金融業界のDXとは?DX化に求められる課題をまとめて解説

 2022.09.28  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

金融業界のDX化とは、デジタル推進によって業務の効率化やサービス改善による高度な顧客体験の提供などを実現することです。
DX化が行われないままでは、「2025年の崖」により競争力が低下し、経済的な損失を生むリスクがあります。

本記事では、金融業界のDXの概要や課題、行うべき施策を解説します。

金融業界のDXとは?DX化に求められる課題をまとめて解説

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DXとは何なのか?

近年、あらゆる業界においてDX化が進んでおり、日本経済の基盤ともいえる金融業界も例外ではありません。ここでは、DXの概要やDX推進の背景にある「2025年の崖」について詳しく解説します。

DXの概要

DXとは、Digital Transformation(デジタル・トランスフォーメーション)のことで、デジタル技術によって人々の生活や社会全体をより良いものに変革していくという概念です。元は2004年にスウェーデンの大学教授が論文で提唱したことが始まりであり、時代の流れからビジネスにも応用されるようになりました。ビジネスシーンでは、デジタル技術によってビジネスモデルおよび組織や体制を再構築し、企業の体質を変革させることを目的としています。

金融業界におけるDX化の目的は、金融に関係するサービスおよび業務プロセスをデジタル化し、業務改革などを実現することです。市場のデジタル化により、金融業界も高度な顧客体験の提供や新たなビジネスモデルの創生、業務プロセスの簡素化が求められています。

DX推進の背景にある「2025年の崖」

近年、あらゆる業界においてDX推進が急がれている背景には、経済産業省が発表したDXレポートでの「2025年の崖」という問題があります。これは、老朽化・ブラックボックス化した既存システムが残存した場合に、2025年以降に日本企業は崖から落下するように競争力が低下し、多大な経済損失を生む恐れがあるという問題です。

この深刻な「2025年の崖」を回避するためには、DXが必要不可欠です。DXが推進されず問題を放置したままでは、2025年を境にして新システムにデータ移行ができない、既存システムが停止してしまうなどの深刻な事態に陥る可能性があります。また、メンテナンスコストの上昇やデータ滅失などのリスクの高まりも懸念されています。

さらに、DXレポートでは、2015年には約17万人だったIT人材不足が2025年には約43万人まで拡大すると予想されています。IT人材の「質」も問われており、今後のDXビジョンに向けた質の高いIT人材の育成も行わなければなりません。

金融業界のDX化における課題とは?

金融業界のDX化において、どのようなことが課題になっているのでしょうか。3つに分けて解説します。

業界全体の規制緩和や古い制度の見直し

金融業界は、これまで日本経済の礎を築き上げてきた歴史ある企業も多く、その古い慣習や制度が根強く残っている場合があります。また、金融業界の風土として、「信用」を得ることやミスを犯さないことは最も重要とされており、新しいシステムの導入で何らかのミスが発生するリスクを警戒します。これは金融業界の性質上、否定できるものではありません。しかし、これらの要因でDX化が遅れると、金融業界全体の利益低迷にも繋がる恐れがあり、規制緩和や古い制度の見直しが必要です。これには、ハンコや契約書、対面契約などの、今まで当然に行っていた手段の変更も含まれます。

DX推進のための柔軟な対応

金融業界はサービス業などの他の業界と比べDX化に遅れを取っています。そのため、システムをはじめとする様々な面において柔軟な対応が必要です。

金融業界は、顧客情報や資産を守るための高いセキュリティ性を維持することが求められています。このこともあり、金融業界では自社で専用の情報システムを構築する「オンプレミス型システム」が主流で、一部の担当者しかアクセスできない「閉じられたシステム」が採用されています。これは、セキュリティへの不安によりクラウドシステムへの移行に対して慎重になっているためです。しかし、このままDX化が行われなければ、既存システムの停止や、メンテナンスや監視が不足することでセキュリティ性が低下するような事態になりかねません。

デジタルに精通した人材の確保

「2025年の崖」の項でも触れたとおり、IT人材の確保も大きな課題です。それも、金融業務を理解しているIT技術者が必要です。金融業界におけるDX化は、新システムの導入だけではありません。金融業務を理解し、既存システムのメンテナンスを行いながら、取得したデータを管理することも重要です。

既存システムがオンプレミス型の自社専用システムである場合、専任の技術者しかわからないプログラム設計の可能性があります。メンテナンスも専任の技術者が行うことを前提としている場合、属人化されてしまい、技術者の引退にともない対応が困難となる恐れもあるでしょう。次世代のビジネスに進んでいくためには、既存システムおよび新システムに精通した人材の確保が急がれます。

金融業界のDX化ではどのようなことができるのか?

金融業界のDX化では、どのような施策を行うべきなのでしょうか。ここでは、金融業界のDX化で活用できるAIやデータ、RPA、クラウドシステムのキーワードを3つに分けて解説します。

AIやデータを活用する

AIは、人では処理できない膨大なデータを活用し、精度の高い予測が可能です。金融業界がAIを導入することで得られるメリットは、大幅なコスト削減や生産性の向上、また競争力の強化です。

例えば、融資審査にAI解析を用いることで、融資に関連する業務効率が上がり、顧客側にとっても審査が短期化するメリットがあります。他の活用方法として、顧客基盤を持っている他社のECサイトと連携し、融資サービスなどを利用できるようにすることで、これまで接触機会のなかった顧客への商品提供が実現できます。このようにAIやデータの活用は、金融業界のDXにおける重要な役割を担います。

RPAを活用する

RPAとは、「Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)」のことで、人が行う単純作業を自動化する機能があります。人が行う手順を登録することで、人の操作と同じくシステムやアプリケーションの操作・実行が可能です。

金融業界では毎日の業務に追われ、社員は余裕のない状態が恒常化しています。RPAにより、時間ばかりかかるシンプルな作業を自動化することで、時間と人材に余裕ができ、人しか扱えない重要業務に専念できます。

クラウドシステムを活用する

金融業界がクラウドシステムを活用する手法として実施したいのは、インターネットバンキングの導入や口座のクラウド管理です。申し込みや各種手続きをインターネット上で完結できれば、店舗に行く時間を削減でき、顧客にとって大きなメリットになります。また、顧客情報をクラウド管理することで、社員の業務負担が軽減できコスト削減にも効果的です。

一方、サイバーセキュリティ対策やプライバシー保護の観点から、クラウドシステムを採用している企業はまだまだ少ないのが現状です。しかし、金融業が2025年の崖を回避しDX化の波に乗るには、セキュリティ対策や個人情報保護を強化しつつ、クラウドシステムなどの新しいサービスを導入していくことが重要です。

まとめ

金融業界のDX化は、業界特有の慣習や古い既存システムへの依存、IT人材の不足など多くの改善すべき課題を抱えています。課題解消には、AIやデータの活用、RPA、クラウドシステムの導入がキーポイントになるでしょう。これらの新しいサービスを活用し、DX化を推進していくことが重要です。

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