OMOとO2Oの違いとは?オムニチャネルとの違いも解説

 2020.03.17  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

OMO(Online Merges with Offline)は、今最も注目を集めている経営戦略でありマーケティング施策です。オンラインとオフラインの境にこだわらずに、UX(顧客体験)に重きを置いて消費者のあらゆる行動をデータとして集約し、UXを向上するためのマーケティング施策を展開します。

この施策が始まったのは2017年9月頃で、Google Chinaの元CEOである李開復(リ・カイフ)が提唱し、2017年12月にイギリスの週刊新聞ザ・エコノミストがそれを広く発表しました。本記事ではこのOMOについて、従来からあるO2Oやオムニチャネルと何が違うのか?を分かりやすく解説していきます。

OMOとO2Oの違いとは?オムニチャネルとの違いも解説

OMOとは何か?

中国では「スマートフォン1つあれば生きていける」とうほど、モバイルペイメントが文化として根付いています。都市部では限りなく100%に近くスマートフォンが普及しており、偽札をはじめ現金への信頼性が低いことからモバイルペイメントが一般化し、公共料金のみならず屋台での支払い、そして各種罰金でさえもスマートフォン1つで決済できます。

そんな中国はオンラインとオフラインの連携が世界で最も進んでいる国の一つです。OMOは曖昧になりつつある両者の境界線を無くし、一貫性の高いUX(顧客体験を)を生み出すことを中心に展開するマーケティング施策です。

たとえば、都市部のスーパーでは商品に付属しているQRコードを読み取ると、商品の詳細情報や購入者のレビューをその場で確認できます。この行動によって、実店舗で商品を見て、詳細情報を調べ、レビューを確認したというデータが個別IDに紐づけられて蓄積されます。このほか、スマートフォンアプリを使って行ったショッピングや閲覧したセール情報、実店舗におけるモバイル決済や購入したものなど、あらゆる消費者行動がデータとして活用可能になっています。

膨大に蓄積されている消費者データを特定のセグメントとして分析するのではなく、あらゆるデータを個別IDに紐づけた状態で分析することにより、消費者ごとの嗜好を理解した上で適切なOnetoOneマーケティング施策が展開できるようになります。このように、消費者の行動がオンラインにあろうがオフラインにあろうが、一貫性の高いUXを生み出すのがOMOです。

O2O・オムニチャネルとの違い

O2O(Online to Offline)

O2Oはオンラインとオフラインという2つの世界を切り分けて考え、双方間の行き来を促すというマーケティング施策です。つまり、OMOほど密結合ではなく疎結合のイメージです。たとえばECサイトを訪れたユーザーに実店舗で利用可能なクーポンを配布して、デジタルからリアルへと行動を誘導します。こうしたマーケティング施策はスマートフォンが普及する以前から取り組まれてきたものであり、2013年頃から爆発的に増加しました。

オムニチャネル

オムニチャネルとは、実店舗やECサイト、カタログやコールセンター、SNSに至るまであらゆる販売チャネルと流通チャネルを統合し、消費者とさまざまなポイントで接点を持とうという施策です。異なるチャネルでID情報や在庫情報を一元化することで、消費者は販売チャネルを意識することなく、どのチャネルからでも商品を購入して受け取ることができます。

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OMOとO2O・オムニチャネルとの違い

O2Oとオムニチャネルは「オンラインとオフラインを切り分けた」上で、消費者の購買行動を促すために異なるチャネルを連動させます。つまり、企業目線の施策です。一方でOMOはオンラインとオフライン、双方で蓄積されるデジタルデータを基点にして、2つの世界を融合させる施策です。消費者の購買プロセスだけでなく、あらゆるUXを中心にビジネスを設計するのがOMO最大の特徴となります。

AlibabaのOMO事例

中国では検索エンジンシェアトップのBaidu、WeChat等のWebサービスを展開するTencent、そして天猫(Tmall)など中国EC市場最大のモールを経営するAlibabaが3大インターネット企業として知られています。このうち、Alibabaが出資しているスーパーマーケットの盒馬鮮生(ファーマーションシェン)は世界で最もOMOを推進している店舗のひとつです。実店舗とオンラインを融合した先進的なサービスによって、良質な顧客体験を提供しています。

モバイルペイメントによるスムーズな買い物

盒馬鮮生ではスマートフォンアプリを使い、商品のバーコードを無人レジにかざすことで支払いが完了します。無人レジによるスマートストアは日本国内でも事例がありますが、日常的に利用可能な店舗は中国の方が圧倒的に普及しています。

アプリから今までにない付加価値を提供

盒馬鮮生のスマートフォンアプリでは、商品に付属しているQRコードを読み取ることで、商品が産地から店舗に届くまでの全履歴を確認できます。さらに、動画でレシピを閲覧したり、その料理を作るために必要な他の食材や調味料をまとめて購入できたりと、消費者の新しい購買行動を促しています。盒馬鮮生のスマートフォンアプリを利用することで今までにない新しい付加価値によって、安心感に加えて「楽しい」という体験を得られます。

実店舗としての快適性

盒馬鮮生は消費者が楽しめる店舗づくりを徹底しており、店内では他のスーパーマーケットと比較して清潔であり、品ぞろえも豊富です。鮮魚を販売する生け簀もありますし、食材をその場で調理して提供してくれるイートインスペースもあります。単に食材を購入する場所ではなく、良質な体験が得られるスーパーマーケットと感じさせることが、魅力的な店舗づくりを支えています。

3キロ圏内で自宅配送も

盒馬鮮生のスマートフォンアプリで商品を注文すると、店舗から3キロ以内の範囲ならば30分以内に配達してくれるサービスも提供しています。実際に手に取って見た商品をアプリで購入すれば、手ぶらで自宅に帰っても30分以内には商品が届くため、より快適な買い物が可能となります。

日本でOMOは浸透するのか?

中国でOMOが浸透している背景にはまず、圧倒的に普及したモバイルペイメントがあります。日本でもキャッシュレス決済は拡大していますが、日本のキャッシュレス普及率は年成長率6.7%と上昇トレンドではありますが、2017年の時点で21.3%となっています。中国はキャッシュレス先進国に比べるとその数値は圧倒的に低いままです。

参考:経済産業省 FinTechビジョン (2017年5月)

しかし、キャッシュレス決済の比率は確実に増えており、OMOでは「将来的にデジタルがリアルを飲み込む」という、「アフターデジタル」の考え方があります。これはオフラインのデータがオンラインの個別IDと紐づけられ、あらゆる消費者データが管理できるようになるものです。

このアフターデータを基点としながらOMO施策を考えることで、日本企業でもOMOは可能になっています。また、OMOでは「徹底したUX志向」が大切です。販売チャネルや流通チャネルを企業視点で切り分けるのではなく、あくまで消費者視点で考えて一貫性の高いUXを設計することで革新的な商品・サービスを提供できます。この機会にぜひ、自社におけるOMO施策について考えてみてはいかがでしょうか。

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