日本国内における放送業界ランキング(売上高別)

 2020.08.26  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

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放送業界は市場規模がそれほど大きくないものの、国内では重要な産業のひとつです。近年、インターネット事業がますます発展普及し、若年層のテレビ離れが進んでいます。新たな局面に立たされた民法4大放送局の売上高をランキング形式で紹介します。

日本国内における放送業界ランキング(売上高別)

「放送業界」とは

放送業界とは電気通信技術を利用し、不特定多数の人に映像や音声、文字を一斉に届ける事業を運営する業界です。いわゆるテレビやラジオを通じて、視聴者に情報やエンターテインメント、音楽を提供しており、おもにテレビ分野のことを指します。

テレビには地上波放送のほか、衛星放送や有線放送(ケーブルテレビ)があり、地上波放送がもっとも長い歴史を誇ります。

また地上波放送は、広告を出したい企業にCM枠を販売し、その収益で運営している民間放送局(民放)と、視聴者から直接徴収した受信料で運営する「日本放送協会(NHK)」のような公共放送があります。

放送業界の現状と課題

ここでは、テレビ業界を中心とする放送業界の売上高の推移を解説します。2003年度の放送事業収入と放送事業外収入を合わせた放送事業者全体の売上高総計は、3兆8,356億円でした。以降増収が続き、2007年度に過去最高の4兆1,178億円を記録しました。しかし、2008年度のリーマンショックを機に減収し、2017年度の3兆9,337億円まで横ばい傾向が続いています。

また、民間放送事業者の地上波放送の売上高総計は、過去最高だった2007年度の2兆5,847億円から減少傾向が続き、2017年度は2兆3,471億円でした。

当然のことながら、民間放送事業者の地上波放送の広告収入も2008年度の1兆9,092億円から減収が続き、2018年度は1兆7,848億円となっています。(引用元:放送産業の市場規模(売上高集計)の推移と内訳2017年度

現状の課題について

民間放送事業者の地上波放送の売上高総計や広告収入が減少している背景には、若年層のテレビ離れがあると言われています。2018年度の平日のメディア利用時間は全年代において、テレビ(リアルタイム)視聴時間が約2時間36分ともっとも長く、つぎにインターネット利用時間の約1時間52分が続きました。

一方、10代の2018年度における平日のテレビ(リアルタイム)視聴時間は約1時間11分で、インターネットの利用時間は約2時間47分とテレビの視聴時間より上回っています。20代も同様に、テレビ(リアルタイム)視聴時間が約1時間45分なのに対し、インターネット利用時間は約2時間29分とテレビ試聴時間を上回っています。こうした理由から、企業が広告をテレビCMからインターネット広告にシフトする傾向が高まり、民間放送事業者の広告収入が減り続けています。

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テレビの広告費を見てみるとテレビCMの広告費は2016年度には1兆9,657億円だったのが、2018年度には1兆9,123億円に減少しています。それに対し、インターネット広告費は2016年度に1兆3,100億円だったのが2018年度は1兆7,589億円に増加しています。インターネット広告費がテレビのCM広告費を上回る日が来るのも、そう遠くはないかもしれません。(引用元: 総務省 主なメディアの平均利用時間と行為者率)(引用元:電通2018年日本の広告費

日本国内における放送業界・売上高ランキング

日本テレビ、TBSテレビ、フジテレビジョン、テレビ朝日の民放4大テレビ局では近年、広告収入が減ってきていることから、不動産事業、通販事業、定額制動画配信など放送事業以外の事業にも注力しています。そんな民放4大テレビ局の売上高ランキングとそれぞれの特徴を見ていきましょう。

1位.フジテレビ

フジテレビは1957年に株式会社富士テレビジョンとして創業し、現在の名称は株式会社フジ・メディア・ホールディングスです。2019年度(2019年4月1日~2020年3月3日)の売上高は6,314億円で経常利益は348億円でした。

フジテレビは近年、事業の多角化に力を入れています。そのひとつが、放送事業のほかゲーム、音楽、広告、出版など幅広いコンテンツを提供するメディア・コンテンツ事業です。また、オフィスビルの開発や賃貸、商業施設や飲食店の運営、観光リゾート事業、マンション販売、賃貸などの都市開発・観光事業が大きく売上げを伸ばしています。このような多角経営によって、民放テレビ局の中で売上シェアは1位を獲得しています。

