製造業

製造業向けERPの必要性!課題をシステムで解決してDX実現へ

近年、働き方改革の推進や、新型コロナウイルス感染拡大の煽りを受け、ビジネスを取り巻く環境は大きく変化しました。製造業も例外ではなく、厳しい競争を勝ち抜くためには新しい時代に則した事業戦略が求められています。そこで重要となるのが「ERP」です。本記事では、製造業におけるDX実現の要ともいえるERPについて解説します。

製造業向けERPの必要性!課題をシステムで解決してDX実現へ

Factory of the Future

製造業に不可欠になりつつあるERPとは?

「ERP」とは「Enterprise Resource Planning」の頭文字をとった略称で、日本語で「企業資源計画」と訳されます。「ヒト・モノ・カネ・情報」という企業の経営資源を統合的に管理し、効率的に運用しようという考え方であり、近年では、企業の基幹系業務である財務・会計管理、人事管理、生産管理、販売管理、物流管理などを一元管理するITシステムを指してERPと呼んでいます。

従来、製造業では「MRP」という1960年代初頭にアメリカで考案された手法が用いられていました。MRPは「Material Requirements Planning」の略称で「資材所要量計画」と訳され、BOM(部品表)と生産計画をもとに資材調達や在庫管理を最適化するための管理手法を指します。

1990年代後半のIT革命以降、ビジネスを取り巻く環境は大きな変革を遂げ、より多角的かつ柔軟な事業戦略が求められるようになりました。そこで「Material(資材)」の管理を最適化するMRPではなく、「Enterprise(事業)」そのものを最適化するERPが注目を集めるようになったのです。

ERPとMESの違い

製造業ではERPやMRPに似た用語に「MES」があります。「MES(Manufacturing Execution System)」とは、直訳すると「製造実行システム」となり、主に製造工程の可視化や管理を最適化するためのシステムです。製造業において重要な課題のひとつが、「QCD」と呼ばれる「Quality(品質)」「Cost(コスト)」「Delivery(納期)」の向上です。MESはQCDの最適化を目的として、生産工程のさまざまな情報を収集・分析します。

ERPとMESの決定的な違いは管理領域です。ERPは財務・会計管理からサプライチェーン管理に至るまで、あらゆる業務プロセスを管理し、組織全体の業務効率を最大化します。ERPは組織全体を見渡し、経営レベルでの管理を実行するのに対し、MESはあくまでも生産工程を管理するためのシステムといえるでしょう。

製造業のDX実現に向けた課題

変化の早い現代ビジネスにおいて、企業が生き残るためにはDX(デジタルトランスフォーメーション)の実現が不可欠です。しかし製造業でDXを実現するためには、乗り越えなくてはならない課題が2つあります。それが「レガシーシステムのブラックボックス化」と「IT人材の不足」です。ここでは、製造業のDX実現に向けた課題について解説します。

製造業のDX実現に向けた課題

変化の早い現代ビジネスにおいて、企業が生き残るためにはDX(デジタルトランスフォーメーション)の実現が不可欠です。しかし製造業でDXを実現するためには、乗り越えなくてはならない課題が2つあります。それが「レガシーシステムのブラックボックス化」と「IT人材の不足」です。ここでは、製造業のDX実現に向けたこれらの課題について解説します。

レガシーシステムのブラックボックス化

製造業におけるDXの実現を阻む課題の一つが「レガシーシステム」です。レガシーシステムとは、導入から長い年月が経過したことで保守性や拡張性が低下し、さらに度重なる独自開発によって内部構造がブラックボックス化した状態のシステムを指します。このようなレガシーシステムは構造を理解できる人が限定的もしくは存在しないため、障害発生時の対応がスムーズに行えず、業務に多大な影響を及ぼす可能性があります。また、最新プログラムへの対応も難しくなるため、変化の激しい市場において企業が求めるビジネス要件を満たせない場合、システムを総入れ替えしなければならないケースもあります。このような背景から、資金力に劣る中小企業にとって、レガシーシステムがDX実現を阻む大きな課題となっているのです。

なお、製造業では近年「インダストリー4.0」が提唱され、大きな変革が訪れようとしています。インダストリー4.0とは、ドイツ政府発の国家プロジェクトであり、AIやIoTといった最先端技術と製造業の融合によって「第4次産業革命」を目指す取り組みです。

インダストリー4.0という考え方はIoTの発展とともに日本でも注目を集めるようになりましたが、最新技術を最大限に活用するためには、企業のITインフラにも相応のスペックが求められます。レガシーシステムを刷新できない企業は、インダストリー4.0という製造業界の新しい変革の波にも乗り遅れてしまうでしょう。

IT人材の不足

DXを実現するためにはITインフラの適切な運用・管理が欠かせません。しかし、システムの管理業務を担う情報システム部門は人材不足が恒常化しています。とくに製造業は現在多くの企業が人手不足という課題を抱えている業界です。経済産業省が発行している「2020年版ものづくり白書」によると、製造業における大企業の41.9%が「人手不足」の状態にあると回答しています。また、製造業は34歳以下の若年者の就業者数が減少傾向にあるのも大きな問題です。

ITシステムは時代と共に進化し続ける一方で、構造はどんどん複雑化しています。そもそも製造業は高度な技術が求められる仕事であるため、優れた人材の確保と育成が今後の課題といえるでしょう。

入によって解決される製造業の課題

ERPは、企業の利益向上に貢献します。企業が利益を上げるためには売上を最大化し、経費を最小化する必要があります。そのためには仕入れから販売に至る、サプライチェーンの最適化が必要です。

そこでERPを活用すれば、財務・会計管理、人事管理、生産管理、販売管理、物流管理といった全ての基幹系データをリアルタイムで可視化できるようになるため、在庫不足や過剰在庫の解消につながるとともに、生産効率の大幅な向上が期待できます。また、基幹系データを一元管理すれば、データ入力の重複をはじめとするヒューマンエラーも最小限に抑えられます。このようにERPによって組織全体の情報を収集・分析することで、効率的な事業戦略の構築が可能となるのです。

製造業のDX実現をサポートする「NEXT ERP移行プランニングサービス」

ERPの導入は製造業におけるDX実現に不可欠です。ただし、ERP製品を選定する際には、その製品が自社業務に適した機能を搭載しているか慎重に判断する必要があります。そこでおすすめしたいのが、日鉄ソリューション株式会社が提供する「NEXT ERP移行プランニングサービス」です。

「NEXT ERP移行プランニングサービス」は、企業の課題に応じたERPソリューションへの移行を総合的にサポートします。これまで製鉄現場のシステムで培ってきたノウハウを活かし、「INPUT(情報資産の収集・整理)」→「ANALYZE(現行ERPの解析・既存の業務とシステムからNEXT ERPに必要な要件を分析)」→「PLAN(新しいシステム要件の提案・分析結果をもとにしたシステムの最適化)」の3ステップでDX実現をサポートします。ERPの導入を検討している企業は「NEXT ERP移行プランニングサービス」の利用を検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

製造業が新しい時代に則した事業戦略を構築するためには、ERPの活用が不可欠です。ERPは企業の基幹システムを一元管理し、全社の業務データをリアルタイムで可視化することで、業務の効率化や、経営における迅速な意思決定を可能にします。製造業におけるDXを実現する上で、ぜひERPをご活用ください。

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