モビリティサービス(MaaS)とは?自動車業界の最新トレンド

 2020.01.16  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

自動車業界も注目しているモビリティサービスをご存じでしょうか。かつては車を所有することがステータスだった時代もありましたが、時の流れとともに人々の価値観も変わってきています。近年は、車の所有よりも移動手段としての価値を見出す人が増え、車を所有せずに移動するモビリティサービスに注目が集まっています。

maas

モビリティサービスとは何か?

モビリティサービスは「MaaS(Mobility as a Service)」とも呼ばれ、自動車による移動サービスのことを指します。代表的なところではカーシェアリングなどが挙げられます。海外ではすでに自動車メーカーが積極的に事業へ乗り出しており、参入を果たそうとするIT企業も少なくありません。

モビリティサービスが進出した背景

モビリティサービスが、これほどの盛り上がりを見せている理由の一つとして、車の自動運転システムが着実に実用化へ向かっていることが挙げられます。まだまだ条件付きではあるものの、今後さらに技術が進歩して完全なる自動運転車が誕生すれば、AIやloTの技術と融合し、これまでにはなかったサービスの提供が可能になります。

スマートホンやGPS、高速通信の普及により、移動サービスを利用したい人とモビリティサービス提供者のマッチングが、容易に行えるようになったのも大きな要因です。要介護者の買い物支援や医療機関への送迎などもアプリだけで配車の手配が完了すれば、地域経済の活性化や高齢者の運転問題の解決も期待できます。

また、昨今では若者の車離れが叫ばれており、昔ほど車が売れなくなりました。マイカーを持つことがステータスだった時代はすでに終わりを告げ、自動車業界は新たなビジネスモデルを模索せざるを得ない状況にあります。これも、モビリティサービスが注目を集めている理由の一つです。

モビリティサービスはどのようなことができるのか?

モビリティサービスが広がることで、今までになかった新しいスタイルの移動サービスが登場すると考えられています。すでにあるカーシェアリングやライドシェアなどが代表的ですが、ほかにも目的地が近い人の車に同乗させてもらうカープーリングや、一般ドライバーによるマイカーでの輸送サービスなど、さまざまな試みが検討されています。

モビリティサービスが活発化すれば、交通の利便性が悪い地域で暮らしている人もニーズに合った移動手段を選択できるようになります。それだけでなく、地域経済の活性化や道路渋滞の緩和など、付帯するさまざまなメリットの享受が期待できるのです。

カーシェアサービス

もっとも注目を集めているモビリティサービスの一つが、カーシェアです。使いたいときだけ料金を支払い、車を利用するサービスです。現在ではニッポンレンタカーやNTTなどさまざまな企業が参入しており、市場規模は広がりつつあります。

製造業におけるMixed Realityの活用

日本を代表する自動車メーカー、トヨタもカーシェアに力を入れており、社長自ら「車を作って売る会社からモビリティカンパニーへのモデルチェンジを進める」と宣言しています。実際、トヨタは「TOYOTA SHARE」と呼ばれるカーシェアリングサービスを全国展開しており、今後さらにサービスを充実させる予定です。

カーシェアリングには、借りた場所と同じ場所に返却するラウンドクリップ型以外にも、借りた場所以外の場所に車を返せるワンウェイ型のサービスもあります。さらに個人同士が車の貸し借りをするCtoC向けサービスなど、特徴の異なるさまざまなサービスが生まれることが予想されます。

デマンド交通

バスやタクシーを中心に展開される移動サービスです。有名なサービスとしては「Uber」が挙げられるでしょう。Uberを使えば、アプリなどを通じて好きなときに車を手配してもらえます。そのほかには、予約があったときだけ運行する定路線型や、利用者のニーズに合わせて路線や時刻を変化させる準自由経路型などもデマンド交通に含まれます。

利用者側からすると移動サービスを利用したいときだけ使える点、事業者側は効率的に配車できる点がメリットです。事業者側は業務の効率化も図れ、トータルでのコストダウンも期待できます。

マルチモーダルサービス

鉄道やバス、カーシェアなどの交通モーダルをひとまとめにし、アプリを利用して検索や予約、決済などができるサービスです。複数の交通モーダルが連携することで、効率的な輸送体系を確立できます。

従来は、鉄道とバス、タクシーはそれぞれ別々に予約・決済することが必要でした。しかし、マルチモーダルが実現すれば異なる交通網の管理を一元化できます。多彩な移動手段を組み合わせながら、目的地までのルート検索ができるようになるなど、さらに利便性が向上するでしょう。

物流の現場でも活躍

移動が必要なのは人だけではありません。モビリティサービスは物流の現場でも活躍しています。ドローンに代表される無人機を使った配送サービスをはじめ、荷主とドライバーをマッチングさせるサービスも広がりを見せつつあります。

また今後は、無人の自動運転トラックを連結させて稼働させる取り組みも進むと考えられています。先頭のトラックこそ人が運転しますが、複数のトラックを連結させることで輸送効率が大幅にアップします。クリアしなくてはならない課題がたくさんありますが、実現すれば物流業界における人手不足の解消にも役立つはずです

モビリティサービスの事例

着実に広がりを見せているモビリティサービスですが、実は誰もが知っている大企業も積極的に事業に参入しているのです。海外はもちろん、日本でもサービスが広がりつつあります。

トヨタ自動車と西日本鉄道による「my route」

トヨタがモビリティサービスに力を入れていることは上述しましたが、トヨタと西日本鉄道がタッグを組んで進めているのが「my route」です。専用のアプリを利用し、タクシーやバスの予約・乗車券の購入・決済などがアプリ一つで完結します。多彩な移動手段を組み合わせたルート検索もできるため、効率よく目的地に向かえると注目されています。

現在は福岡市でしか実施されていませんが、いずれ日本全国に広がりを見せることは十分に考えられるでしょう。移動に関する情報だけでなく、福岡の観光スポットやイベント情報などもアプリを通じて配信され、地域の活性化にも役立っています。

スタートアップ企業による「akippa」

「akippa」は駐車場予約アプリです。駐車場を事前に予約できる、これまでにない斬新さが注目されました。現在では多くの人がサービスを利用しています。駐車場を事前予約できるだけでなく、空いているスペースを貸し出せるのもサービスの特徴です。

駐車場の登録をすると、アプリを通じて予約が入り、時間に応じた料金をオーナーが受け取れるシステムです。空いているスペースを有効活用でき、しかも初期費用0円からサービスを始められます。

駐車場を借りたい利用者は、事前に予約できるため当日になってから駐車スペースを探す必要がありません。空きスペースを利用するためリーズナブルな価格で駐車できるうえ、事前決済なので当日はスムーズに入出庫できます。ニッポンレンタカーや住友商事なども協力しており、今後さらにサービス提供エリアが拡大することが予想されます。

フィンランドの民間企業による「Whim」

欧米を中心に広がりを見せつつあるマルチモーダルサービスの一種です。フィンランドを拠点とするMaaS Global社が提供しているアプリで、さまざまな移動手段の予約から決済までを一括で行えます。電車やバス、トラム、フェリーなどが利用でき、決済もアプリを提示するだけととてもシンプルです。

選択したプランによってはレンタカーやタクシー、カーシェアリングも使えます。複数の移動手段を組み合わせて、目的地まで効率的に移動できるため、自家用車を持たなくても問題ありません。これらのサービスが普及することで、車をモノとして所有する必要のない未来が実現するかもしれません。

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