カイゼンとは?トヨタ式カイゼンに学ぶ仕事の効率化

 2020.01.08  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

製造業において生産性のムダをなくし、業務効率を改善させることは大きな課題です。「カイゼン」は日本の製造業界で誕生した考え方であり、現在では海外でも「Kaizen」と呼ばれて重要視されています。カイゼンが世界的な知名度を持つきっかけとなったトヨタ式カイゼンや具体的な内容を知り、自社の問題解決に役立てましょう。

kaizen

カイゼンとは?

生産性を高めるためには、作業におけるムダを少しでも省かなくてはなりません。そのために業務の内容やプロセスなどを見直すことを「カイゼン」と呼びます。

カイゼンのもっとも大きな特徴は、現場で労働に従事している作業者を中心としたボトムアップであることです。現場の人間が問題の改善を図るためにさまざまな知恵を出し合い、解決策を考えていきます。目の前で発生した問題の解決策を考えるだけに留まらず、将来的なことまで含めた改善案を考えるのも特徴です。

海外でも「Kaizen」として高い認知度を誇り、取り入れている企業も少なくありません。海外の自動車メーカー幹部がトヨタの工場を見学した際、現場レベルで原因の究明や改善を行っている様子に驚愕したとの逸話もあります。

カイゼンの基本原則

カイゼンは、製造業を中心にさまざまな業界で実践されています。もちろん導入や運用はどのような企業でも可能ですが、まずは基本原則を覚えておく必要があります。カイゼンの根幹となる部分をきちんと理解し、そのうえで適切に実践することが成功への近道です。

まずは顧客を知る

顧客を知ることはビジネスを行ううえでもっとも重要な視点の1つです。顧客が何を求めているか、何を望んでいるかをクリアにしないことには満足度の高いサービスや製品を生み出すことはできません。

「彼を知り己を知れば百戦殆からず」とは兵法で有名な孫子の言葉です。己を知ることはもちろん大切ですが、まずは相手のことをよく知らなければ戦いようがありません。カイゼンの考え方も同様で、顧客の価値観やニーズを理解してから、どうすれば高い満足度を与えられるかを考えます。

あらゆる事柄を明確にする

さまざまな改善案を打ち立て実践していても、効果を可視化できないと実感が湧きません。これまでの成果や経過をデータとして収集し、組織がどのような変化・進化を遂げているかをクリアにすることが大切です。

製造業におけるMixed Realityの活用

組織の変化や進化が目に見えず、上層部だけ知っていて現場の作業者には伝わっていないとなると業務効率の改善は難しいでしょう。すべてをクリアにして数値やデータで可視化することで、現場の作業者にも具体的なカイゼン活動が伝わり、モチベーショが高まるのです。

スムーズな業務を目指す

製造業の現場では、製品を生み出す過程で数多くの工程を伴います。すべての業務をスムーズに進めるのが理想ですが、複雑な工程になればなるほど非効率でムダな業務が発生するのも事実です。作業工程に関わるムダを排除できれば、これまでそこに費やしていた時間を別の作業に充てられ、作業効率の大幅な上昇が見込めます。

作業全体におけるムダを排除するには、局所的な対策では不十分です。会社全体・社員全体で取り組むのがカイゼンの考え方であり哲学です。全員で真剣に取り組むことで、これまで表面化してこなかったムダが見えるようになり、具体的な対策を会社全体で検討できます。

現場を視察する

トップダウン経営でもボトムアップ経営でも、現場を視察し実際の業務を見ることは大切な行為です。カイゼンの基本原則でも現場を視察することを重視しています。現場重視の姿勢には理由があり、カイゼンの原則がきちんと伝わっているかどうかを確認するために行っているのです。

上層部がいくらカイゼンを浸透させようとしても、現場に伝わっていないケースは珍しくありません。それどころか、まったく見当違いのことが行われている可能性もあります。こうした事態を回避するためにも、定期的に現場の作業を視察し、現場との認識のズレを是正する必要があるのです。

社員全員ができるようになる

チームの一体感を生み出せれば、社員全員が仕事に対する高いモチベーションを維持しながら目標にまい進できます。そのためには、できるだけ明確な目標や、会社としての方向性を示すことが重要です。目標や方向性が明確になると、今自分達が何をすべきかが見えてきます。抽象的な目標ではなく、数値で達成が確認できるような目標を示しましょう。

