社員の位置情報取得のビジネスでの活用事例とは

 2021.01.27  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

ビーコン技術の開発により、近くにある物体のデータ取得が容易になりました。その結果、オフィス内にいる従業員の移動データを簡単に取得できるようになり、業務効率化に活用する動きが広がってきています。本記事では、ビーコンで取得した位置情報を活用するメリットや、実際の活用事例について詳しく説明していきます。

社員の位置情報取得のビジネスでの活用事例とは

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社員の位置情報を取得で業務効率化

社内にいる社員の位置情報をリアルタイムで取得できると、業務を効率化させるのに役立ちます。近距離での位置情報取得に活用されているのが「ビーコン」です。

ビーコンを使えば社員の現在地や移動履歴が瞬時に把握できるため、オフィス内における社員の行動管理や混雑状況の把握に利用されており、オフィス内で新型コロナウイルスへの感染者が出た場合に、濃厚接触者の把握、備品のレンタル状況の可視化などへも活用されます。

ビーコンとGPSの違い

位置情報を取得できるシステムといえばGPSを思い浮かべる人が多いかもしれませんが、近年、位置情報を活用したソリューションにはビーコンがよく採用されています。

ビーコンとは、低消費電力の近距離無線技術「Bluetooth Low Energy」を活用した新しい位置情報特定技術および、その技術を活用したデバイスです。ビーコンが信号を受信できる範囲は半径数十メートル程度のため、オフィス内など比較的近距離での位置情報に向いています。

ビーコンは、建物内に設置された発信器と社員が携帯しているビーコンが相互に信号を送受信することで位置情報を特定します。従って、位置情報を把握したい社員には、ビーコンを身に付けてもらう必要があります。

一方のGPSは、人工衛星から発信される電波を利用して位置情報を把握する仕組みのことです。比較的広い範囲の位置情報を把握できますが、地下や建物の中では電波が遮断されてしまうため、オフィス内での利用には不向きと言えるでしょう。

社員の位置情報取得のメリット

ビーコンで社員の位置情報を取得すると、どんなメリットがあるのでしょうか。主に社員の稼働状況の確認や、ウイルスへの感染防止などに役立てられます。

少ない手間とコストでスタッフの稼働状況を把握できる

多くの企業が、スタッフの稼働状況やオフィスの利用状況を可視化するために調査を行っています。ビーコンを使えば、そうした調査効率は大きく向上するでしょう。

従来は管理部門の担当者がオフィス内を巡回して人数を数える、調査対象の社員に自己申告してもらうといった手法で行ってきました。しかし、人手による調査はマンパワーを要するため、連続したデータ取りには不向きです。

会議室への出入りなどは、カードキーシステムを導入するか、センサーやゲートを設けることでも把握できますが、すべての企業がそうした専用システムを導入しているわけではなく、導入にはそれなりのコストと手間が生じます。

一方、ビーコンを使えば、発信機を壁や机の裏などに設置し、スマートフォンに専用アプリをインストールしてもらうだけで位置情報を取得可能。全員に社用スマートフォンを配布できない場合でも、携帯用のビーコン端末は一台3,000円程度で用意可能です。新たに高額な設備を購入する必要がないので費用負担が少なく、短期間で環境を整備できところがビーコンの強みと言えます。

さらに、社員の位置情報をマッピングすれば、フロア間や部署間の移動など、詳細な導線分析も行えます。こうしたデータを基にフロアのレイアウトを最適化したり、社員用シャトルバスの運行時間や本数を見直したりといったことも可能です。

ウイルス感染を防止できる

ビーコンは、社内で新型コロナイウルスへの感染者が出た際、感染者の行動分析や濃厚接触者の割り出しにも役立ちます。位置情報や滞在時間は2週間以上さかのぼって追跡できるほか、行動ログを基に濃厚接触者のリストを作成することも可能です。

中にはオフィス内にいる社員の位置情報をマッピングし、各エリアにおける稼働率を%で表示して社員やオフィスの管理者に知らせ、3密状態の回避につなげるサービスもあります。

位置情報取得での業務改善事例

ここからは、ビーコンによる位置情報を活用した業務改善の事例を紹介します。

社員の勤怠管理の把握に活用

ビーコンは、社員の勤怠管理にも使われています。位置情報がわかれば正確な出退勤時間を割り出すこともできるので、サービス残業を抑止する目的で活用している企業が多いようです。また、普段勤怠ボタンを押す習慣を持たない職業で勤務状況を把握する際や、社員とは別の方法で勤怠を管理している派遣スタッフ、または出向しているスタッフについて、容易に出退勤確認できます。

最近では、オフィス勤務と在宅勤務の両方を採用している企業も多くなっているため、用事のある社員が出社しているかどうかを確認する際にも役立てられています。

また、オフィスへのエントランスにゲートがある場合、ゲートの開閉時間を調べてビーコンのログと照らし合わせれば、より精緻なデータ収集が可能です。

社内における混雑エリアの可視化

フリーアドレス制のオフィスやラウンジ、社員食堂などの共用部にビーコンを設置しておけば、混雑状況を事前に確認し、空いているエリアを瞬時に探し出せます。エリアごとにあらかじめ定員を設定しておけば、混雑状況を数値化することも可能です。

社員はこのデータを基に混雑を避けて食堂やラウンジの利用時間を調整できるため、無駄のない人の流れを生み出せるとともに、待ち時間の削減にも効果的です。

備品のレンタル状況を可視化

ビーコンは人だけでなく、物の位置情報の取得にも便利です。例えばノートPCや台車といった会社の備品にビーコンを取り付け、オフィス内の複数箇所に信号の受信機を設置しておけば、備品の紛失を防止できます。

さらに、社員が携帯する社員証にビーコンを付け、それらのデータをアプリケーション上でマッピングすることで、「誰がどの備品をどこで使用しているか」を可視化します。仮に備品が社外に持ち出されても、社内で最後に誰が持っていたのかをすぐに特定できます。

まとめ

社員の位置情報がわかれば、オフィス内での混雑を避けられるほか、ウイルスへの感染対策に役立ちます。ほかにも、社員の出退勤を容易に把握できるなど、さまざまなメリットがあります。ビーコンによる位置情報取得は、高額な設備投資や大掛かりな工事の必要もありません。業務効率化の一手段として位置情報の活用を検討してみてはいかがでしょうか。

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