製造業

今話題のメタバースはビジネスにどう活用できるのか!

国内外の大手企業が、「メタバース」への参入を続々と表明しています。今や経営戦略の一環となりつつあるサービスなので、うまく活用すれば事業収入に結びつけることも可能でしょう。では、メタバースとは一体どのようなサービスなのでしょうか。本記事では基本的な概要と、ビジネスへの導入事例についてご紹介します。

今話題のメタバースはビジネスにどう活用できるのか!

Factory of the Future

メタバースとは

メタバース(Metaverse)とは、「高次」を表す「Meta」と、「宇宙」を表す「Universe」を掛け合わせた造語です。インターネット上に作られた「仮想現実空間」を指し、アクセスすることで現実空間のように過ごせることを想定しています。

とはいえ、メタバースは未だ模索の途上にあるサービスゆえ、何をメタバースとして扱うかが曖昧です。たとえば、「フォートナイト」「Roblox」「マインクラフト」といったビデオゲームもメタバースとして扱われることがありますが、「仮想現実空間」という言葉のイメージとは少し遠いと感じる方もいるかもしれません。

イメージとして近いのは、約20年前に開始された「Second Life」です。このゲームは、アバターと呼ばれる自分のキャラクターを作成して、実在ブランドのお店でゲーム用の衣服を購入したり、クラブで踊ったりするなど、まるで現実空間にいるかのように遊べます。

NFTが生み出した新しい価値

現在、メタバースの未来を扇動しているのは、Meta社(旧Facebook社)です。従来とは違い、NFT・ブロックチェーンという技術を使用することにより、メタバースに新しい価値を生み出しています。NFTとは、デジタル資産と所有者を紐づける技術で、「デジタル資産」とも呼ばれます。

デジタル空間ではコピーが簡単にできてしまいますが、NFTと紐づいたものはコピーができないため、現実空間と同じ価値があるのです。これをメタバースで売買することで、これまでとは違った投資価値が誕生しています。

メタバースとVRの違い

メタバースが「仮想現実空間」であるのに対して、VRは「仮想現実」を意味します。具体的には、VRは仮想現実をよりリアルに体験させるための「技術」です。専用のゴーグルをつけることで、映像体験をよりリアルに体験できます。

現在、メタバースを体験する際には、モニターで遊ぶのが主流となっています。しかしVRを利用すれば、よりメタバース空間への没入感が得られるでしょう。

メタバースが注目を集める理由

現在メタバースが注目される理由としては、以下の3点が挙げられます。

○VRの進化
VRサービスが登場してから数年経過したため、実際に触れたことがある方もいるのではないでしょうか。実際に使用してみて、どのような感想を抱いたかは個人によるでしょうが、「想像と違った」と思った方も中にはいるかもしれません。しかし、ここ数年で通信・データ処理といった技術が飛躍的に向上しているため、今のVRはリアルに近い「仮想現実体験」が行えるようになっているのです。

○ブロックチェーン技術の誕生
ブロックチェーンとは、端的にいうと暗号技術のひとつです。仮想通貨や前述したNFTに用いられています。ブロックチェーンを利用することで、ネットワーク上の取引において信頼性を担保することが可能です。

ネットワーク上にあるデータは、コピーや改ざんが容易に可能です。そのため、仮想通貨のような「現実においても価値のあるもの」は、信頼性がなければいけません。もし取引が簡単に改ざんできるのであれば、1億円や1兆円といった莫大な資産を簡単に所持できてしまうからです。

こうした問題を防ぐために利用されているのが、ブロックチェーンです。実際の仕組みとしては、「電子署名」「秘密鍵」「公開鍵」や「ノード」と呼ばれるネットワーク構成を利用しているのですが、長文の解説となるため詳しくは割愛します。

○NFTによる取引
前述している通り、NFTはメタバースなどで取引される「デジタル資産」です。メタバース上では、キャラクターの衣類や土地などを購入できます。このとき、デジタルでの価値を保証するために、ブロックチェーンを利用しているわけです。