また、最初から実現不可能な高い目標を設定するのはおすすめしません。社員のモチベーション維持のためにも、実現可能な目標を設定し、少しずつ大きな目標に近づけていくようにしましょう。そして、目標を達成するには現場の協力が欠かせません。現場の人間が常に最高の力を発揮できるよう、会社側はツールやシステムを整えることも必要です。

カイゼンの事例:トヨタ式「カイゼン」

「カイゼン」という言葉が海外でもよく知られているのは、トヨタがきっかけだといわれています。日本を代表する自動車メーカーであるトヨタは、カイゼンの考え方や哲学をいち早く取り入れて成功させた、先駆者といえる存在です。

自分達がどのレベルにいるのか把握する

トヨタ式カイゼンでは「あるべき姿」として3つのレベルを設定しています。レベル1は「標準がある」、レベル2は「標準通りにできる」、レベル3は「常に標準が進化している」です。まずは自分達がどのレベルにあたるのかを考えるところからスタートします。

レベル1は、現時点における最善の業務の手順やあるべき姿が決まっている状態です。この状態に達していれば、自社の業務の現状があるべき姿を満たしているかどうかを判断でき、満たしていないのであればその問題を解決すればよいことがわかります。レベル2の場合は、現時点での目標を一応は達成している状態です。

しかし現状をキープしている状態では進化はありません。さらに上を目指すには、現場と標準の状態を常に共有し、意見を出し合うことが求められます。この状態がレベル3で、レベル3になると問題点の把握・目標の設定・目標の達成・組織の進化というサイクルが完成します。

組織(チーム)であることを意識する

企業は人を中心とした組織であり、社員全員が一丸となることで著しい成長が可能になります。稀に見るハイスキルな人材が1人や2人いたとしても、そこまで大きな成長は見込めません。それよりも、すべての社員が1つの目標や理想に向かえるようになれば、企業の成長スピードも早くなると考えられるのです。

チームであることを意識して業務にあたることで、一体感が生まれ生産性の向上につながります。トヨタではそのためのコミュニケーションを実施しています。トップは現場を理解し会社としての目標を明確に伝えます。もちろん現場の働きを認めることも大切です。現場の作業員は、オペレーションに関する問題点や改善案をトップに提案します。このようなトップと現場とのコミュニケーションにより、会社一丸となって目標にまい進する姿勢ができあがるのです。

コミュニケーションによるモチベーションの向上

仕事に対するモチベーションが低下すると、業務効率も下がりがちです。逆に考えれば、従業員のモチベーションを維持・向上できれば生産性もアップします。トヨタがコミュニケーションを重視している理由は、まさにここにあります。

トヨタでは「創意くふう提案」と呼ばれる制度があり、これは現場で働く作業員のアイデアを積極的に取り上げる仕組みです。コミュニケーションにプラスして、モチベーションを高められるような仕組みを確立しています。局地的ではなく組織全体でモチベーションを高める取り組みを行っているため、成長スピードも早くなるのです。

カイゼンと共に取り組みたい「5S」

5Sも、日本の製造業界で誕生した概念です。トヨタの現場でも実施されており、現在ではさまざまな企業が5Sに取り組んでいます。5Sは、Seiri(整理)・Seiton(整頓)・Seisou(清掃)・Seiketsu(清潔)・Sitsuke(躾)という、Sから始まる5つの言葉で構成されます。

不要なものがなく(整理)、いつも決まった場所にものが置いてあり(整頓)、掃除が行き届いている(清掃)現場では、工具や部品などを探し回る手間や時間を少なくできます。その時間を本来の作業に充てられるため、業務効率の向上が期待できるのです。このような整然とした職場を維持するためには日常的に清潔にしなくてはならず、またルールに則って作業を進め、それを習慣化するには躾が必要です。

製造業に限らず、実際多くの企業が取り入れている5Sは、カイゼンと共に取り組むことで相乗効果が見込めます。

まとめ

カイゼンの考え方をきちんと理解し、現場に落とし込むことができれば作業効率をこれまで以上にアップできます。社員のモチベーションアップも叶えられ、企業の成長スピードも早められるでしょう。最後にご紹介した5Sと併せて取り組むことで、より大きなカイゼン効果が期待できます。

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