建設業界の現状とこれからの取り組みについて

 2022.05.24  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

これからの建設業界で生き残るためには、現状で顕在化している課題を正しく認識し、そのうえで未来を見据えた組織の改革に取り組む必要があります。本記事では、建設業界の今後が気になる方を対象に、現状で業界が抱えている課題やこれからの取り組みについて解説をします。

建設業界の現状とこれからの取り組みについて

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建設業界の現状

2020年の東京オリンピック開催が決まり、建設業界は建設バブルといわれるほど恩恵を受けました。インフラ整備や都市再開発などを中心に大型工事が数多く発生し、建設業に携わる多くの企業が潤ったのは事実です。

一方で、いまだに新型コロナウイルスの脅威は過ぎ去っておらず、少なからず建設業界にも影響を及ぼしています。そのため、建設業界がこの先どうなるのか、気になる方は少なくないでしょう。

新型コロナウイルスの影響があるとはいえ、建設バブルはまだまだ続くと考えられています。なぜなら、大型工事を伴うイベントやプロジェクトが決定しているからです。たとえば、東京から大阪までをつなぐ「リニア中央新幹線プロジェクト」が挙げられます。

2027年の開業を目指す同プロジェクトに伴い、いくつもの大型工事が発生します。建設費は約7兆400億円とのことなので、事業規模の大きさが理解できるでしょう。また、2025年に予定されている大阪・関西万博(仮称)においては、夢洲のメイン会場建設をはじめとする各種インフラ整備が必要となり、こちらも相当な規模の工事が必要となるでしょう。

建設業界が抱える課題

建設バブルはまだまだ続くと考えられますが、手放しで喜ぶわけにもいきません。建設業界には、さまざまな課題が顕在化しているためです。特に大きな問題として挙げられるのが、人材不足と長時間労働問題の2つです。

人材不足

建設業界が抱える課題のひとつとして人材不足が挙げられます。人材不足に陥る原因として考えられるのは、仕事のきつさや作業に伴うリスクです。

かねてより、建設の仕事には3K(きつい・危険・汚い)のイメージがつきまとっていました。現場での力作業はきついうえに、高所での作業には危険がつきまとい、土工の作業では泥やコンクリートが付着し汚れてしまいます。

また建設業の現場では、いわゆる「一人親方」に外注するケースが多々あります。正規雇用ではないため収入面や雇用環境が不安定なイメージが強く、人材不足の一因となっています。

建設業界における人材不足がいかに深刻なのかは、国が人材確保や育成に向けた取り組みを行っていることからも理解できます。現在、国土交通省と厚生労働省が連携し、建設業の人材確保や育成に向けたさまざまな取り組みを実施しているのです。

長時間労働問題

建設業界が抱えるもうひとつの課題が、長時間労働の蔓延です。現場に投入できる人材が少ないため、必然的に労働が長時間化しているのです。新たに人材を確保しようにも、長時間労働が慢性化した職場を好んで選ぶ人は多くありません。

このような状況の慢性化は、人材の離職も招きます。すると、さらに残された職人一人ひとりにかかる負担が増加します。過度な負担の増加が集中力やモチベーションの低下を招き、怪我や離職につながると、よくないスパイラルが出来上がってしまうのです。

加えて、職人の高齢化問題に頭を悩ませる企業も少なくありません。国土交通省が公表したデータによれば、建設業に就業している人の約3割が55歳以上とのことです。このままでは10年後には大半が引退してしまい、多くの企業が窮地に陥ると考えられています。

これからの建設業界のカギを握るDX化

DXとはデジタルトランスフォーメーションのことであり、デジタル技術を用いて変革や改革を進めビジネスで優位性を確立することを指します。そして、これからは建設業界もDX化を進めるべきと考えられています。

現在、さまざまな業界においてDX化が進んでいますが、建設業界ではあまり進んでいません。理由としては、人が直接作業する工程の多さが挙げられます。設計のような業務はデジタル化を進めやすいものの、現場作業はデジタル化を進めにくいため遅れているのです。

ただ、現在はデジタル技術もITツールも進化しており、現場作業も含めた建設業のDX化は可能です。事実、すでにDX化を進めている建設企業もたくさんあります。

デジタル技術を導入しDXを進めることで、人手不足や長時間労働といった建設業ならではの課題を解決できます。また、高度成長期に構築された基幹システムを刷新するためにも、今から少しずつシステムの変更に取り組まなくてはなりません。

建設業界のDX化に不可欠な技術

建設業界のDX化に不可欠な技術として、ICTやIoT、BIM/CIMなどが挙げられます。それぞれ、どのような技術なのか理解し、DX化を推進する際の参考にしましょう。

ICT(情報通信技術)

ICTとは、Information and Communication Technologyの略で、情報通信技術を意味します。通信技術の活用で成り立つコミュニケーションのことで、医療分野におけるオンライン診療や、教育現場でのタブレット端末とインターネットを利用した授業などが該当します。

建設業におけるICT活用の例としては、タブレット端末で設計図を展開する、工程のチェックが考えられます。また、オンラインで現場とオフィスをつなぎ、遠隔で業務の指示を受ける、離れた場所から建設機器を操縦するといった活用も進んでいます。

建設業のICT活用として、i-Constructionが有名です。国土交通省が主導しているプロジェクトで、建設業の生産性向上を実現する取り組みとして開始されました。この取り組みでは、ICT技術の全面活用、規格標準化、施工時期の平準化の3つを主軸に進められています。

IoT(モノのインターネット)

IoTはInternet of Thingsの略で、モノとインターネットをつなぐ技術です。製品にカメラやセンサーなどを搭載し、収集した情報をオンラインで送信する、遠隔で製品を操作する、状態を把握することが可能です。

建設業にIoTを活用すれば、労働時間の削減を実現できます。たとえば、従来職人が高所に上って点検やメンテナンスを行っていた作業も、カメラを搭載したドローンを利用すれば安全かつ短時間で完了できます。また、現場にカメラを設置すれば、監督はタブレット端末やスマートフォンで現場の状況を確認でき、わざわざ足を運ぶ必要がありません。

また、職人が身につけたウェアラブル端末から情報を収集し、健康状態をチェックするといった活用方法もあります。脈拍や体温などを管理できるため、体調不良に伴う怪我のリスクを軽減できます。

BIM/CIM

BIMは、Building Information Modelingのことで、建造物の3次元モデルとデータを紐づける技術です。建設する建物を3Dモデル化することで、関係者間における情報共有や認識の共通化を図れるほか、工事を始める前に課題を抽出できるメリットもあります。

CIMはConstruction Information Modelingのことで、BIMの土木工事版です。3Dモデル化して合意形成の容易化や認識の共通化、管理の効率化などを図れるのは同じですが、こちらは道路やダムなどが対象です。

まとめ

今後も建設需要は高まると考えられますが、解決すべき課題が多々あるのも事実です。これからの業界で生き残るには、積極的なDX推進が必要と考えられます。建設業に携わっているのなら、本記事の内容も参考にしつつ、少しずつDX化への歩みを進めてみてはいかがでしょうか。


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