IoTはどのように活用すべき?製造業における活用事例

 2020.02.06  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

クラウドコンピューティングや無線通信などテクノロジーの進化によって実用性が高まり、ビジネスにおけるIoT(モノのインターネット)の活用に注目が集まっています。近年では自動化、効率化のニーズが高い製造業の現場でも、さまざまなかたちでIoTを導入、活用する企業が増えてきています。本稿ではIoTはどのように活用すべきなのか、製造業における活用事例とともに解説します。

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製造業がIoTの導入によって実現できること

IoT(Internet of Things)とは、さまざまなモノがインターネットに接続することで新たな価値を生む技術です。機器に設置したセンサーが音、温度・湿度などの状態を取得してサーバーへ送信し、サーバー側で集計・分析した結果を何らかのかたちでフィードバックします。例えば、人が近づくと自動で鍵が開くスマートロックはIoTの代表例です。そのほかにも、機械の音から故障を検知したり、ドアの開閉センサーで建物の入退室記録を行ったり、カメラに映る画像から商品のキズや汚れを見つけたりするのはIoTの技術で実現しています。

今まではコスト面や技術的な問題によりインターネットに接続することが難しかった機器が、技術革新によってインターネットに接続できるようになったことで大きなインパクトを与えています。これまで手作業だった業務を自動化、効率化することも可能で、さらにAIと組み合わせることで高度な異常検知なども実用化されています。IoTをはじめとするテクノロジーの活用により、現在ビジネスの現場で起きている問題や課題を解決することが期待されています。

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IoTの活用事例

基本的に「センサーでデータを取得し、サーバーで処理してフィードバックする」という構造は同じですが、IoTの活用の仕方はさまざまです。ここでは製造業における代表的な事例をいくつか挙げてみましょう。

株式会社ブリヂストン

世界最大のタイヤ会社であるブリヂストンは、タイヤのメンテナンスを効率化する手段としてIoTを活用したシステム「Tirematics」を開発しました。もともとオンプレミス環境でデータを蓄積していたシステムをクラウド化したものです。

トラックやバスのタイヤにセンサーを設置して空気圧や温度を計測し、リアルタイムでクラウド上のサーバーに情報を送信。サーバー側でタイヤの不具合を発見すると車両の持ち主にメッセージを自動送信する仕組みです。また収集したタイヤの情報とほかのシステムが連動することで、タイヤの状態を遠隔管理できるようになります。

今までは整備士やドライバーが手でタイヤの点検・修理を行っていたため手間も時間もかかっていました。また人が判断するためミスが発生する可能性もあります。自動でタイヤの状態を取得・管理することで、効率的に点検やメンテナンスができるようになり、人の負担を軽減しています。

同社は世界26か国に生産・開発拠点を持っており、そのうち20か国でTirematicsを展開、約7,000台あまりのタイヤを遠隔管理しています。また国内では、2018年8月に、はとバスと共同で観光バスのタイヤを対象にした実証実験を行っています。

日本アンテナ株式会社

防災・消防無線用アンテナや放送用アンテナなどで国内有数のシェアを持つ日本アンテナは、河川の水位管理にIoTを活用しています。同社は国土交通省と共に「革新的河川管理プロジェクト」に参画、クラウド型水位計の実証実験を実施しました。

日本には多くの河川がありますが、中小規模の河川にはコスト的な問題で水位計が設置されていないところが数多くあり、災害時に避難するかどうかの目安がわからないという課題がありました。

そこで同社では、洪水時の危機管理目的に特化した安価な簡易水位計を開発し、河川に設置するシステムを構築しました。河川に取り付ける子機は、太陽光パネルと内蔵バッテリーにより稼働する静電容量式センサーで日陰でも設置可能です。メンテナンスも簡単に行えます。取得した水位データは無線通信で親機まで送信され、親機からクラウドサーバーへはLTEで通信する構成にしたことで通信コストも抑えられています。

従来の水位計にあった設置費用や維持管理費用の課題を解決することで、都道府県等が管理する中小河川等への水位計の普及を支援しています。実証実験の結果を踏まえ、今後は実導入を進める予定です。

アクア株式会社

コインランドリー向けの業務用洗濯機器を開発するアクアは、2017 年に次世代型のCloud IoT ランドリーシステムの提供を開始しました。

従来のコインランドリー店舗では、オーナーが来店して機器の故障などをチェックする必要がありました。また金銭トラブルなどが発生した場合は対面で来店客とやりとりをすることがオーナー側の負担になっていました。

IoTを活用することで、洗濯機やガス乾燥機に設置したセンサーが機械の稼働状況をサーバーに送信し、集計した結果を店舗オーナーのスマートフォンやパソコンに送信することができます。オーナーは店舗に確認に行かなくても遠隔で機器の状況把握や価格設定などができます。また店内に設置したマルチ端末と連携することでポイント管理や返金処理、領収書発行も可能になりました。オーナー側の負担軽減になるだけでなく、来店客にとっても利便性が高く評価されています。

株式会社日立ハイテクノロジーズ

電気機器関連などを中心に、設計や製造・販売を行う日立ハイテクノロジーズは、機械学習、パターン認識技術を用いた機器の予兆診断サービス「BD-CUBE」を提供しています。

これは機器を利用する現場が持っている「正常な製品と異常な製品との区別がつきにくい」「大量データからどこが異常かを見つけ出すのが難しい」「なぜ品質が一定でないかの原因がわからない」といった課題に対して、IoTとAIを組み合わせて解決しようとしたものです。特に安全性や正確な稼働が求められる医療機器や産業機械の分野で導入が進んでいます。

診断をするために、事前に正常な状態のデータを大量に蓄積してAIの学習モデルを作成し、センサーで取得した温度・圧力・流量値といった機器の稼働データと比較します。「いつもと違う状態」を自動で検知することで、「何日後に故障しそうか」という予兆を早期に発見し、メーカーに過度に依存せずに機器を常に安全な状態で利用できるようにします。

このようにIoTとAIを組み合わせたシステムは、機器の自動化を実現する手段として活用が増えてきています。

Thermoplan AG

スターバックス、ネスプレッソなどで採用されている世界有数のコーヒーマシンメーカーThermoplan は、販売するマシンをIoTすることで「コーヒーを焙煎・抽出する」以上の価値を提供しています。

新開発したコーヒーマシンでは、コーヒーミルの使用頻度や圧力、一定期間に消費されたコーヒーの量などのデータを収集しクラウドサーバーに自動送信する仕組みになっています。サーバーがデータを集計・分析することでショップ側はマシンの使用状況を把握できるようになったほか、故障検知もしやすくなりました。いつ機械のクリーニングを実施すればよいかなどの情報も提供してくれるため、必要なときにメンテナンスすることができるようになり、無駄な保守作業が不要になりました。結果的にメンテナンスコストの低減や業務改善に役立っています。またマシンの稼働時間などショップ担当者が分析に役立つ情報も提供しています。

まとめ

IoTは製造業の現場で起きている問題や課題を解決するソリューションとして活用が進んでいます。今まで人の手で行っていた業務を自動化することで業務効率化やコスト削減が実現するのは事例のとおりです。ビジネスを変革する手段としてIoTは大きく期待されている分野となっています。

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