新型コロナウイルスが与えたECへの影響、キーワードは巣ごもり消費

 2020.07.17  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

新型コロナウイルスは、全世界の経済活動に大きな影響をもたらしました。日本経済においてもさまざまな変化が見られましたが、特に顕著なものにECサイト市場の変化が挙げられます。この記事では、新型コロナウイルスによって起きたECサイト市場の変化と、今後期待される変化について説明します。

新型コロナウイルスが与えたECへの影響、キーワードは巣ごもり消費

新型コロナウイルスが与えたEC市場動向への影響

2020年3月頃から、新型コロナウイルスの影響により多くの企業の売り上げが低迷し、中には倒産した会社もありました。そんな中、売り上げが増大した市場の1つに、ECサイト市場があります。

株式会社ナウキャストと株式会社JCBが提供する「国内業種別消費動向データ」によると、3月下旬におけるEC市場は前年比+6.1%と好調な伸びを見せています。一方で、百貨店は-16.1%、外食は-17.9%と、店舗販売における売り上げは大きく落ち込んでいます。

この結果から、新型コロナウイルスの感染リスクを考え、外出を控えて自宅からオンラインショッピングを行う消費者が増加したことが分かります。ショッピングの場が「店舗」から「ECサイト」へ移り変わったといえるでしょう。

ただし、EC市場のすべてが好調な訳ではありません。外出する機会が減ったためか、衣服・雑貨類の売り上げは、EC市場でも落ち込み気味にあります。 対して、特に好調なのが食品関連です。新型コロナウイルスの感染拡大が収まるまで外出をなるべく控えるため、食品を「買い溜め」しようとする消費者が多く見られました。結果、大手スーパーのネットショップにおいて、注文が殺到して一時的に注文を停止したり、アクセスが集中して消費者が利用できなかったりと、相次ぐ注文に追われる様子も伺えます。
(参照元:https://www.global.jcb/ja/press/20200415154744.html

キーワードとなった「巣ごもり消費」

新型コロナウイルスの影響でEC市場が伸びを見せたとともに、トレンドになった言葉に「巣ごもり消費」があります。

巣ごもり消費とは、外出自粛を受け、オンラインショッピングや動画配信サービスなど、自宅でネットを活用して楽しむ消費活動のことを指します。

オンラインショッピング以外に、ゲームや読書などインドアな趣味を楽しむことも巣ごもり消費の1つです。特に話題になった例としては、任天堂が発売している「Nintendo Switch」の需要増加が挙げられます。Nintendo Switchは、新型コロナウイルスの影響で生産数が減ったとともに需要が増え、長らく品薄状態が続きました。

ほかにも、自宅での生活を楽しめるように、エクササイズ系のゲームソフトやDVD、手芸用品、調味料など、日常生活をより豊かにするようなアイテムの需要も高まりました。また、家での時間を有効活用するべく、スキルアップのための本や教材を購入したり、快適に在宅勤務を行うために家具家電を購入したりといった消費活動も見られました。自宅にいても快適な生活を送れるよう、多くの消費者が巣ごもり消費を行ったのです。

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高年齢層でもEC利用が浸透

新型コロナウイルスの感染・拡大リスクが高いとされる高年齢層において、ECモール・通販の利用が増加したことも、新型コロナウイルスの影響による変化の1つです。

三井住友カード株式会社が発表した「コロナ影響下の消費行動レポート」によると、20代における1月と3月のEC利用率はほとんど変わらないのに対し、高年齢層では3月に大きく増加していることが分かります。このことから、今まで積極的にECを利用してこなかった人も、コロナへの感染リスクを考え、ECの利用を始めたことが見て取れます。新しいEC顧客を獲得できたことにより、単純に売り上げが伸びるだけでなく、いろいろなニーズが生まれ、需要の幅が広がったといえるでしょう。
(参照元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000022.000032321.html

EC需要が急増したことによる影響

ECの需要が増えたことにより、大手オンラインショップでは新たな人員を雇うなど、嬉しい変化が起きています。ここでは、EC需要が急増したことにより、主に物流に対してどのような影響が出ているのかを簡単に説明します。

物流への影響

新型コロナウイルスによりEC需要が急増したことで、物流に大きな影響を与えました。特に大変なのが、「新型コロナウイルスの感染を避けながら、増加する物流センターでの仕事をこなすこと」です。

物流センターに勤める職員は、出社しなければ仕事ができません。EC需要により、物流が増えているならなおのことです。しかし、出社すれば感染する恐れがあり、さらに社内で新型コロナウイルスが広まってしまう可能性もあります。そこで、出社してなお感染を避けられるよう、職員には厳しい感染対策を敷かなければなりませんでした。

一方で、物流センター内で新型コロナウイルスが広まっていなくても、感染ルートによっては物流が制限されてしまうことも考えられます。物流ルートと感染ルートが被ってしまうと、感染が確認された地域からの物流がストップしてしまうからです。

結果、お客様に商品を届けられなかったり、到着が遅れてしまったりするなどの影響が出ました。物流センターによっては、物流ルートを変えることで、無事商品が届けられるように工夫したところもあるでしょう。

また、大手宅配業者とタクシー会社・バス会社・JRなどが提携し、タクシーや新幹線などで荷物を運ぶ取り組みも実施されています。人手の足りない宅配業者と利用者が減った公共交通機関がタッグを組むことで、お互いの課題を解決し合える可能性があります。

今後はテクノロジー開発に期待?

新型コロナウイルスの影響において最も危険視されたのが、人と人との接触です。多くの企業では、リモートワークやテレワークを取り入れ、会社になるべく人が集まらないようにしながら仕事を行いました。

現在、物流では倉庫内作業から配送まで、ほとんどの業務を人が行っています。今後は感染症対策として、倉庫や配送を無人化・無人配送ができるような、テクノロジー領域の開発・発達が見込まれます。現に、特定の企業では一部業務の無人化がすでに行われています。テクノロジー開発で無人化が取り入れられることにより、より効率的かつ感染症対策にもなる物流の働き方が生まれるかもしれません。

まとめ

新型コロナウイルスは、EC市場の売り上げに多大な影響をもたらしました。実際に起きた変化としては、「巣ごもり消費」というキーワードが示すように、自宅で快適に過ごすための消費活動が増えた点が挙げられます。今後は、さらなるテクノロジーの開発を柔軟に受け入れ、新しい形でのECサイトが展開していくと予想されるでしょう。

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