害虫駆除会社によるIoT活用事例

 2020.02.19  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

「害虫駆除会社にIoT活用?!」、そう思って本記事をクリックした方も多いでしょう。ご存じの通り、IoT(Internet of Things)はモノにセンサーを取り付け、インターネットと接続することで膨大なデータをリアルタイムに収集する仕組みです。「モノ」が指す範囲は非常に幅広く、今ではあらゆる業界でIoTが活用されています。害虫駆除会社とて例外ではありません。本記事では、その害虫駆除会社においてIoTがどのように活用されているのかを紹介しましょう。

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Anticimex社について

本記事で紹介するIoT活用事例は、Anticimex(アンティサイックス)社のものです。同社は1934年にトコジラミ(南京虫)の駆除会社としてスウェーデンで創業され、以降85年以上にわたって持続的な成長を遂げています。現在ではペストコントロール(有害生物制御)の大手専門業者として、世界17ヵ国に約5,500名の従業員を擁し、有害生物防除のための製品やサービスを提供しています。また、80社を超える買収により毎年売上を大きく伸ばしているのも特徴です。

Anticimex社が持続的に成長してきたのは企業努力もさることながら、ペストコントロール市場の急速な拡大も背景にあります。国と地域を繋ぐ交通手段が整備されたことでより多くの人と物が行き来するようになり、各地では都市化が進んだことでゴミが増えています。世界銀行が2018年9月に発表した報告書によると、世界の廃棄物は2050年までに現在のレベルより70%増加すると言われています。原因はやはり、急速な都市化と世界人口の増加です。

ゴミが増えれば、それをエサとするゴキブリやネズミなどの害虫・害獣も当然繁殖します。つまり、社会が発展することはAnticimex社にとって大きなビジネスチャンスであり、同時に社会貢献という責任を果たすためのフィールドを拡大していることになります。しかし、この業界では殺虫剤等の化学物質に対する厳しい規制を持つことで、持続的成長のために大きな課題を抱えていることも確かです。

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Anticimex社の成長に伴う課題

Anticimex社の製品やサービスは、官公庁や自治体のみでなく民間企業や一般家庭にも提供されています。日本では害虫駆除という会社に馴染みが無い方も多いですが、欧米諸国では一般家庭にも密接したビジネスであり、害虫駆除会社のサービスを利用することも当たり前です。

Anticimex社のペストコントロール事業はさまざまな生物を対象としていますが、その中でも特に多いのがネズミなどのげっ歯類動物や昆虫です。その他にも東アジアでコブラなどの外来危険生物の駆除も定期的に実施しています。さらに同社は、防火設備点検、除湿対策、瑕疵保険の加入に必要な現況調査など不動産売買の際に必要な検査を実施したり、トイレ等の衛生管理サービスも提供したりと幅広い事業展開を進めています。これらのサービス事業では、ペストコントロール事業とは別に車両とフィールドエンジニアを用意し、運営しています。

Anticimex社は急速な成長と買収により生じた、断片化したITシステムが大きな課題となっていました。また、急速な成長を遂げながら高品質のサービスを維持するという普遍的な課題も抱えながら、ペストコントロール業界特有の課題にも直面しています。その課題とは「より環境に優しい駆除剤の使用が求められている」ことです。これは法規制の観点からだけでなく、顧客からの要求でもあります。さらに、時代と共に害虫や害獣の駆除剤に対する抵抗力が高まっているという課題もあります。

Anticimex社の課題解決に向けた施策~IoTとIFSを活用した先進的サービス~

Anticimexグループ内では、スウェーデンの最も先進的なチームが10年以上にわたり、IFS社が提供する統合型のERPソリューション「IFS Applications」を利用し、IFS社が提供するサービスやIFS Applicationsの各種モジュールを使いこなしています。また、フィンランド拠点においては「IFS フィールドサービス管理」とIFS Applicationsの会計管理モジュールを活用しています。

IT活用に積極的なAnticimex社が次に選んだのが、「Anticimex SMART」システムの開発です。同社は駆除剤に関する問題に対処しながらネズミの活動を抑制するためにこれを開発し、IoTを駆使したセンサーとカメラ付きの高性能ネズミ捕獲装置として活用しています。

「Anticimex SMART」システムでは各捕獲装置がネットワークに接続されているため、ネズミが捕獲されたかどうかを確認するためにフィールドエンジニアがわざわざ現地に赴く必要はありません。フィンランド全域のネズミ捕獲装置のデータをIFS Applicationsで一元管理し、フィールドエンジニアに対応が必要な装置と移動にあたっての最適なルートを自動的に提供してくれます。不要な移動を無くすことにより、排ガス等の環境負荷を低減する効果も得られています。また、この捕獲装置は人道的かつ環境に優しいという特徴もあります。

「Anticimex SMART」システムは「IFS IoTビジネス・コネクター」を利用しており、これによってAnticimex社は業務効率化を遂げただけでなく、今までとはまったく違った方法でデータ分析が行えるようになりました。それが、「遠隔地にあるIoT機器をいかに充電するか?」という課題の解決です。機器をインターネットに接続することで、捕獲装置のバッテリーが低下して充電の必要がある場合には、エンジニアに自動的に通知が送られます。また、バッテリーが不足する時期や頻度の傾向を分析することで、捕獲装置の充電間隔が長くなりコスト低減と顧客サービスの向上が実現できました。

これに対しAnticimexフィンランドのCEO(最高経営責任者)は、「今では、フィールドエンジニアは、対応が必要なネズミ捕獲装置を苦労して探し出す必要がなく、どの捕獲装置にいつ行くべきかが正確にわかります。おかげで、エンジニアが素早く行動できるようになったことは言うまでもなく、企業としての即応力も手に入れ、お客様の課題をより早く解決できるようになりました。」とコメントしています。

IoT活用の可能性を広げよう!

いかがでしょうか?害虫駆除会社においてもIoT活用は大変有効ですし、実際にAnticimex社は高い効果を得ています。まずは自社においてIoTがどのような活用ができるかを積極的に考えてみましょう。

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