製造業はSDGsにどのように取り組むか?重要性や事例も解説

 2021.12.28  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

持続可能な社会の実現に向けたSDGsへの社会的関心は日増しに高まっており、とりわけ大量の資源やエネルギーを消費する製造業ではどのように取り組むのかについて道筋を立てることが喫緊の課題ともいえます。本記事では、SDGsの重要性や製造業の取り組み方について、具体例を挙げて解説していきます。

製造業はSDGsにどのように取り組むか?重要性や事例も解説

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SDGsへの取り組みがますます重要になる時代

DGs(Sustainable Development Goals)とは、国連が2015年に採択した「持続可能で多様性と包摂性のある社会を実現するための17つの開発目標」を指します。この目標は、人類と地球環境を守り、平和と繁栄を促進できるように、教育や気候変動、教育やジェンダーなどあらゆる分野で2030年までに変革することを目的としています。

地球温暖化をはじめとする環境問題への危機意識の高まりや、人種・性別・国籍などのダイバーシティ(多様性)を受容する傾向の強まり、さらに世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルスの影響によって、社会をどのように存続させていくべきかというサステナビリティ(持続可能性)への関心はますます高まるばかりです。

こうした中、事業活動を通して社会や環境に大きな影響を与える企業も、社会的責任(CSR)としてSDGsに取り組むべきという見方が強まっており、実際に多くの企業がSDGsを意識した活動を行い、自社のホームページなどで情報発信をするに至っています。

近年、多くの投資家も企業のサステナビリティに対する考え方に注目する傾向があります。そのため財務状況だけではなく、企業のサステナブルな要素を指標にする「ESG投資」という手法も盛んになってきました。今やSDGsは、人類全体で取り組むべき目標だと位置づけられ、この動きが企業の株価や売上などの業績にも影響するようになっているのです。

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製造業界におけるSDGとは?

製造業もまた、SDGsとは無縁ではありません。私たちの生活にとって必要不可欠な産業ですが、一般的に生産工程においては、多くの資源やエネルギーを消費します。そのため、環境への負荷が高いという特徴があります。事実、SDGsの掲げる17の目標のほとんどの項目は、製造業と密接に関係しています。

それゆえ、消費者は「メーカーがどこから、どのような方法で原料を調達しているのか」「製造プロセスに不適切な方法があり、大気や河川などを汚染していないか」「製造されたものは人体や環境にやさしいか」などSDGsの観点から評価される機会も増加しているのです。以下で、製造業におけるSDGsの取り組みについて紹介していきます。

エネルギー分野と製造業

製造業と真っ先に結び付けられるSDGsの課題が、7番目のゴールである「エネルギー」です。目標として「エネルギーをみんなに。そしてクリーンに」が掲げられています。これはすべての人が安価に使えて、なおかつ環境負荷の低いエネルギーを開発・利用しようということを指しています。

エネルギーに関する課題としては、温室効果ガスによる地球温暖化や、資源の枯渇などが挙げられます。たとえば、近年注目を集めているカーボンニュートラルの実現も、この目標達成のための一環として見ることができます。

製造業においては、たとえば安価な原料だけを追い求めるのではなく、環境負荷の低い原料に変える、生産設備をエネルギー効率性の高いもの、あるいは温室効果ガス排出量の低いものに変えることなどが代表的な取り組み事例です。たとえば工場に太陽光パネルを設置し、使用する電気の一部を太陽光発電にすることも環境負荷の低いエネルギーの使用につながります。

技術革新・研究と製造業

DGsの9番目のゴールは「イノベーション」です。具体的な目標としては「産業と技術革新の基盤を作ろう」が掲げられており、製造業との関係が深い項目です。これは持続可能な産業インフラの構築とイノベーションの推進を掲げた目標です。

たとえば、前項ではエネルギー対策について述べましたが、エネルギー効率の高い生産設備を使えるようになるのも、イノベーションの賜物だといえます。製造業者がその高い技術力を活かしてSDGsの達成に貢献できる製品を開発できれば、その恩恵は開発企業だけではなく、社会全体にまで及ぶでしょう。

SDGsに貢献できるイノベーションの例としては、第一に環境に配慮した資材や製品の開発が挙げられます。たとえば、大手自動車メーカーが取り組んでいる「電気自動車の開発」もその一つです。また、人間社会の持続性という観点で見ると、今後深刻化していく少子高齢化社会に備えて、人間の労働のサポートをしてくれる産業用ロボットの開発なども良例です。こうしたイノベーションを起こすには、優れたインスピレーションや発見が生じやすい組織づくりが大事です。

つくる責任・つかう責任と製造業

DGsの12番目のゴールには「つくる責任・つかう責任」です。これは生産する過程や消費の結果で生じる廃棄物の量を抑えたり、環境に害を与えないように管理したりすることを達成目標としています。たとえば、リサイクルやリユース、廃棄物の再利用する技術もこの項目に含まれます。

製造業では多くの資源を消費して製品を作っていくため、非常に身近な問題です。たとえば、産業廃棄物の不法投棄、商品の過剰包装、廃棄ロスなど無駄の多い生産・消費体制はいずれも環境に負荷のかけてしまう要因となります。

これらの課題を解決する方法はさまざまです。たとえば、高精度な在庫管理・分析システムを用いて需要予測を正確にできれば、無駄な資源やコストを抑えて、廃棄ロスを出すリスクを減らせるでしょう。また、自社のアフターサービスを充実することで、製品の一部が壊れただけで顧客が製品を捨てるような事態を避け、部品交換だけで継続的に使用できるようになります。また、リサイクルしやすい原料に見直すことも手です。

製造業界がSDGsに取り組みメリットとは?

続いては、製造業界がSDGsに取り組むことで得られるメリットを解説していきます。SDGsへ取り組む際には、社会的に求められているからと受動的に動くのではなく、メリットを理解した上で、ビジネスチャンスやイノベーションの機会と捉えて能動的に働きかけていくことが重要です。

企業ブランドの印象UP

DGsに取り組むことは企業のブランディング対策としての効果があります。冒頭で述べたように、SDGsに対する関心は世界中で高まっています。そのような中、自社の経済的合理性のみを追求する企業はむしろ評価が下がってしまうことも考えられます。SDGsに積極的に取り組む企業はCSRをしっかり果たしている企業として社会から認知され、信用できる企業として高い評価を得ることができます。

金融機関においてESG投資など優遇されやすい

DGsへの取り組みは、自社のマネーフローの改善にも好影響を与えるでしょう。昨今、SDGsに積極的に取り組む企業を対象としたESG投資が普及しつつあります。この投資手法では、「環境・社会・ガバナンス」の3つの観点においてサステナブルな取り組みをしている企業に優先的に資金を投じます。

ESG投資の投資家は、取り組みから実際に効果が出るまでには一定の期間が必要であることを理解しており、その上でサステナビリティに対する企業姿勢に共感し投資するため、従来よりも長期的かつ忍耐強く企業に投資する可能性があります。

まとめ

本記事ではSDGsの概要と、製造業が取り組むべきSDGsについていくつか例を挙げました。企業へ社会的責任が求められる今、製造業においてもSDGsに取り組んでいく必要があります。本記事を参考に、自社の生産体制やバリューチェーンなどを見直し、SDGsの実現に貢献できそうな改善点やアイデアがないかご検討ください。

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