製造現場のデジタル化で生産性向上を目指そう!その具体例やアイデアとは?

 2021.03.29  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

あらゆる業界・業種でDXの重要性が叫ばれる中、製造現場でもデジタル化の流れが強まっています。今後グローバル市場において競争力を維持するためには、デジタル化の推進が不可欠です。本記事では、製造現場においてデジタル化が必要とされる理由やデジタル化のアイデアを紹介します。

製造現場のデジタル化で生産性向上を目指そう!その具体例やアイデアとは?

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政府も推進する製造業の「デジタル化」とは?

近年、あらゆる業界でデジタル化による生産性の向上や業務効率化が進められており、製造業も例外ではありません。従来、日本の製造業ではエクセルなどのオフィスソフトを活用して生産管理や在庫管理を行い、帳票管理においては紙の書類を使用していました。しかし、このようなアナログな管理体制は、多品種少量生産や変化の早い市場の動き対して柔軟に対応するには非効率です。今後ますます深刻化していく労働力不足や海外企業との競争激化に対応するためには、これまで以上にデジタル化を加速させていく必要があります。

製造業におけるデジタル化とは、これまで人間が処理していた業務や紙での情報管理を、システムやロボットなどのデジタル技術を用いて効率化することです、その結果、安定的な生産を可能にしたり、労働時間を短縮したりして生産性を向上させることが目的です。

具体的には、「ペーパーレス化によるデータ管理の効率化」「ロボットや画像処理技術による製造工程や外観検査の自動化」「IoT機器による工場設備の遠隔操作や稼働状況把握」などが、製造業におけるデジタル化の例です。

最近では単に業務や情報管理をデジタル化するだけでなく、デジタル化によって製品やサービス、さらにはビジネスモデルまでも変革させ、市場における優位を獲得しようとする試みとして、DX(デジタルトランスフォーメーション)が注目されています。

DXを実現させるためには、その前段階として社内業務のデジタル化を進めておくことが重要です。ぜひ、社内外のデータを必要なときに迅速に取り出せるよう整備し、経営の意思決定のスピードを早めておきましょう。加えて、収集したデータは、新しい製品や事業の立案に役立てることも可能となります。

DXを推進しているのは民間企業にとどまりません。ドイツ政府が提唱した「インダストリー4.0」をはじめ、世界の主要各国が第四次産業革命への対応を進める中、経済産業省は2017年、日本の産業が目指すべき姿として「Connected Industries(コネクテッドインダストリーズ)」というコンセプトを世界に向けて発信しました。

これは、製造現場が保有するデータを日本製造業の強みとし、データを介して人間・機械・技術などあらゆるものをつなげようとする取り組みです。技術革新や生産性向上、そして技能伝承などを可能にすることで、新しい付加価値の創出や社会の課題解決を目指す産業のあり方を示しています。政府はこの新しい構想を実現するため、製造業にデータ活用やAI・IoTなどの最新技術導入を促す仕組みづくりを急いでいます。

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製造現場のデジタル化が重要視される背景

なぜ今、製造現場においてデジタル化が重要視されているのか、その理由と背景をもう少し詳しくみていきましょう。

変化の激しいグローバル市場において競争力を発揮するためには、新しい製品やサービスを高い品質を維持しつつスピーディーに生み出していかなければなりません。

しかしながら、日本では人口減少に伴って労働人口が年々減少傾向にあるほか、少子高齢化の影響で現場のスキルやノウハウを次世代に継承していくことが難しくなっており、製品・サービスの開発のハードルも上がってきています。このように、日本の国内総生産(GDP)を支えてきた製造業は現在、危機に直面している状況です。

製造業に限ったことではありませんが、ほかの先進国に比べて日本企業のIT活用が遅れていることも問題視されています。日本の製造現場で使用されているシステムは老朽化が進行しており、更新や保守管理の費用が膨らみがちです。そのため、業務や事業の改革につながるような最新技術を導入したくても、そこまでの予算を確保できません。

また、経営層や現場の従業員がデジタル化の重要性やメリットを理解していないことも、製造業におけるデジタル化を妨げている要因の一つと言えるでしょう。

限られた労働力でグローバル企業と戦うならば、デジタル基盤の整備と、デジタル化による業務効率化や自動化が欠かせません。さらにデジタル化によって捻出された人的リソースや時間、コストをより付加価値の高いコア業務に振り分け、攻めの事業戦略に転換していくことが、現在の製造現場に求められています。

