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日頃から使われているSCMを、AIのデータ分析をもとに判断することによって運用されるシステムのことを、自律型サプライチェーンと呼びます。この自律型サプライチェーンはメリット、デメリットそれぞれが存在しており、一つずつ解説していき、今後の展望まで紹介します。
サプライチェーンとは、Supply(供給)とChain(連鎖)という言葉の通り、原材料・部品の調達から製造、在庫処理、配送、販売、消費の全体の流れのことです。また、サプライチェーン全体を管理することを、SCMといいます。
SCMで管理されることによって各プロセスが効率化され、リードタイムを圧縮することが可能になります。
自律型サプライチェーンとは人工知能(AI)に、全体の最適化を任せるサプライチェーンのことです。AIを利用して管理し、自動化します。
問題発生の状況から解決法、その結果をAIに機械学習させることによって、最適な選択肢を選べるようになるため、さまざまな要求に対してAIが過去の事例をもとに解決策を提案してくれるようになります。
リアルタイムで管理することによって、AIの精度は高まっていくでしょう。
それでは、自律型サプライチェーンにはどのようなメリットが存在するのでしょうか。最善の解決法が分かったり、今後について予測できたりするなど、さまざまなメリットがあります。
今回は6つのメリットについて紹介していきます。サプライチェーンについて知りたい方はぜひ参考にしてみましょう。
これまでのサプライチェーンでは、天災などのトラブルが起きた際には人力で後手になって判断することになっていました。また、急な大量納品を要求されてしまった際にも、過去の事例を参照して解決案を提示するのが一般的です。
しかし、自律型サプライチェーンでは問題発生の状況や対応、結果を機械学習することによって複数の解決策を提示することができます。さらに、採用した案の結果も機械学習することによって、AIの精度を向上できるでしょう。
先程のメリットにもあったように、自律型サプライチェーンはAIを用いたデータで判断されます。通常は、現場責任者の過去の経験などを頼りに業務を進めることになりますが、自律型サプライチェーンではAIによる正確な予測によって、判断することが可能になります。
AIが解決策を提示してくれることから、現場責任者の経験値など1つの解決策に依存する必要がなくなるというメリットがあります。
今の時代は情報を取得する手段が豊富にあるため、さまざまな消費者のニーズが存在します。また、世の中の移り変わりもはやいでしょう。これらは、売り出す商品にも影響を与えます。
AIは天気やSNSの呟き、交通情報などのあらゆる情報を収集し、分析が可能です。そのため、人間が予想できないような今後起きうる問題なども予測できるでしょう。これにより、先手を打った行動を取れるようになります。
世の中の移り変わりがはやく、近年は少量生産、多品目生産が求められるようになっています。多品目生産するためには、今後の需要をいち早く把握し、リードタイムを削減した素早い生産をしなければ間に合わないでしょう。
多くのデータを取り扱う自律型サプライチェーンでは、あらゆる天気や交通情報などの環境変数を把握するため、今後の需要を予測できます。消費者のニーズや市場動向から、時代に合わせた供給が可能になります。
AIのデータ分析によって今後の需要を予測できることから、いらない商品や不要な在庫を減らすことが可能になります。不要な在庫を減らすことが可能になったということは、コスト削減だけでなく、管理のための倉庫なども減らすことができます。
また、最終的には倉庫自体をなくすといった判断もできるため、無駄をなくしていけるでしょう。より効率的な在庫管理ができるようになるというメリットがあります。
自律型サプライチェーンではAIを用いるため、全ての判断はデータを用いて行われます。用いられるデータは、天候から時事ニュース、交通状況といった、社外のありとあらゆるものを扱います。
また、社内においても調達から販売までをデータによって可視化でき、リアルタイムで判断することが可能です。もしも、トラブルが起きたとしても計画より何日遅れてしまうといったことが表示されて、予防策まで提案されます。
ここからは、自立型サプライチェーンが抱えている課題を3つ紹介していきます。
デメリットとして挙げられるのは、現場がデジタル化していないとできないことや失敗したときの責任の所在、システムへの依存度があります。デメリットをよく理解したうえで、現場に自律型サプライチェーンを導入するかどうかを考える必要があるでしょう。
自律型サプライチェーンを行うためには、まず現場のデジタル化が必要になってきます。現場がデジタル化していないと、AIの管理が難しくなります。
導入の際はいきなり全てをデジタル化することを目指さずに、期間を区切って可視化や予測分析といった段階を踏むのが良いでしょう。そのため、デジタル化から自律型サプライチェーンの導入まで、長期的な目線で検討するようにしましょう。
自律型サプライチェーンの問題点としては、失敗した場合の責任の所在が不明確であることが挙げられます。
メリットで紹介した通り、自律型サプライチェーンは販売戦略や需要予測をすることが容易になります。しかし、AIの提案に従った場合、万が一失敗したときの責任の所在は不明確です。
AIが責任を取ることはできないため、自律型サプライチェーンを取り入れる際には責任の所在をあらかじめ明確にしておきましょう。
自律型サプライチェーンはAIを用いて販売予測や需要予測などをしますが、これはメリットでもありデメリットでもあります。
AIを用いた判断を日常的に行うことによって、人間が考えて問題解決しなければならないという意識が薄れてしまう可能性があります。
AIシステムへの依存度が高くなってしまうと、AIに支配された会社ができあがってしまいます。どの程度AIの判断を取り入れるのか、明確にしておきましょう。
現在、PanasonicとBlue Yonder社が提携し、自律型サプライチェーンの構築を目指しています。さまざまなデータや人の動きを可視化し、現場の生産性を向上したうえで企業を超えた連携システムの最適化を考えているようです。
戦略的なパートナーシップは今後も拡大していくと予想されるため、自律型サプライチェーンの実現はさらに加速していくでしょう。
自律型サプライチェーンによってデータの管理をAIに任せることで、より正確な販売予測や需要予測が可能になりました。将来的には企業間のSCMも実現する可能性はあるでしょう。
柔軟で調整しやすいといったメリットと、システムに依存してしまうなどのデメリットが存在します。消費者のニーズや時代の変化に合わせた供給ができるように、導入を検討してみましょう。
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