業務のデジタル化が進まない理由とは?現状を打破するための対策も解説

 2021.03.18  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

情報通信技術の発達によって、あらゆる産業が飛躍的な発展を遂げました。そんななか注目を集めているのが、デジタル技術の活用によるDXの実現です。しかし業務のデジタル化は喫緊の課題でありながら、思うように進まないと嘆く企業も多いでしょう。本記事では企業のデジタル化が進まない理由と、具体的な解決策について解説していきます。

Digitization-of-business-operations

デジタル化が必要な背景

近年、さまざまな業界において「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の実現が急を要する経営課題となっています。DXとはデジタル技術を活用することで、企業経営やビジネスモデルそのものに変革をもたらし、市場における競争優位性を確立することです。DX実現が急務とされる理由として「働き方の多様化」と「2025年の崖」という2つの社会的背景が挙げられます。

働き方の多様化

近年、労働環境の多様化が進み、テレワークを導入する企業が増加傾向にあります。その背景にあるのは「働き方改革関連法」と「新型コロナウイルスの感染拡大」です。2018年6月に「働き方改革関連法」が成立し、2019年4月より順次施行されました。そして2020年に発生した新型コロナウイルスの感染拡大も相まって、テレワークの導入率が一気に上昇しています。パーソル総合研究所の調査によると、2020年3月時点のテレワーク実施率は13.2%だったのに対し、緊急事態宣言発令後の4月には27.9%にまで上昇しているのです。

テレワークが普及するなか、従来と同等のアウトプットを維持するためには、デジタル技術の活用による業務効率の向上が不可欠です。働き方改革関連法によって長時間労働が是正されるなか、高い成果を生み出すためには労働生産性の最大化が求められます。テレワーク環境下でオフィス勤務と同等の業務品質を担保するためには、ペーパーレス化をはじめとする業務のデジタル化が必須です。業務をデジタル化することで自動化・スリム化し、企業経営の在り方そのものに対する変革が必要となるでしょう。

2025年の崖

「2025年の崖」とは、2018年に経済産業省が発表した「DXレポート」のなかで使用され、大きな注目を集めた問題です。経済産業省はDXレポート内にて2025年にITシステムに関するさまざまな問題が顕在化し、日本経済を揺るがす事態に陥りかねないとして警鐘を鳴らしています。その要因のひとつが老朽化・複雑化・肥大化しているレガシーシステムの存在です。

DXとはデジタル技術の活用によって経営に改革をもたらす取り組みを指します。したがってDXを実現するためには、最先端テクノロジーを運用するためのITインフラが必要です。老朽化したレガシーシステムでは、最先端テクノロジーの運用基盤としての役割を果たすことができません。またレガシーシステムの多くが古いプログラミング言語で書かれており、ブラックボックス化しているのが実情です。ブラックボックス化したITシステムは適切な運用・保守が困難となり、情報セキュリティインシデントを招く危険性が増大します。

さらに企業のERPシステムとして高いシェアを誇るSAP社の「SAP」が2027年にメインストリームサポートを終了するのも由々しき事態です。そのため、多くの企業において基幹システムの移行や再構築が喫緊の経営課題となっています。こうした諸問題とIT産業の深刻なエンジニア不足も相まって、2025年までにDXを実現できなければ、最大12兆円の経済的損失が生じると推定されているのです。

業務のデジタル化が進まない4つの理由

業務のデジタル化が進まない理由として、主に4つの要因が挙げられます。それが「問題意識の低さ」「社内調整の煩雑さ」「IT部門のリソース不足」「デジタル化の責任者が不在」です。ここでは業務のデジタル化が進まない4つの理由について詳しく解説します。

1.問題意識の低さ

業務のデジタル化によるDX実現を阻む障壁となるのが、上層部の認識不足による問題意識の低さです。近年、ビジネス誌や新聞、Webメディアなどさまざまな媒体でDXが推進されています。しかし、DXの必要性を感じてはいても、具体的な取り組みを進めている企業は多くありません。

多くの企業が現状は問題なく日常業務が遂行できてしまうため、見直しの優先度が低く、デジタル化によるコスト改善効果、紙文書を継続するリスクなどが十分に測定されていないのが実情です。そのため、DXという言葉だけがひとり歩きしている状態といえます。

2.社内調整が大変

企業のあらゆる業務をデジタル化するためには、ITインフラの刷新や各部門で運用管理している情報システムの一元化が必要です。デジタル化によって従来の業務フローをすべて見直す必要性も出てきます。とくにシステム基盤がレガシー化している企業であれば、ITシステムの刷新は莫大なコストを要するプロジェクトとなるでしょう。

プロジェクト規模が巨大になるほど関係者数も増え、デジタル化に否定的な人物も出てくるため、説得や根回しに労力を必要とします。こうした社内調整の煩雑さがDXの推進を阻む要因のひとつです。

