DX推進ガイドラインとは? 企業がチェックすべき重要11項目を解説

 2022.06.28  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

DXを実現するには、まず現状課題の確認が欠かせません。そこで役立つのが、DX推進ガイドラインです。本ガイドラインのチェック項目を参考にすれば、自社の課題を洗い出しやすくなり、具体的なアクションにもつなげられます。まずは、DX推進ガイドラインとはいったい何なのか、どのようなチェック項目があるのかを確認してみましょう。

DX推進ガイドラインとは? 企業がチェックすべき重要11項目を解説

DX推進ガイドラインとは

DX推進ガイドラインは、正式名称を『デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン』といい、経済産業省がまとめたレポートのことを指します。

このガイドラインが作成された背景には、同じく経済産業省から提出された『DX レポート~IT システム「2025 年の崖」の克服とDXの本格的な展開~』において、企業に対し、DX推進を促していることが挙げられます。しかしDXレポートには、DX を実現するうえで必要なアプローチやアクションについては記載されていません。そこで、DX実現に向けて実際に何をすべきかをまとめ、チェックに活用できるものとして、DX推進ガイドラインが作成されました。DXに取り組むにあたって、先にDXレポートについて詳しく知りたい方は、下記記事 を参考にしてください。

https://www.digital-transformation-real.com/blog/overview-of-dx-report-2

DX推進ガイドラインは、「経営の仕組み」と「ITシステムの構築」の2部構成です。また、それぞれのチェック項目が定められており、計11個の項目を確認することで、より効率的にDXを進められます。

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DX推進ガイドラインの要点(1) DX 推進のための経営のあり方、仕組み

では早速、DX推進における「経営の仕組み」の部分において、チェックすべき項目を確認してみましょう。経営の仕組みにおける確認事項は5つに分かれます。

1.経営戦略やビジョンが提示できているか

DX推進において、まず重要なのは経営者がDXによって実現したい経営戦略やビジョンをもち、それを社員全体に共有することです。トップが何を実現したいかが明確になっていないのに、とりあえずDXを推進しようとしてもうまくはいきません。より具体的に経営戦略やビジョンを提示するためには、以下2点を明確にしましょう。

  • DXによって、どんな事業分野でどういった新しい価値を生み出したいか
  • それにはどんなビジネスモデルの構築が必要か

2.経営トップがリーダーシップを発揮し、変革を先導しているか

DXを進めるうえで、企業には大きな変化や臨機応変な対応、スピード感のある対応が求められることがあります。こうした変化に対し、社員だけでの取り組みでは限界があったり、うまくいかなかったりするおそれもあります。そこで必要なのが、経営者のリーダーシップです。具体的には、経営者に下記のコミットメントが必要とされます。

  • 経営者がDXに紐づく変革に対し、強くコミットして取り組んでいるか
  • 社内で反対の声が上がった場合、経営者がリーダーシップをもって進められるか

3.DX推進のための体制は整っているか

DXに取り組むには、まったく新しい挑戦が必要になる場合もあります。その際、スムーズに業務を行えるよう、あらかじめDXに取り組める環境をつくっておくことが重要です。体制整備において重視すべきポイントは、「マインドセット」「推進・サポート体制」「人材」の3つで、それぞれ下記の点が達成されているかをチェックします。

  • マインドセット:仮説検証プロセスの確立から実行、評価まで積極的に挑戦できる仕組みが整っているか
  • 推進・サポート体制:DX を推進する部門の設置など、必要な体制が整っているか
  • 人材:データ活用に知見のある人材、DX推進をリードする人材など、必要な人材の育成・確保ができているか

4.投資等の意思決定は適切か

DXを導入し継続するには、そのための予算が必要です。準備段階ではコストがかさむかもしれませんが、その後のリターンを考えて適切に投資しなければなりません。投資の判断軸には、以下の3つを参考にしましょう。

  • コストばかり見るのではなく、ビジネスへの影響を考えて判断しているか
  • 結果を求めることで、かえって挑戦を躊躇させていないか
  • 投資をしないことにより、他社に遅れを取るリスクを考慮しているか

5.変化への対応はスピーディーか

DX は、単にデータ化をしたり、データ活用をしたりするためだけのものではありません。これからのビジネス環境に対し、よりスピーディーに対応するために取り組むべきものです。そのため、DXを用いたビジネスモデルが、さまざまな変化に対しスピーディーな対応を実現できるかどうかをチェックしておく必要があります。