なお、2018年度(2018年4月1日~2019年3月31日)のフジテレビの売上高構成比は、放送事業が46.2%、「ディノス」「セシール」といった通販を含む生活事業が19.9%、都市開発・観光事業が16.8%、そのほかが17.1%となっています。(参照元:2020年3月期決算説明資料2ページ)(参照元:2019年3月期決算説明資料4ページ

2位.日本テレビ

日本テレビは1953年、国内初の民間放送局としてデビューしました。2019年度(2019年4月1日~2020年3月3日)の売上高は4,265億円で経常利益は492億円です。

日本テレビの強みは、ドラマ、バラエティー番組、スポーツ番組、報道とバランスの取れた番組制作による視聴率の高さにあります。2019年度の年間視聴率(2018年12月31日~2019年12月29日)で全日、プライム、ゴールデンの全3部門で第1位に輝きました。3冠は6年連続となります。

また、2014年にインターネット動画配信サービス会社「Hulu」の日本事業を買収、SVOD(Subscription Video On Demand:定額制動画配信)事業に参入するなどメディア・コンテンツ事業にも力を入れています。

なお、2018年度の日本テレビの売上高構成比はメディア・コンテンツ事業が89.7%ともっとも大きく、生活・健康関連事業が8.9%、不動産賃貸事業が0.6%、そのほかが0.8%となっています。(参照元:日テレホールディングス決算短信平成30年17ページ

3位.TBS

1951年に国内初の民間ラジオ放送を開始した株式会社ラジオ東京がTBSのはじまりです。2019年度(2019年4月1日~2020年3月3日)の売上高は3,567億円で経常利益は212億円でした。

TBSテレビは放送事業以外にも、旧本社エリアを再開発したテナントビル「赤坂Bizタワー」や高級賃貸マンション「赤坂ザ レジデンス」を運営するなど不動産事業にも注力しています。映像・文化事業も好調で、映画や展覧会、演劇を手掛けるだけではなく、輸入生活雑貨「PLAZA」を運営する化粧品会社「スタイリングライフ・ホールデングス」や、通販会社「グランマルシェ ショッピング」がこの事業の売り上げを支えています。

なお、2018年度のTBSテレビの売上高構成比は放送事業が61.7%、化粧品事業などを含む映像・文化事業が34.0%、不動産賃貸事業が4.3%となっています。
(参照元:2020年3月期決算資料TBS 2020年5月

4位.テレビ朝日

テレビ朝日の前身は1957年に創業した株式会社日本教育テレビで、もともとは教育専門のテレビ局でした。1973年に総合番組局へシフトしました。

テレビ朝日の2019年度(2019年4月1日~2020年3月31日)の売上高は2,936億円、経常利益は320億円です。

テレビ朝日のエントランス、アトリウムには番組のディスプレーやアニメの人気キャラクターグッズが飾られています。近年は音楽出版業や歌手のマネジメント事業も手掛け、サイバーエージェントと共同開発した「AbemaTV」などインターネット事業にも参入しています。
なお、2018年度のテレビ朝日の売上高構成比は、テレビ放送が82%、音楽出版が3.2%、そのほかが14.8%でした。(参照元:2020年3月期決算状況2020年5月 テレビ朝日14ページ

放送業界の今後の動向について

ここまで、地上波放送の広告収入減に伴い、各テレビ局は事業の多角化を進めていることを紹介してきました。2020年度は新型コロナウィルスの感染拡大により広告出稿料がさらに減少し、イベントや番組収録の中止などにより、各局とも売上高の大幅な減少が予想されます。

今後は、インターネットを利用した定額制動画配信サービスに参入していないテレビ局が導入に踏み切るほか、各局とも、ますます事業の多角化を進めていくことが予想されます。

まとめ

近年、若年層の間ではインターネットの利用時間が増え、テレビ視聴時間が減少しています。それに伴い、広告収入減の歯止めがとまらない放送業界では、ますます新たな事業への参入が余儀なくされています。すでに放送事業とは異なる事業で大きな成果を上げている放送局もあります。今後の放送業界の動向から目が離せません。

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