たとえば衣類では、実在するブランドがコラボレーションしたり、有名な画家がデジタル上で絵画を作成したりするなど、さまざまなNFTが存在します。現在確認されている最高額の取引は、CryptoPunksで販売された#5822の「約27億円」です。

メタバース × ビジネスの活用例

続いては、メタバースがビジネス戦略に活用されている事例を3つご紹介します。

メタバース内での商品展開

スポーツメーカーのNIKEは、「Roblox」というゲーム内で「ナイキランド」というゲーム空間を作り上げました。この中では、鬼ごっこやドッジボールなどを楽しめるほか、キャラクターは実在するNIKE製品の試着ができます。

また、ハイブランドとして名高いGucciも「グッチガーデン」を展開しており、フィールドを歩くことでキャラクターが実在するGucci製品を身につけられるようになっています。このようなサービスにより、お店に行かなくても商品の感覚がわかるため、実際の購買につなげようという狙いがあります。

メタバースの開発

既存のメタバースを利用するのではなく、メタバース事業に直接参入する企業もいます。中国の大手IT企業であるTencentでは、メタバースに基づくオンラインゲームを開発する考えを明らかにしました。同社は「WeChat」というメッセンジャーアプリケーションや、「Qzone」といったサービスも提供しており、こうした機能との連携も考えているとのことです。

また、ゲーム開発会社のGREEでは、ライブ配信アプリ「REALITY」をメタバース事業へと転換していくと表明しています。

ビジネスツールとして活用

オンライン会議やミーティングにメタバース的要素を取り入れる試みも行われています。「oVice」というツールでは、Zoomと連携してメタバース上でのオンライン会議を実現しています。参加者はボイスチャットやアバターを使用して、仮想空間内でコミュニケーションを取ることが可能です。

また、類似するサービスとして、Microsoftでは「Mesh for Microsoft Teams」を開発しています。こちらもアバターを使用して、仮想空間内でのオンライン会議やチャットなどを行えます。

メタバースのメリット

メタバースには、「世界中の人とつながれる」「さまざまなイベントが体験できる」「商品を販売できる」「自由に空間を構築できる」といった特徴があります。そして、このような体験を家にいながらできるというメリットがあります。

近年は新型コロナウイルスの蔓延により、外出が制限される事態に陥りました。そうした中、顧客にどのようなアプローチをかけようかと多くの企業が悩んだことでしょう。そこでメタバースを利用すれば、ユーザーに特定のアプローチが可能です。前述したNIKEやGucciもひとつの例です。

また、アバターを使用して顔出ししないことで、よりサービスが利用しやすくなり、コミュニケーションを取りやすいという利点もあります。

メタバースビジネスの今後について

アメリカの金融情報サービス会社Bloombergは、メタバースの市場全体が2024年には約8,000億ドルにまで成長すると試算しています。この試算では、「ゲーム」「ライブエンターテインメント」「広告」など、さまざまなサービスがメタバース内に参入した場合を想定しています。実際、メタバース内でライブエンターテインメントが行われており、今後も上記のようなサービスが参入すると考えられています。

また、アメリカの大手ITサービス企業IZEA Worldwideの調査によれば、インフルエンサーの約56%がメタバースを利用していると回答しています。一般のSNSユーザーの利用者は約12%となっているため、大きな開きがあります。このことから、インフルエンサーのような流行に敏感な人々の多くが、メタバースを利用していることがわかります。

これらの観点から、メタバースビジネスは今後も成長を遂げると予想されますが、本格的にビジネスが激化するには「キラーコンテンツ」の登場が鍵となるでしょう。

まとめ

Microsoftではメタバースを融合した「Mesh for Microsoft Teams」を提供しています。本サービスは、アバターを使ったオンライン会議や、仮想空間でのコミュニケーションを実現します。在宅ワークなどでも密なコミュニケーションが取れるため、ぜひ導入してみてはいかがでしょうか。

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