  • 経営方針転換やグローバル展開などへの対応がスピーディーに実現できるか

DX推進ガイドラインの要点(2) DXを実現する上で基盤となるITシステムの構築

続いて、DX推進における「ITシステムの構築」に関する6つのチェック項目をご紹介します。システム構築の中でも、6~9は「体制・仕組み」に関するもの、10・11は「実行プロセス」に関するものです。

6.全社的に取り組めているか

企業においてDXを実現するには、一部の部門だけでなく全社で活用可能なシステムを導入する必要があります。そのためには、まず各部門から人材を集めたり、部門ごとのデータ基盤を作成し連携したりする必要があるでしょう。そこで、以下2点をクリアできているか確認します。

  • 全社的なシステム構築に際し社内体制が整っているか
  • 経営戦略に合致するシステムの全体設計を描ける人材が確保できているか

またガイドラインでは、先行事例として、経営者レベルと各チームの担当者による少人数のチームを作成し、トップダウンで変革に取り組んだ例を紹介しています。そちらも参考にしてみるとよいでしょう。

7.ガバナンスを確立しているか

システム構築において、部門ごとの特徴に合わせた個別最適を選択してしまうと、システムが複雑になり、ブラックボックス化が起きやすくなります。そこで重要なのが、ガバナンスの確立です。システム構築に関する判断を下すときは、全社最適であるかを重視するよう、ガバナンスを定めます。そのために注意しておきたいのが、以下2点です。

  • 全社最適となるためのガバナンスを確立しているか
  • ベンダー企業に任せきりにせず、自らがシステム構築設計を行っているか

8.各事業部門がオーナーシップをもっているか

DX化において、パートナーとなるベンダー企業の協力は必須です。しかし、自社に最適なDXを実現するには、ベンダー企業にすべてを任せるのではなく、自社で責任をもつことも重要です。自社で責任をもって進めることで、既存のシステムや経験を活かしながら、コストを最小限に抑え、ノウハウを習得しつつDXを実現できます。そこで、自社での責任をもてているかのチェックとして、下記2点を確認しましょう。

  • 各事業部門がオーナーシップ(主導権)をもち、DXによって実現したい企画を明らかにできているか
  • 各事業部門がベンダー企業の提案を聞いたうえで、要件定義の確定、完成責任を担っているか

9.IT資産の現状を分析・評価できているか

IT資産とは、現在利用中のITシステムおよびソフトウェアを指します。DX化にあたっては、これらの利用状況をまず分析し、どのようなシステムがチームや社内に必要かを確認しなければなりません。特に複数のIT資産を保有している場合、うまく活用されていないものもあるはずです。現状分析から、必要なシステムを取捨選択しましょう。

  • IT資産の現状分析・評価ができているか

10.IT 資産の仕分けとプランニングはできているか

IT資産に関して現状分析が済んだら、仕分けとプランニングを行います。これは、不要となるシステムを廃棄し、導入すべきシステムを決定するために行います。ここでのチェック項目は、下記の5つです。

  • ビジネスの変化に応じて、ビジネスモデルを変更すべき領域を迅速に定め、適したシステム構築ができるか
  • 全社最適となるシステム構成になっているか
  • 競争領域を定めたうえで、競争領域へリソースを重点的に配分できているか
  • 廃棄すべきITシステムはサンクコスト(埋没費用)とし、それ以上コストをかけずに廃棄できているか
  • 全体として、技術的負債(不要なシステムの運用費や保守費)の低減にもつながっていくか

11.刷新後のITシステムはビジネスモデルの変化に対応できているか

システム構築が完了したら、そのシステムに対する評価も行います。このとき、システムの刷新自体が目的になっていると、DXで活用できないシステムができてしまい、再レガシー化するおそれがあります。そこで、システムの評価は下記2点を軸に行いましょう。

  • ビジネスモデルの変化に追従できるシステムであるか
  • システムの良し悪しは、ビジネスの成功で評価するようになっているか

まとめ

DX推進ガイドラインには、DX実現に向けて企業がチェックすべき内容が記載されています。これを参考にすることで、自社の課題と取るべきアクションが明確になるでしょう。DXをより効率的に進めたい、DXを成功させたいと考えているなら、ぜひ積極的にガイドラインを活用してみてはいかがでしょうか。

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