リーンスタートアップとは? MVPやアジャイルなど関連用語も紹介

 2022.06.25  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

新規事業の立ち上げには、「リーンスタートアップ」が有効です。リーンスタートアップは多くの企業で取り入れられ、大企業での実績もあります。この記事では、「リーンキャンバス」の概要や、メリットと注意点についてご紹介します。

リーンスタートアップとは? MVPやアジャイルなど関連用語も紹介

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リーンスタートアップとは

「リーンスタートアップ」とは、「Lean(やせた、無駄がない)」と「Startup(起業)」を組み合わせた造語です。ビジネスシーンでは、新規事業において必要最小限の商品やサービスを試作し、顧客の反応を順次確認しながら改善を施していくマネジメント手法を指します。2008年にアメリカの起業家であったエリック・リース氏が提唱し、著書「The Lean Startup」は大きな話題となり、世界中に認知が広まりました。

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リーンスタートアップの実行プロセス

企業がリーンスタートアップに取り組んでいく際、やみくもに進めても効率がよくありません。そこで、以下の3つのステップを意識して進めると成功しやすくなります。

  • 構築
  • 計測
  • 学習、意思決定

それぞれのステップの目的やすべきことは何か、紹介していきます。

1.構築

リーンスタートアップの第一段階として、想定されるターゲット(顧客)や市場がどのようなニーズを持っているのか、アンケートやインタビューなどで調査し、把握します。そして、そのニーズを満たすには、どのような製品やサービスが適切なのか、アイデアを出していきます。
アイデアから導き出された仮説をもとに、なるべくコストをかけずに最小限の機能を持たせた製品(MVP:Minimum Viable Product)を開発します。

2.計測

MVPができあがったら、この段階でいったん市場へ送り出します。目的としては、試作した機能について、実験的に顧客の反応を見ることです。そのため、新たに盛り込む機能が多いと正確な検証が困難になります。
製品の大量生産は行わず、ターゲット層から選び出した一部の顧客に提供して反応を調査します。この際、とくに日頃から能動的に情報収集し、世間の流行に敏感な人に利用してもらうことで、既存製品との比較などを含めた精度の高いフィードバックを取得できます。

3.学習・意思決定

顧客の反応をもとに「学習」を行います。これは、MVPをよりよい製品やサービスへ改善していく段階です。
もし顧客からの反応が思わしくなければ、その原因を探ります。製品やサービス自体に問題点があったのか、それともマネジメント手法が合っていなかったのか、宣伝手法に弱い部分があったのか、など、様々な原因を考えましょう。このとき、最初に考えた仮説の正誤についてもしっかり見極めることが重要です。顧客のニーズをもとに、仮説自体を大きく見直すことは「ピボット」と呼ばれ、手間はかかるものの成功率が高まるため、実行を検討しましょう。

学習をもとに、本番的な開発や販売に取り掛かる段階へ進めるか、またはピボットの実施や撤退するかの意思決定を行います。なお、得られたデータは次以降の段階でも活用できます。撤退・ピボットを決定する際にも、データや経験はノウハウとして蓄積し、別の事業に活かしましょう。

スタートアップ向けのフレームワーク「リーンキャンバス」とは

「リーンキャンバス」とは、新規ビジネスを検討する際に便利な企画書であり、いわゆるビジネスモデルキャンバスのスタートアップ版ともいえます。用意された9つの項目を埋めていくだけで、ビジネスモデルを整理し、完成できるのが特長です。
ただ、ビジネスモデルキャンバスとは異なり、「アーリーアダプター」を記載しなければならないなどの違いがあります。リーンキャンバスを活用すると、実現しようとしているビジネスモデルについて客観的に分析できます。また、何をどうすべきなのかが明確なため、効率よく進められるのも利点です。用紙1枚にまとめた、シンプルな企画書であることから、顧客や取引先などのステークホルダーにも共有しやすくなります。

