらの監視機能は、リモートでも利用できるため、パソコンなどの端末から使用可能。タブレット型のUIを提供している場合や、クラウドサービスとの連携によってリモートを実現しているシステムもあります。

ビルのリモート制御機能

リモート制御機能を活用すれば、遠隔地から設備をコントロールして制御することも可能です。設備を制御するスケジュールを組んだり、停電時に復旧させたり、あらかじめ連動させたい機器をコントロールできます。遠隔地から常に監視・操作したい設備がある場合に活用可能です。緊急時の制御にも有用で、故障などのアラート通知が届いた場合、設備を制御させて復活させるなど迅速なトラブル対応へつながります。

複数ビルの一元管理機能

オフィスが複数の支店にまたがる場合、各ビルを個別に管理することは非効率的です。一元管理機能を使えば、複数のビルを一元化し、一括で管理することが可能です。
前述したリモート制御は当然ですが、管理システムを導入しているビル全体のデータも見ることもできます。

当機能を活用すれば、管理しているビルのデータを計測したり異常を早急に発見したりすることに役立ちます。例えば、電力使用をビルごとに計測すれば、使用料が多い場所の問題点発見や改善に役立てられるでしょう。

また、異常時に警告が表示されるようにしておけば、すぐにトラブルを発見して早急な対策が立てられます。建築物の老朽化測定に使用すれば、大きな問題が起こる前にトラブルの解消も可能です。

クラウドサービス連携

近年、クラウドサービスがあらゆる場面で浸透しており、それはビル管理システムにおいても例外ではありません。クラウドサービスとビル管理システムを連携することで、状況やニーズに合わせて柔軟にシステムを変更や、機能の追加が可能になります。

また、クラウドサービスの大きな利点として、すぐに簡単にサービスが利用できるという点があります。従来、大規模なネットワークシステムを構築するにはサーバーの設置が必要で、それに伴って、維持費やランニングコストがかかっていました。
クラウドサービスではそのほとんどがSaaSであるため、自社でハードウェアなどを用意する必要がありません。

まとめ

ビル管理システムでは、照明、空調、電力などを自動制御することで、コスト削減に役立てられるほか、温室効果ガスの削減にも有効です。また、BEMSはエネルギー消費量の見える化に特化しており、データを集積することで省エネ目標の設定が可能です。現在エネルギー資源の重要性が見直されており、ビル管理システムの普及は今後も期待できます。


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