製造業におけるデジタル化のメリット

製造業におけるデジタル化のメリットには以下のようなものがあります。

生産性の向上

ロボットやIoT、AIといったデジタル技術は、業務の自動化や省人化を可能にし、生産性の向上に寄与します。これまで人間が処理していた作業をロボットに代行させることで、作業負担の軽減や労働時間の短縮につながるほか、人的ミスの削減や品質の標準化も期待できます。

技術継承の滑化

業務プロセスをデジタル化すると、これまで属人化していたプロセスや暗黙の了解などが形式知に転換されます。ベテラン社員の経験や感覚に頼っていたスキルやノウハウをデータとして残せるため、ベテラン社員が退職してしまった後でも、それらを資産として社内へ蓄積しておけるのです。それにより人手不足の状況下でも、安定した事業継続が可能になるでしょう。

設備故障の予測と防止

工場内の設備をIoTによって監視することで、異常を自動的に検知したり、故障を事前に予測したりできるため、生産ラインの停止を未然に防ぐことが可能です。人間では気づけないような異音すら、デジタル技術によって正確に検知すれば、重大な損失が発生する前に対策を取れるでしょう。

製造現場で進めるべきデジタル化とは?事例からヒントやアイデアを探ろう

日本の製造業の中には、すでにデジタル化を実現して成果を上げている企業もあります。製造業がデジタル化を進める上で参考になるヒントやアイデアを、先行企業の事例から探っていきましょう。

「スマートファクトリー化」で工場の省力化・情報活用の推進を試みる

「スマートファクトリー」とは、IoT技術によって工場内の機械や設備をすべてインターネットに接続させ、生産や情報管理の効率化を目指した工場のことです。製造ラインの稼働状況や人の動き、部品の在庫、物流などをリアルタイムで把握可能。サプライチェーン全体の最適化が図れるだけでなく、人間の手に頼らない工場運営も実現するので、人手不足解決の手段として近年注目を集めています。

このスマートファクトリーの実現にいち早く取り組んできたのが日立です。従来、日立の工場でも日本の多くの製造業と同様、リードタイムの長期化や過剰在庫、作業の属人化、多品種少量生産への対応などに課題を抱えていました。

そこで、同社はスマートファクトリーの仕組みを構築しました。「センシングによる人・モノ・設備・手段についてのデータ収集」「データの統合」「データの可視化と自動分析」「自動フィードバック」という4つのサイクルを素早く回転させることで、先の課題を解決し、業務全体を最適化することに成功したのです。

「ペーパーレス化」で情報をデータ化し、管理業務を効率化

ペーパーレス化によって工場内の業務データや作業日報などを電子データベースに置き換えると、書類作成の手間や時間を省けることはもちろん、印刷代や書類の保管スペースを削減できます。

住友重機械工業では、従来は紙の文書で行っていた製造時の不具合に関する報告を電子データでの管理に移行しました。それにより、データ入力や集計の手間が大幅に削減されただけでなく、集計結果を製造現場の大型ディスプレイに表示し、従業員とリアルタイムで共有できるようにしたことで、改善への意識づけ強化へつながりました。

「トレーサビリティ」の向上による製品管理体制の強化

製造業のデジタル化は、トレーサビリティの向上により生産管理体制の強化にも貢献します。トレーサビリティとは、「製品の生産・流通・購買・消費」までのプロセスを追跡する仕組みのことです。英語では「traceability」、直訳すると「追跡可能性」という意味です。

トレーサビリティは、製品に不具合や欠陥があった場合、その原因を特定するとともに、再発防止に向けた対策を講じる際に役立ちます。

小松製作所では、トレーサビリティの確保やサプライチェーンの最適化を目指して、工場のIoT化を進めています。「機械加工・溶接・熱処理・出荷検査」といったプロセスの実績データを、独自のIoTアプリケーションで見える化。収集したデータはタブレット端末からサーバに送り、リアルタイムな稼働状況や稼働率の把握、生産性の向上や、課題の発見・改善につなげています。

まとめ

ものづくり大国と呼ばれてきた日本の製造業は現在、人手不足の深刻化によって危機に瀕しています。日本が今後グローバル市場で戦っていくために、デジタル化の推進およびDXの実現は待ったなしの状況です。製造業におけるデジタル化のメリットを把握した上で、効率的な生産管理やデータ活用の体制整備を目指しましょう。

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