マイクロソフトの考える「インテリジェントな製造業」とは?

 2020.02.03  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

あらゆる業界でデジタルによる変革が進む中、マイクロソフトは製造業向けに「Intelligent Manufacturing」というコンセプトを掲げて関連ソリューションを提供しています。AIやIoTといったデジタルテクノロジーを活用することで、製造業はどのように変わっていくのでしょうか。

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マイクロソフトの考えるインテリジェントな製造業:Intelligent Manufacturing

ビッグデータ、AI(人工知能)、クラウドコンピューティング、IoTといったテクノロジーの進化によって、製造業は従来のビジネスモデルから変わりつつあります。

また労働力不足や異業種からのサービス参入といった要因も重なり、さらなるデジタル変革が求められるようになりました。そんななか、企業向けにITソリューションを提供するマイクロソフトが提唱しているのが「Intelligent Manufacturing(インテリジェント・マニュファクチャリング)」という考え方です。

Intelligent Manufacturingとは?

Intelligent Manufacturingとは、製造業においてデジタル技術の活用によりビジネスの変革を支援するために掲げているコンセプトで、ビジネスに変革を起こすと期待される複数のソリューションを総称したものです。これによって自社商品・サービスの差別化ができるようになることを目指しています。

Intelligent Manufacturingは、「コネクテッドサービス(Product as a Service)」「未来の工場(Factory of the future)」「インテリジェントサプライチェーン(Intelligent Supply Chain)」などのシナリオにより構成されています。

Intelligent Manufacturingは製造業でどのような影響をもたらすのか

ではIntelligent Manufacturingは、製造業へどのような影響を与えるのでしょうか。

コネクテッドフィールドサービス

コネクテッドフィールドサービスとは、機器同士をインターネットに接続してネットワーク化するサービスです。インダストリー4.0という言葉で表現することもあります。

製造業におけるMixed Realityの活用

例えば、機器にセンサーを設置しIoT化することで、機器を製造するメーカー側は、保守・修理・点検・配送といった製造現場(フィールド)向けのサービスをリモートで行えるようになります。従来では現場担当者しか把握できなかったような様々な問題を遠隔で確認することができるので、解決するための方法をより早く発見し、対応できるようになるのです。

機器の保守を行う担当者にとっては、わざわざ現場に足を運ばずにリモートによってある程度対応できるので、従来と比べて負担が軽減します。また今までは一次情報として現場担当者から伝えられる情報しかありませんでしたが、機器が取得したデータを確認できるようになることで、より多くの情報を得られ、問題解決にかかる時間の短縮も期待できます。

このサイクルが効果的に回るようになると、故障が発生する前に機器のメンテナンスを行ったり、稼働率を上げるための施策を提案したりするなど、より積極的にビジネスに関わることができるようになります。つまり、従来のようなメンテナンス対応をする立場から、さらに一歩踏み込んだクライアント企業の利益を上げる支援者としての立場へと変容するのです。

コネクテッド販売・サービス

コネクテッド販売・サービスとは、複数のシステムやサービスをデジタルで連携することで、より良いサービスや顧客体験を提供することです。

例えば、Webサイト経由である顧客から見積もり依頼があったときに、CRM(顧客関係管理)システムと基幹業務システムが連携していれば過去の購買履歴がわかり、相手へよりよい提案を行うことができます。またビッグデータ分析からよくある顧客の購買パターンを導き出すことで、アップセルやクロスセルを誘導する提案も可能です。

このように、システムやサービスをデジタルデータで連携させることで、顧客の満足度や貢献度を向上させることができます。

未来の工場

未来の工場とは、人、機器(デバイス)、およびプロセスをつなげることで自動化・省人化・効率化を進めた工場のことです。産業用IoTやAIなどのテクノロジーを活用することで、今まで人がやっていた工程を機械が肩代わりします。これにより工場の生産性を高め、人手不足などの問題を解決することができるのです。

例えば、機械学習で正常な製品の状態を学習させて今まで人が目視で行っていた検査を自動化したり、AR(拡張現実)やMR(複合現実)技術を活用してスマートグラス越しにデジタルの情報を重ね合わせて作業を効率化したりできます。また工場内のカメラで工程を撮影してリアルタイムで状況を分析、人為的なミスを瞬時に発見し、機械の生産性や稼働率を表示することもできます。

建設機械メーカーの小松製作所では、生産現場の可視化と改善のため、KOM-MICSと呼ぶ生産改革を行っています。これは工作機械やロボットからデータを収集、分析することで、工場の稼働状況を見える化し、現場での改善を支援するものです。2009 年から始まり、2019年時点で工作機械は約700台、溶接ロボットは約350台を接続するまでになりました。生産状況の可視化により多くの改善が行われています。

インテリジェントサプライチェーン

サプライチェーンとは、製品の材料が生産されてから利用者に届くまでの一連の製造プロセスのことです。これをAIなどで高度化することによって最適化するしくみがインテリジェントサプライチェーンです。

例えば、AIを活用して製品の需要予測を行い、適切な量を出荷できます。また必要な在庫数を予測して管理することにより、倉庫の無駄な保管スペースを削減して廃棄物も減らせます。これにより適切な量の製品を生産し、適切なタイミングで提供、適切な価格で販売することができるのです。

食の安全に関する取り組みにも活用されています。スイスの食品会社BUHLER(ビューラー)では、農業メーカーが公表する安全に関するデータ、食品生産者の収穫に関するレポート、食品・原材料メーカーの全ロットの製造データなどを収集・蓄積することで、消費者に対して安全性に関する情報をブロックチェーンベースのトレーサビリティサービスとして提供しています。これにより消費者は食品の安全性をいつでも把握できるようになりました。さらにデータは、サプライチェーンを構成する各企業で活用できるようになっており、付加価値や物流の効率化に役立っています。

コネクテッド製品のイノベーション

コネクテッド製品のイノベーションとは、機器をネットワーク化したりデジタル変革を行うなかで得られたデータやナレッジを活用して、新たなビジネスモデルを生み出したりしてイノベーションを加速することです。

IoT、AI、ビッグデータなどのデータと、自社で保有している顧客情報や製品に関するデータを組み合わせてデジタル変革を行うことで、新たな価値を生み出すことができます。

金属加工産業向けの超硬工具を製造・開発するサンドビック・コロマントでは、機器のデータを収集・分析することで加工プロセスを改善するプラットフォームとしてコロプラスを運用しています。収集した熱や振動、取り付け軸角度といったデータの分析と自社で持つ加工に関するノウハウを活用することで、適切なフィードバックができ、無駄なデータの削減や加工プロセス全体の改善を行っています。ほかにも現場で何が起きているかを遠隔で把握できるようになったことで効率的な管理が可能になりました。

まとめ

企業が生き残るためにデジタル変革が不可欠になってきている中、製造業でもこのような取り組みが求められています。

「Intelligent Manufacturing」とは、製造業が目指すべきひとつの方向性です。デジタルテクノロジーを活用して工場や販売といったプロセスを自動・効率化し、新たな価値の創造を目指しましょう。

Factory of the Future製造現場が抱える課題。解決の鍵は「デジタル化」です。

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