ホテル・宿泊業界におけるDX化とは? ポイントと例を紹介

 2022.07.21  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

IT技術の発達に伴い多くの業種で推進されているDX化ですが、ホテル・宿泊業界のDX化はこれから本格的に導入が進むと考えられています。本記事では、導入する際に重要となる5つのポイントや、実際にDX化が導入された事例について解説していきます。

ホテル・宿泊業界におけるDX化とは? ポイントと例を紹介

DX化の概要

DX(Digital Transformation)は、デジタルトランスフォーメーションの略称です。経済産業省は、デジタル技術を用いて企業が業務や組織、サービス、ビジネスモデルなどを変革することをDXと定義しています。インターネットの普及やIT技術の発達により大きく変化する現在、すべての業種においてDX化はビジネス上の優位性を保つために欠かせないものとなっています。

ホテル・業界におけるDX化の5つのポイント

ホテル・業界におけるDX化は、顧客満足度、宿泊体制、人件費の削減、安全性の向上、利用者流入の5つのポイントをおさえて行うことが大切です。DX化により質の高いサービスの提供や業務効率の改善を行うことで、売上や利益の向上が期待できます。

ポイント1.顧客満足度

ホテル・宿泊業界では、顧客満足度の高さは重要なファクターです。DX化は、顧客の属性や好み、利用履歴、フィードバックなどあらゆる情報の収集・分析を実現します。サービスの質の向上にとどまらず、顧客情報に基づき宿泊客一人ひとりに最適化されたサービスを提供することが、リピーターの獲得にもつながります。
また、インバウンド需要に対応するには、IT技術を活用して外国人宿泊客とのコミュニケーションを円滑に行うため、多言語対応のツールを導入する必要があります。ITの活用で顧客のニーズに応え、サービスを最適化することが顧客満足度の向上につながります。

ポイント2.スムーズな宿泊体制

ホテル・宿泊業界では繁忙期と閑散期がはっきりしています。バケーションシーズンに利用が集中するため、利用者の予約や館内の施設をスムーズに利用できる環境の構築が大切です。近年の新型コロナウイルス感染拡大への対策としても、混雑を緩和できるスムーズな宿泊体制の実現は重要視されています。
宿泊施設の場合、レストランや浴場など館内の各施設の混雑は利用者への不満にもつながるため注意が必要です。施設利用客の混雑を分散化させるDXとして、スマートフォンでの混雑状況の可視化が多くの企業で取り入れられています。施設の利用者をセンサーで感知しリアルタイムの混雑状況を配信、スマートフォンでレストランなどの混雑状況をチェックできるため、スムーズな施設利用が可能です。

ポイント3.人件費の削減

宿泊業は人件費率が約18~20%ほどの人件費が高い業種です。DX化による業務の自動化が人件費率の削減につながります。現在では、館内を自動で掃除するロボットや無人チェックインシステムの導入で人件費を削減しているホテルが増加しています。
フロントに受付ロボットを設置する方法やオリジナルアプリを活用するスマートチェックインなどの方法で、フロントのスタッフを削減しながらスムーズにチェックイン・チェックアウトできるシステムを構築可能です。宿泊客への対応をスタッフが行う必要がないため人件費の削減ができ、少子高齢化による人材不足の課題解決にも役立ちます。ただしスタッフの削減により顧客満足度に悪影響が及ぶ恐れもあるため、導入時にはよく検討する必要があります。

ポイント4.安全性の向上

広い宿泊施設は、設備の保守点検を目視で行う場合人的ミスが起きやすいデメリットがあります。点検する人によって判断が異なるケースもあり、場所によっては火気や転倒、落下物などのリスクも生じるため注意しなければなりません。DX化により、異常を感知するセンサーやAIカメラなどのIT技術で保守点検を自動化できます。単なる省力化に留まらず、人的ミスの心配がない、24時間365日いつでも安全な状態を維持できます。
チェックインシステムに生体認証を導入しているホテルでは非対面でスムーズにチェックインできるため、新型コロナウイルス対策にも対応可能です。また、上記のスムーズな宿泊体制と人件費削減効果にもつながります。

ポイント5.利用者の流入

近年では、ホテル・宿泊施設をスマートフォンやパソコンから申し込みをする人が増加しているため、ホテルの宿泊予約、キャンペーンメールなどのマーケティングにもDXが活用されています。ネット経由、特にスマホからでも予約申し込みやすい予約管理システムの導入で、利用者の流入増加が期待できます。
また、予約管理システムと連携したフロント一元管理システムの導入で、スタッフの負担や入力ミスなどによる手間を減らし、利用客へのサービスへ注力できます。SNSとの連携で顧客管理が可能なシステムなど、予約管理システムにはさまざまなものがあるため、必要な機能を搭載し、自社の客室規模などに合うものを導入することが重要です。

ホテル・宿泊業界におけるDX化の例

ホテル・宿泊業界においても、多くの企業がDX化への移行を始めています。VRの導入、ロボットの導入、顔認証の導入など、実際にIT技術を活用してDX化を行っている企業の実例を解説します。

VRの導入

ホテル経営にVR(仮想現実)技術を導入した事例があります。ホテル業界の提供するサービスはつまるところ「体験」に集約されますが、写真や文章、動画だけで魅力を伝え切るのは難しいものです。そういったジレンマを解消するため、利用客が事前に宿泊サービスをVR空間で提供するサービスを導入している企業もあります。VRゴーグルと3D映像を使い、実際に現地にいるような感覚で館内の見学やホテル周辺の散策が可能です。VR体験を通して納得してから予約できるため、顧客満足度の向上も期待できます。また、VR技術を従業員研修にも利用し、より充実したサービスの提供につなげています。

ロボットの導入

ロボットの導入も注目度の高まっているDX事例のひとつです。たとえば、非対面チェックインシステムによって、新型コロナウィルス対策を兼ねた省力化を実現できます。また、清掃もロボットが代替できる部分の多い業務です。人の手で行うと作業にムラが出たり、長時間の作業により集中力が低下したりなどが懸念されますが、ロボットにその心配はありません。他にもセキュリティ面など、代替可能な分野をロボットに置き換えることで、過重労働になりがちなホテル業務の人手不足問題を解消し、ホスピタリティの向上に繋げることができます。

顔認証の導入

最新技術としては、顔認証システムの導入も耳目を集めています。ホテルの予約、チェックイン、サービス利用、チェックアウトなど、一連のホテルサービスの全てを顔認証ひとつで行います。エレベーターでは宿泊フロアの階まで自動で運ばれ、部屋に入るときもセンサーによる顔認証でロックが解除されるため鍵が不要。ルームサービスや施設の予約はスマートフォンに入れたアプリから簡単に行えます。宿泊客にとって重大事である鍵に関するトラブルから解放されることは、シンプルに顧客満足度を高めてくれることでしょう。

まとめ

ホテル・宿泊業界のDX化では、顧客情報の収集・分析、施設情報の感知・情報共有、ロボットによる業務の自動化などでIT技術を利用した業務改革を行えます。「Microsoft 365」や各ツールを活用すると、施設内の事務的な情報を一ヶ所にまとめて管理でき、さまざまな業務の効率化が実現します。


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