スマートコンストラクションとは?コマツによるICT化の推進

 2020.01.15  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

スマートコンストラクションは、建設機械製造や販売の大手企業、コマツが2015年にスタートさせたソリューションサービスです。建設現場にICTの技術を活用することで、さまざまなメリットをもたらしています。建設現場におけるイノベーションともいえるコマツのスマートコンストラクションとは、どのようなサービスなのでしょうか。

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スマートコンストラクションとは

建設業界は慢性的な人手不足に悩まされています。きつい現場仕事も多く、人材の確保に苦心している企業は少なくありません。また、どれほど細心の注意を払っていても現場にはケガのリスクがつきものです。顧客である建設業界の課題に対し、これまでどおりのやり方では人材不足や現場の安全性を改善できないと考えたコマツは、ICTを現場に導入して問題を解決しようと考えました。

そこで導入したのがスマートコンストラクションです。スマートコンストラクションとは、建設現場のICT化によるソリューションサービスのことをいいます。人材不足解消や安全性向上はもちろん、生産性の向上も実現させる取り組みです。

スマートコンストラクションの仕組み

従来、建設現場では、人が主体となって現場で施工にあたっていました。測量は複数の技術スタッフが専用の機械を使って行い、図面の担当者が設計図を描いて監督が施工計画を作り上げます。完成した図面をもとに丁張と呼ばれる目印を立て、それに合わせて重機を使い作業を進めていくのが従来のやり方です。

スマートコンストラクションでは、測量や調査をドローンで行います。ドローンを使って空から現場を撮影し、スピーディーかつ精度の高い測量を可能としたのです。さらに、ドローンで得た情報をベースに設計図だけでなく、施工計画書も作成できます。掘削や盛土、運土などの作業もICT建機を使って行います。ICT建機にはさまざまな技術が用いられており、オペレータの技術不足解消にも役立っています。

IoT基盤には「Microsoft Azure」を採用

コマツはかねてよりICTの技術を建設現場に導入しようとしていました。90年代の後半からすでに取り組みは始まっており、少しずつ実現に向けて動いてきたのです。建設機械のICT化にも積極的に取り組んできた同社ですが、現場におけるすべてのプロセスを効率化しないとトータルでの最適化はできないと考えました。

製造業におけるMixed Realityの活用

そこで打ち出したのが、スマートコンストラクションです。2013年ごろから本格的な取り組みが始まったものの、情報基盤をどうするかがまだ明確に決まっていませんでした。従来のオンプレミスではリードタイムが長くなるなど、さまざまな問題が浮き彫りになったのです。

なるべく低コストかつ、スマートコンストラクションの取り組みに十分対応できるクラウドをリサーチした結果、同社はMicrosoft Azureに行きつきました。リージョン数が多く、国内だけでなく海外にも展開しやすいこと、リージョン間のデータ転送スピードが速いこと、日本の法律に準拠した契約が可能なことなどが決め手になったそうです。

スマートコンストラクションの商品

スマートコンストラクションを実現した商品はすでにいくつもリリースされています。ステレオカメラ搭載PC200iやドローンを使った3次元測量、トラックビジョンなどが代表です。

高精度な3次元測量

従来の測量作業は、技術スタッフの手によって行われていました。工事を行う場所が広くても、複数の人員を配置しながら手作業で行っていたのです。測量そのものにかかる時間はもちろん、移動にも相当な時間を費やすため、合理的とはいえません。

一方、スマートコンストラクションでは、ドローンを使った測量を行っています。ドローンにはカメラが搭載されており、上空から写真撮影を行います。これにより、今まではできなかった高精度な3次元測量を可能にしたのです。人の手で測量するよりもはるかにスピーディーで、なおかつハイクオリティな点も魅力です。従来の方法では測量を行う場所によっては技術スタッフに危険が伴うこともありましたが、ドローンならそうした問題もクリアできます。

ステレオカメラ搭載PC200i

PC200iは、いわゆるショベルカーです。油圧ショベルカーは、さまざまな建設現場でもっともよく目にするポピュラーな建機ですが、PC200iにはステレオカメラが搭載されていることが大きな特徴です。

同機に搭載されているステレオカメラ「KomeEye」はワンタッチで車体前方の地形を計測できる優れものです。スピーディーかつ高精度な計測を可能としており、専用アプリ内でデータを統合することで工事進捗状況の管理がしやすくなるメリットがあります。また、ペイロードメータと呼ばれる機能が備わっており、掘削した土の重量をタブレット端末などで確認できます。掘削した土の重量を正確に数値で把握できるため、ダンプトラックに積み込むときの土量を最大化できる利点があります。

トラックビジョン

クラウドシステムを用いて、ダンプトラックの運行管理ができるサービスです。運行しているダンプトラックがどこにいるのかもスピーディーに確認できるほか、アラート音声通知機能により、現場の安全性向上も期待できます。

ダンプトラックだけでなく、他の建機の位置情報も一元化して管理できるのもメリットでしょう。現場の建機が制限速度を超えて走行しているときや、ほかの建機に近づき過ぎたときなどに警告してくれます。ペイロードメータとの併用も可能で、土の搬入、搬出実績の管理がしやすくなるのも魅力的なポイントです。ダンプトラックへの土積載量の最大化、過積載の防止にもつながります。

スマートコンストラクションの導入事例

すでに、多くの建設現場でスマートコンストラクションが導入されています。国内の約6000現場での導入実績があり、利用件数は今も増加し続けています。具体的な導入事例を確認し、今後の判断材料にするのもよいかもしれません。

ドローン導入で測量がスピーディーに

神奈川県の伊勢原市で行われた道路改良工事では、ドローンを導入した測量が行われました。山を切り崩して道路を造る計画だったため、従来の方法で測量を行うとなると相当な労力がかかりましたが、ドローンの導入により効率よく測量を進められたそうです。

面積の広い山での測量は、従来の方法では技術スタッフが山道を危険と隣り合わせで進まなくてはなりませんでした。場所によっては人の手で測量するのが難しいところもあるため、かなりの日数がかかるのではと予想されていました。実際には、ドローンを活用したことでスピーディーに測量は終わったそうです。しかも、技術スタッフに危険な思いをさせることもなく、安全に作業は終了しました。

マシンコントロールで若手も即戦力に

北海道苫小牧市で砂防工事が行われたときの事例です。こちらの現場では20代の若手オペレータに白羽の矢が立ったそうですが、マシンコントロールのICT建機のおかげで問題なく作業が進んだそうです。

建機の運転や操作には技術はもちろん、それなりの経験も必要です。それゆえに、若手が現場で即戦力になることは難しい部分がありました。しかし、ICT建機なら掘削の深さも建機がコントロールしてくれるため、安全かつ正確な作業ができ、若手でも問題なく扱えるのです。実際、こちらの現場でも20代の若手オペレータが大活躍し、問題なく工事が進んだようです。

まとめ

すでに数多くの建設現場でスマートコンストラクションの導入が始まっています。うまく活用できれば、建設現場で起こりがちな人材不足も解消でき、安全性や生産性の向上も見込めます。建設現場が抱える問題を解消するため、コマツはスマートコンストラクションによって建設現場の未来を創造しようとしているのです。

Factory of the Future製造現場が抱える課題。解決の鍵は「デジタル化」です。

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