OMOが成功している企業事例について

 2021.02.25  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

オンラインとオフラインを統合することはマーケティングにおける重要課題の1つです。OMOにより顧客体験はより豊かになり、小売店の持続的な成長につながります。しかし、適切な戦略のもとOMOを実践できている日本企業は多くはないのが実情です。そこで本記事では、OMOの概要や導入メリット、またOMOの成功事例について詳しく説明していきます。

OMOが成功している企業事例について

流通・小売業のデジタル化を加速させる Intelligent Retail ソリューションガイド

OMOとは

OMO(Online Merges with Offline)とは、「オンラインとオフラインの融合」を意味するマーケティング戦略のことです。2017年に元GoogleチャイナのCEOであった李開復(リカイフ)氏が英経済誌『ザ・エコノミスト』で発表したことで広まりました。

もともとマーケティング分野では、Webサイトの閲覧履歴やユーザー登録情報といったインターネットに接続した状態で取得できるデータと、実店舗での購入履歴やポイントカード情報といったインターネットを経由しないで取得できるデータは、別々に管理・運用されていました。

しかしスマートフォンの普及やそれに伴う技術進化によって、オンラインとオフラインのデータを紐づけ統合して管理・運用できるようになりました。これによりOMOのような複合的な戦略を取れるようになり、顧客に対してよりよい体験を提供することで満足度を高めることができます。

OMOの導入メリット

OMOは、利用する顧客側にとっては、インターネット環境さえあればより便利に買い物ができるメリットがあります。例えば、店舗の近くを歩いているとスマートフォンでお気に入り登録した商品の在庫情報をプッシュ通知してくれるといったサービスです。

一方サービスを提供する企業・店舗側にとっては、以下のようなメリットがあります。

大量のデータ取得と分析

企業がOMOに取り組むメリットの1つが、大量のデータを取得・蓄積できることです。Webサイトで利用履歴のある顧客が実店舗を利用する場合に、Webサイトから取得したその顧客の閲覧履歴や商品購入履歴を、実店舗での販売方法へ活かすことができます。

このようにさまざまな地点でデータを取得し、オンライン上の顧客IDとオフライン上のさまざまなデータを紐づけ一元管理するということは、ビッグデータとして保有することでもあります。

それらのデータを分析することで、有用な情報を得ることが可能です。それに基づき顧客体験をよりよくすることにつながります。

顧客視点の追求でサービス・プロダクト改善が見込める

オムニチャネルが企業視点であるのに対し、OMOでは顧客視点が非常に重視されています。

顧客に関するデータを取得し、顧客視点で分析することで、「どんな情報を提供すると顧客が満足するのか」「どのようにパーソナライズされた情報提供ができるか」を導き出せます。例えばECサイトで検討してから実店舗で商品を試着して購入する顧客が多いというデータが得られたのであれば、Web上のデータを使ってスムーズに試着できるサービスを展開するといったことが考えられるでしょう。このようにデータを分析することで、より顧客満足度が高いサービス・商品に改善していけます。

OMOの導入事例

OMOは日本よりも中国やアメリカで先行して取り組みが進んでいます。そのため今回は、中国の大手EC企業「アリババ」が展開するフーマー・フレッシュと、アメリカの小売チェーン「ウォルマート」、について事例を紹介します。

フーマー・フレッシュ(アリババ社)

中国のインターネット大手企業アリババは、モバイルとデータを用いてオンラインとオフラインを融合させた新しい消費体験を「ニューリテール」として提唱しています。これはOMOと同じ考え方です。

ニューリテールを体現した店舗が、盒馬鮮生(フーマー・フレッシュ)という中国都市部で生活する顧客をターゲットにした次世代型の生鮮スーパーマーケットです。

生鮮食品を中心に販売しているにもかかわらず半径3km圏内であれば30分以内に無料配送するという今までにないサービスが大きな話題となり、日本でもニュース番組などで取り上げられました。店舗のレイアウトも特徴的で、華美な装飾などは一切使われておらず、通路間が大きく取られています。これは従業員によるピックアップなどの作業性を考慮した結果で、フーマー・フレッシュとしても顧客に対しては「食品工場で買い物ができる」というコンセプトとして打ち出しています。

また、フーマー・フレッシュでは店舗とオンラインの在庫が同一管理され、注文が入ると店内のスタッフが売り場商品をピックアップして梱包、配送するシステムを採用。店舗で商品を確認してからその場でスマートフォンから注文して家まで届けてもらうといった使い方も可能です。

ウォルマート

アメリカの小売大手であるウォルマートは、巨大なワンフロアで食品だけでなく衣料品、日用品、家具などを販売してレジも1カ所に集中する「スーパーセンター」業態を採用しています。

同社ではアマゾンに対抗するため、オンラインで購入した商品を受け取れるピックアップタワーの運用を2016年より試験運用を始め、現在でも継続して運用しています。

これはオンラインで購入した商品を店舗で受け取るための保管庫で、顧客はアプリやメールで商品到着の通知を受け取ってから来店し、スマートフォンアプリに表示されたバーコードをスキャンさせると荷物を受け取れるというもの。

アメリカではオンラインショッピングで購入した際には宅配待ちのストレスや、不在時に玄関に置かれた商品が盗まれるといった問題もありました。それに対して実店舗を持つという同社の強みを生かして「ネットで注文して店舗で受け取る」という新しい買い物体験を顧客に提供し、待たせず安全に商品を受け取れる利便性を提供しています。

さらに店舗受け取り式にすることで、オンラインで購入した顧客に対して来店したついでに別の商品を買ってもらう、「ついで買い」を促す効果も。

店舗側でも発送の手間が少なく無人で商品の受け渡しができることから効率的なため、積極的に利用を勧めています。

まとめ

ECサイトなどを利用したオンラインショッピングと、実店舗での買い物。今後、両者の境目は次第に曖昧になっていくと予想されます。オンラインとオフラインの融合であるOMOはこれからのマーケティングのスタンダードになるかもしれません。

OMOを理解するためには事例を知ることが近道です。今回紹介した事例は導入検討時に参考になるでしょう。

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