3.IT部門のリソース不足

IT部門のリソース不足は多くの企業において重要な経営課題です。日本は人口減少と少子高齢化も相まって、深刻な人材不足に陥っています。人口減少と少子高齢化の流れは今後さらに加速し、それに比例して労働力人口も下降の一途を辿ると予測されます。

とくに国内のIT産業における人材不足は非常に深刻な情勢です。経済産業省とみずほ情報総研株式会社の調査によると、IT産業の人材不足数は2030年には約79万人にまで達すると試算されています。情報システム部門は既存システムの運用管理が精一杯であり、デジタル化を推進する余力がないのが実情です。

4.デジタル化の責任者が不在

DX推進のボトルネックとなっているのがリーダーの不在です。日本能率協会の調査によると、企業内にDX担当役員と推進担当部署が設けられている割合は4割で、そのうち専任となるとさらに低い割合を示します。専任のDX担当役員がいる割合は7.9%で、兼務の32.1%を合計して4割にとどまり、DXの推進担当部署についても専任の部署があると回答したのは24.3%で、兼務で担当する部署の24.3%を足して4割にとどまります。

DXの推進には、それによって何を成し遂げたいかという明確なビジョンが必要であり、単にエンジニアの管理職を起用しても成果は見込めません。DXを実現するためには、企業理念に基づいた明確なビジョンを掲げ、プロジェクトを成功へと導くリーダーが求められます。

業務のデジタル化を進めるための具体策

絶えず変化する社会情勢や、多様化かつ高度化していく顧客ニーズに対応するためには、企業経営の在り方そのものに対する変革が必要です。ここでは業務をデジタル化し、DXを実現するための具体策について解説します。

経営戦略の中に組み込む

業務のデジタル化によるDX実現とは、言わば既存業務の刷新を意味します。そこで重要となるのが企業理念に基づいたビジョンの策定、そして中長期的な視点でデジタル化を推進していく経営戦略の構築です。組織の上層部が意思決定を下し、トップダウン形式で全社一丸となって企業経営を進めていく必要があるでしょう。

業務のデジタル化によって享受できる恩恵を共有すると共に、現状維持のリスクや変革の必要性を社内に浸透させねばなりません。明確なビジョンに沿って体制を構築し、場合によっては専任部署の設置も検討するなど、フレキシブルな経営戦略が求められます。

IT人材を確保する

デジタル化の推進には、優秀なIT人材が不可欠です。しかし、人口減少や少子高齢化の影響も相まって、IT人材の確保は困難になっていくと予測されます。IT人材を確保する方法は「社内でスペシャリストを育成する」か「外部から積極的に採用する」の2択が主な選択肢です。組織内に優れた人材が多く存在することで、デジタル化を主体的かつ効率的に進められ、知識や技術の蓄積にもつながります。

しかし、「2025年の崖」で示した通り、優秀なIT人材の確保は今後ますます難しくなるでしょう。そのため人材を補う方法やデジタルシフトを行うのかという具体的な指標の検討など、長期的な視点での協議が必要です。

クラウトサービスを導入する

ITインフラの刷新は、業務のデジタル化において大きな障壁となります。オンプレミス環境のシステム刷新には、サーバー機器の増設や管理施設の拡充などが必要です。そこでおすすめしたいのがITインフラのクラウド化です。クラウド環境へと移行することで、システム導入と保守・管理における莫大なコストの削減につながります。アップデートやメンテナンスなども不要になり、情報システム部門の業務負荷を軽減できるため、DXの推進に寄与します。

またクラウド化によって組織全体での情報共有が可能になるため、テレワーク環境下における業務効率の向上も期待できるでしょう。クラウドサービスはSaaS・PaaS・IaaSなどさまざまな形態があるので、自社の経営戦略や企業規模に適したサービスの選択が重要です。

まとめ

テクノロジーの発展に伴い、時代は凄まじい速さで変化しています。このような時代背景のなかで、企業が競争優位性を確立するためにはDXの実現が不可欠です。自社での運用管理に不安があるなら、ワークフローシステム「SmartDB」のような優れたITソリューションを活用し、業務のデジタル化を推進していきましょう。

CTA

RELATED POST関連記事


RECENT POST「業種共通」の最新記事


業種共通

小売業者が知っておきたい未来のサイネージ

業種共通

小売業IT活用事例:マクドナルドの次世代店舗と顧客を追跡の手法とは?

業種共通

業務デジタル化クラウド「SmartDB」とは?機能や導入するメリットを解説!

業種共通

店舗型ビジネスもDXの時代へ!求められる理由や実現して得られるメリットを解説

業務のデジタル化が進まない理由とは?現状を打破するための対策も解説

RANKING人気資料ランキング

RECENT POST 最新記事

RANKING人気記事ランキング

サイト掲載へのお問い合わせ