Bluetoothを用いたIoT事例のご紹介

 2020.05.28  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

従来は1対1の短距離通信しか想定されていなかったBluetoothは、日々進化を続けており、バージョン5.0のリリース以降、長距離での複数デバイス通信を可能にしています。そして、それらに対応した製品などにより、その用途は発展を続けています。

そんな次世代のBluetoothによる新しい技術として注目されているのが、IoT(Internet of Things/物のインターネット)への利用です。Bluetoothを利用すれば、より簡単にIoT活用が可能になるだけでなく、今までデータ通信が難しい屋内など限定的な範囲において精度の高いデータのやり取りが実現します。では具体的に、Bluetooth×IoTで何ができるのでしょうか?本記事では具体的な事例をご紹介します。

Bluetoothを用いたIoT事例のご紹介

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Beacon(ビーコン)を活用した4つの事例

BeaconとはBluetoothの次世代規格でありBLE(Bluetooth Low Energy/消費電力が小さいBluetooth)を採用して開発された小型のBluetoothモジュールであす。電源供給を必要とせずボタン電池を使用することで長期間の利用が可能になる特徴があります。

Beaconは発信器と受信機が通信することで、受信機(スマートフォンなど)の位置特定や情報送信が可能になります。位置特定技術としてはGPS(Global Positioning System/衛星測位システム)をイメージする方が多いでしょうが、GPSの屋内利用は適さないというデメリットがあります。そのような背景から屋内においてはBeaconの方が優位であり、正確な位置情報を取得できるのです。

また、Beaconに近づいた受信機に対して情報発信も可能なことから、行動経済学に基づいたマーケティング施策なども展開されており、現代ビジネスでその可能性が色々と模索されている状態です。ここでは、Bluetoothを活用した4つのIoT事例をご紹介します。

事例1. 株式会社三松

建築部品及び精密加工機会部品など、機械装置の組み立て等を幅広く展開する九州の株式会社三松では、「台車の紛失問題」が深刻化していました。顧客企業に組み立てた製品を納品する際に用いて台車が返ってこない事案が多々発生し、見つからない台車を探すために費やす時間が生産性を大幅に低下していました。

High Performance Computing with Cloud System
製造業におけるMixed Realityの活用

そこで、Beaconによる位置情報を把握するシステムを導入し、台車の一つ一つにBeaconを取り付けることで、工場内マップ上で各台車の位置を一覧表示することが可能になりました。「台車の紛失問題」が解消されたことにより、台車を探す時間が不要になったことで年間約3%の工数削減につながったとのことです。

事例2. 丸井織物株式会社

石川県能登町に拠点を構える繊維メーカーの丸井織物株式会社は、IoTを積極的に活用することでコストを抑えながら幅広いニーズに応えることを可能にしています。同社はBeaconを活用し、織機にセンサーを取り付けることで職員が端末を近づけた際に稼働情報を読み取れるようになっています。

その結果、不具合が起きても簡単に原因を特定することが可能になりました。また、センサーは後付けでメーターや動きから情報を取得できるため、旧式のオリ機にも対応可能でメンテナンス精度の向上や生産性向上につながっています。

事例3. ケーアイ工業株式会社

静岡県富士市において金属加工に携わる60名規模のケーアイ工業株式会社は、Beaconによる作業指示書の位置情報を得ることにより工場での進捗や工数を把握できるようになっています。その仕組みは製品・部品とともに作業指示書が工場内を移動することで成り立っています。

作業指示書の位置が移動するということは、その前の工作機械による作業が完了したということであり、移動したということは作業が進んだということになります。各移動の間の時間を計測すれば正確な工数把握も可能であり、その結果としてデータを元に改善のための議論が行えるようになり、作業員のモチベーションも高まっています。

事例4. ネスレ日本株式会社

キットカットやネスカフェといったブランドを擁するネスレ日本株式会社は、Beaconをトラックの位置情報やステータス可視化に採用することで、出荷効率を高めることに成功しています。ドライバーがトラックの待機所に到達した段階で行先や車体ナンバー、ドライバーの連絡先と言った情報がBeaconタグに登録され、ドライバーに手渡されます。

Beaconタグを使用するとそれらの情報をもとに位置がわかるため、どこへ向かうトラックがいつどこにいるのかを把握できるようになります。次に来るトラックの行き先にあわせて出荷準備を行い、ベストなタイミングでドライバーを呼び出す仕組みが完成しました。ネスレ日本株式会社の計測によれば、システム導入前と後でドライバーの拘束時間が30%緩和されたとのことです。

事例5. キリンビバレッジバリューベンダー株式会社

キリンビバレッジバリューベンダー株式会社では、LINEと自動販売機がBeacom経由で繋がり、ユーザーが自動販売機で購入するごとにドリンクポイントが付与されるサービスを展開しています。ユーザーはドリンクポイントを一定数貯めるたびに、飲料を無料で引き換えられる特典チケットを入手することができ、ポイントをLINE上で貯めることができます。

新たにアプリをダウンロードする必要がないため、気軽にドリンクポイントが貯められる付加価値の高いサービスです。

Bluetooth(Beacon)×IoTの活用はアイディア次第

中国のある私立大学が推進するスマートキャンパスプロジェクトでは、キャンパス内に数千台のBluetoothルーターが設置され、リストバンド型のIoT機器を装着した約4,000人の生徒の登下校確認や出席管理、バイオデータのモニタリングによる健康管理や行動追跡などが行われています。

さらに、スイス・チューリッヒに本拠を置くグローバルな電力メーカーのABBでは、顧客先で稼働する様々な機械にIoT機器を装着し、リモートで状態監視を行うことで故障がおこる前に兆候を察知し、対処する予兆保全的なメンテナンスシステムの実証を進めています。

Bluetooth(Beacon)×IoTによる新しい取り組みは世界的に進んでおり、今後は5Gネットワークとの併用やBluetooth5.1による位置探索機能などで、付加価値はさらに高まっていくと考えられています。Bluetooth(Beacon)×IoTの活用はアイディア次第です。皆さんもこの機会に、様々な経営課題を解決するようなBluetooth(Beacon)×IoTを検討されてはいかがでしょうか?

Factory of the Future製造現場が抱える課題。解決の鍵は「デジタル化」です。

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