リーンスタートアップのメリット

リーンキャンバスモデルを活用すると、企業は業績向上や成長に欠かせない、以下のようなメリットを享受できるようになります。

  • コストや時間の削減
  • 迅速なフィードバック

では、具体的にどのような効果があるのでしょうか。

コストや時間がかからない

通常、新しい商品やサービスを完全に仕上げるためには、相応に時間やコストがかかります。また、せっかく仕上げても顧客のニーズとマッチしなければ、これまでの行程が無意味になるリスクがあります。
リーンスタートアップは、完成させてから市場に出すよりも、コストや時間を節約しながら、顧客の反応を細かく確認して改善できるため、確実に効果を生み出しやすくなるのです。結果的に正規の商品やサービスを迅速にリリースできるようになるでしょう。

素早くフィードバックが得られる

手順に示した通り、リーンスタートアップは、顧客からのフィードバックを素早く入手できることが特長です。顧客からのフィードバックは、今後の商品やサービスをよりよいものに改善していく際には重要な指針となります。
MVPは必要最小限の機能に絞るため、得られるデータもシンプルで、改善に取り組みやすい点もメリットです。顧客のニーズをしっかり把握すれば、顧客満足度が向上し、増収も見込めるでしょう。

リーンスタートアップのデメリット

リーンスタートアップは多くのメリットがある一方で、すでに現在の市場では「時代遅れ」であるという声もあります。デメリットや注意すべき点についても理解しておきましょう。

効果検証をしている間に先を越される

リーンスタートアップが提唱された2008年頃は、顧客の反応を取得する手段として、アンケートやインタビューが主流でした。しかし、現在はSNSの発達で、顧客の反応やニーズを即座に確認しやすい時代になっています。リーンスタートアップの手順を正確に踏まえずとも、評価に応じて迅速に修正や改善を施せる場合にはかえって検証に時間をかける結果となります。また、計画の初期段階から試作品を市場へと公開するため、さらなる検証と開発を行っている間に、同じアイデアを利用した他社製品のリリースで先を越されてしまうリスクは否めません。
さらに、中途半端な試作品を世に出す以上、口コミで評価が広がりやすい現代では本格的なリリースに移る前に悪い評判が浸透してしまう可能性もあります。そのため、一般消費者向けの製品やサービスには向かない傾向です。

堅実な手法だがうまくいく保証はない

リーンスタートアップは顧客の声をもとに、より良い製品やサービスとなるよう試作を重ねていくため、非常に堅実な手法です。しかし、最低限の労力がかかることに加え、必ずしも顧客に試作品が受け入れられるという保証もありません。何度も試作を重ねるうち、かえってコストがかかる可能性があります。
また、顧客からのフィードバックを受け入れすぎた結果、ゴールを見失ってしまうかも知れません。スタートアップにおいては、細かな改善点に目を向けるよりも、より大きな成果にこだわることが重要です。

リーンスタートアップとアジャイル開発の違いは?

「アジャイル開発」とは、ITエンジニアがシステム開発を迅速化するために、細分化された作業のそれぞれで確認と改善を繰り返す開発手法を指します。
一見、リーンスタートアップと似ているものの、それぞれ目指している点は異なります。アジャイル開発が「素早く製品をリリースすること(どれだけ進んだのか)」を重視するのに対し、リーンスタートアップでは「顧客から支持され、事業を成功させること(どれだけ売れたのか)」が重視されます。

リーンスタートアップは様々な新規事業で通用する

リーンスタートアップとアジャイル開発は「不確実なものを前提にした手法」という点で共通しています。リーンスタートアップは「顧客からの反応」が不明なためMVPを作って確認し、一方のアジャイル開発は「ニーズの変化や技術の進歩」が確実ではないため、細かな要件定義を行いません。両者はそれぞれの欠点をカバーできる手法として、現在も多くの企業で活用されています。

まとめ

リーンスタートアップは、事業の立ち上げにあたり、まず必要最小限の商品やサービス(MVP)を作り、顧客の反応を確認する手法です。スピーディーな改善、リリースができることが特長で、アジャイル開発との相性の良さから現在も様々な新規事業で使われています。
リーンキャンバスも活用しながら、ぜひリーンスタートアップでの開発を検討してください。

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