IoTによって、これからの製造業はどのように変わっていくのか

 2020.02.18  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

IoT(モノのインターネット化)という言葉が各業界に浸透してきましたが、実際に今、IoTは製造業界にどのような影響をもたらしているのでしょうか。IoTによって実現可能なことや、国内のIoT市場の動向、製造業における変化を知ることで、自社に導入すべきかの検討材料になります。

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IoTとは?

IoTとは、「Internet of Things」の略語で、モノがインターネットと接続する仕組みやサービスを指します。従来、インターネットと接続するモノといえば、パソコンやスマートフォンといった通信機能を備えた専用デバイスが主流でした。しかし、現在は通信網の拡充やインターネットの接続技術が発展し、インターネットと接続することの垣根が下がってきています。従来は単体で機能していた家電や自動車、建造物、機械設備といったあらゆるモノをインターネットと接続することが可能になりました。そのような中、IoT技術は一般消費者から企業まで、さまざまな用途で活用が広がっている状況です。

IoTによってできるようになったこと

IoTは、個人はもちろん、さまざまな業種において画期的な活用方法が生み出されています。現状では、特にデータ活用・遠隔作業・トラブルの予知・予防といったシーンで役立っています。

膨大なデータの収集・管理・連携

IoT技術の発展によって、データの有効活用が可能になりました。

IoT技術を用いれば、パソコンやスマホといったIT機器だけでなく、住宅やオフィス、工場、機械設備といったあらゆるモノと接続することが可能です。例えば、住宅であれば室温や照明の利用状況、家電が稼働しているか、ドアロックがなされているかといったあらゆる情報がセンサーによって取得できます。

これにより、従来は把握することが難しかった生活状況もデータとして収集できます。集めたデータを管理すれば節電対策に利用できるほか、スマホやタブレット端末などと連携すれば遠隔操作も可能になります。これは一例に過ぎず、オフィスや製造現場などあらゆるシーンで、さらに高度なデータ活用が期待できるでしょう。

遠い場所からの監視や操作

IoT技術によって、モノに対する遠隔での監視や操作が可能になりました。

製造業におけるMixed Realityの活用

IoTは、インターネットを介することで、これまでは難しかった機器のモニタリングが実施できます。例えば従来、製造業では生産ラインの稼働状況を把握するには、現地にいなければ困難でした。しかしIoT技術を活用して生産設備をインターネット接続すれば、離れた場所にいてもタブレット端末などから状況を監視することが可能です。

また、遠隔操作の幅も広がります。建設現場などのクレーンや、近年活用が進んでいるドローンなどの機器を、現場にいなくても操作できるようになるのです。

トラブルの予知・予防

IoT技術は故障やトラブルの予知・予防にも役立っています。

IoT技術では、機械を直接インターネットに接続したり、あるいは接続用のセンサーを機械に取りつけたりすることでデータの授受が可能です。これにより、リアルタイムでモノの稼働状況を把握できるため、機器の緊急停止や通常とは異なる動作を示している場合に、早期に検知できるようになりました。また、実際のトラブルが発生していなくても、普段の稼働データを分析して異常の兆候が見られた場合は事前に対処できるため、予知や予防にも貢献しています。

国内のIoT市場は拡大中

国内におけるIoT市場は盛り上がりを見せており、今後も市場規模が拡大していくことが見込まれる状況です。

例えば、IoTシステムを自社開発した製造業の事例があります。ある会社は、社内の生産管理が複雑化しており、負担を解消しなければならないという課題がありました。そこで生産管理システムを開発し、タブレット端末によって稼働状況が可視化できる仕組みを構築したのです。すると、クライアントからの問い合わせ対応の負担が激減する成果が生まれ、在庫管理も効率化できたというメリットがありました。

IoTを活用しているのは製造業ばかりではありません。建設業・流通業・物流業など、あらゆる業界・業態においてIoTは用いられており、さまざまな会社が積極的に取り組んでいます。

製造業ではどのようなことができるのか

IoT技術は製造業において大きな効果を発揮することが期待されます。特に、データ活用や製造ラインの可視化、異常検知といった技術によって、品質アップや生産効率の向上、コスト削減なども実現できるでしょう。

あらゆるデータの把握

IoTを導入すると、これまで収集することが困難だった細かいデータを集められるようになります。扱えるデータの種類も増え、情報の精度も劇的に向上します。製造現場の詳細な可視化ができ、より効果的な改善に役立つでしょう。また、現場運営や機器の取り扱いについても、これまでは経験豊富なベテラン作業員に依存していたものが定量的に分析できるようになるため、オペレーション能力の底上げにもつながります。

生産工程を可視化

IoT化が進むと、生産に関するあらゆるデータを集めて、生産工程をデータとして一元管理できるようになります。稼働状況の可視化もしやすいため、現場運営がスムーズになるでしょう。得られたデータを分析し、効率の良いフローを自動的に導き出せるようになる可能性があります。

機械の異常や故障を素早く検知

IoTを活用すると、機械の異常や故障の検知がスピーディーになります。IoTでは機械や運搬機器といったあらゆるモノと接続することが可能で、インターネット対応していない旧式の設備であっても専用センサーを取りつければ対応ができるのです。こうして数多くの機器・設備と接続すれば精度の高いモニタリングが可能になり、故障やトラブルを早期に検出しやすくなります。

IoTを製造業で導入するときのポイント

製造業でIoTを導入する際は、必要性の検討や経営者のコミット、IT人材の登用が不可欠です。スムーズにIoTを導入しメリットを最大限に引き出すためにも、ポイントを理解しましょう。

課題に対して、IoTが必要かどうか

まず社内でIoTが本当に必要かどうかを冷静に考える必要があります。IoTはデータ活用や遠隔操作などが得意とされており、そういった分野においては大きな効果を発揮しますが、必ずしも万能という訳ではありません。時流に乗って目的が定まらないままに導入してしまうと、活用できずにコストが無駄になってしまう可能性もあります。まずは自社の課題を洗い出し、IoTが効果的な解決策かどうかを検討しましょう。

経営者がIoT導入に積極的になる

IoTの導入にあたっては、会社のトップが積極的に主導、あるいは関与することが大切です。IoT化は社内システムの整備が必要で、場合によってはプラットフォームの構築といった大掛かりな作業になるケースもあります。そのため、導入のプロジェクトチームや関連部署に丸投げするのではなく、決裁権のある経営陣が積極的に動くことが欠かせません。

ITが分かる人材を中心に据える

ITに精通した人材にIoT導入の中心的な役割を担わせると、進行がスムーズです。IoT化は、システムや設備などに関する、あらゆる技術や知見が必要とされます。特にITに関して知見のある人物が参加すれば、導入がスムーズになるだけでなく、導入後の運用やメンテナンス、セキュリティ対策も成功する確率が上がるでしょう。

まとめ

IoTの導入はいろいろな業種・業態の企業が取り組んでおり、製造業においても生産性アップや品質改善といったさまざまなメリットが期待されています。まずは、公開資料やセミナーなどで活用事例を容易に確かめることとから始めましょう。経営者は自社の課題に照らし合わせながら、導入に向けた冷静な検証をする必要があります。

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