マイクロソフトのHPCが製造業にもたらすメリット

 2020.01.22  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

近年、設計や製品のシミュレーションなどでHPCを活用している製造業の企業の多くが、クラウドHPCに移行し始めています。クラウド型にはどのようなメリットがあるのか知りたい方も多いでしょう。従来のオンプレミス型の導入が難しかった企業でも、Azure HPCであれば容易に導入でき、さまざまなメリットを得られます。

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HPCはクラウド化の時代へ

現在では、さまざまなサービスがクラウドで提供されるようになりました。すぐに思いつくものでは、フリーメールが挙げられます。従来のようにメールソフトの購入やインストールが不要で、アカウントさえ作ればすぐに利用できるのが特徴です。こうしたクラウドサービスはどんどん広がりを見せていますが、HPCも同じくクラウド化の時代へ移り変わっています。

HPCを自社で構築するオンプレミスの場合、データセンターの設置や電力の確保、専門スキルを有するスタッフの雇用などが必要となり、莫大な費用がかかります。そのため、HPCを事業に活用したくてもできない企業も少なからず存在していたのです。しかし、HPCのクラウドサービスが登場したことで、自社でHPCインフラを有することなく高度で複雑な演算が可能になりました。

クラウドHPCなら、インターネット環境さえ整っていれば、デバイスを問わずサービスを利用できます。高性能なハードウェアはもちろん、データセンターや高度なスキルを持つスタッフも必要ありません。使いたいときに必要な分だけ利用できるのがクラウドHPCの大きな魅力です。

このように、さまざまなメリットのあるクラウドHPCは、今後ますます普及していくと考えられます。すでに、製造業をはじめ金融や教育、設計など多彩なカテゴリの企業でクラウドHPCは広がりを見せています。

マイクロソフト「Azure HPC」で設計・開発を革新的に

設計や開発のプロセスで重宝されるHPCですが、マイクロソフトがリリースしているAzure HPCが現在注目を集めています。

マイクロソフトは、HPC以外にもさまざまなクラウドサービスを提供しています。そうした既存のクラウドサービスとの連携が可能なのも大きな特徴です。また、オンプレミスサーバーとの相性がよいのも、ITの世界をけん引してきたマイクロソフトならではの強みです。

高度なセキュリティ環境が構築されており、障害時には万全な対策でトラブル解決にあたります。何らかの障害で仮想サーバーが使えなくなったときも、自動的にデータを復旧できるのは大きなメリットです。製造に携わる企業が導入することで、これまで以上に革新的な製品の設計・開発が可能となるでしょう。

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Microsoft Azure 活用事例のご紹介

Azure HPCができること

導入を検討していても、具体的にどのようなことができるのかイメージできないと、導入に踏み切れない方も多いでしょう。すでにさまざまな企業がAzure HPCを導入し活用しています。具体的な事例や活用方法を知り、導入検討の判断材料にしましょう。

設計:開発環境をオープンに

高性能なGPUにより、ストレスフリーで作業できるため作業効率のアップが期待できます。通常、高度な処理能力を持つコンピューターは高額で、その能力を十分に活用するためには利用者のスキルも求められます。しかし、Azure HPCならその心配もありません。

設計や開発環境をオープンにできるのも大きな魅力です。オンラインでデータの共有が可能で、離れた場所からもリアルタイムで開発状況などがチェックできます。

CAEソフトウェアの開発や販売を行うアルテア・エンジニアリングも、ビジネスで活用している企業の1つです。同社では、高性能なGPUをうまく使って世界中のエンジニアが情報を共有できるようにしました。離れたエンジニア同士が情報を共有・交換し、優れたアイデアをスピーディに反映させています。

開発:柔軟かつ精密な設計

これまでは難しかったデザインも、Azure HPCなら精密に表現できます。しかも、これまで大幅に時間をとられていたレンダリングの時間を短縮でき、効率的に作業を進められるメリットもあるのです。

CGアニメーション作品の企画や販売まで手掛けているマーザ・アニメーションプラネットもAzureのサービスを利用しています。同社では自社にレンダリング専用のファームを設けており、これまではオンプレミスで作業を行ってきました。しかし、クラウドサービスによるレンダリングのメリットを感じたことで、クラウド化を推し進めています。

アニメ制作の現場では、新たなプロジェクトが何の前触れもなく立ち上がることも珍しくありません。クライアントからデザインの変更を突如求められるケースもあります。従来の作業環境では、処理リソースが不足する事態に陥ることもありましたが、同社ではクラウドサービスのレンダリングに切り替えることで対処しました。

クラウドサービスの利用により、突然の設計変更にも柔軟な対応が可能になったそうです。スピーディで臨機応変な対応が必要となるアニメ業界にこそ、クラウドサービスが必要なのかもしれません。

試作・検証:高速かつ高信頼度のCAE

従来のオンプレミス環境では、規模の大きなグラフィックスの処理に莫大な時間を割くことも珍しくありませんでした。処理能力をアップさせるとなると、これまた莫大な費用がかかり、扱うスタッフもそれに合わせてレベルアップする必要があったのです。

Azure HPCであれば、ハイスピードでモデリングやシミュレーションが可能で、従来のように膨大な時間をムダにすることがありません。ハードウェアの増設も必要ないため、コスト面でも多大なメリットが得られます。多彩な製品シミュレーションを短時間で実行でき、さまざまなアイデアを具現化することにもつながります。

東海大学は、ワールドソーラーチャレンジで3度の優勝を勝ち取ったことで知られていますが、それを後押ししたのがAzure HPCです。優勝を視野に入れた速いソーラーマシンを製作するためには、空気抵抗を徹底して削減しなくてはなりません。同大学では、そのための流体解析にAzure HPCを活用したのです。

速いマシンを製作するにはトライ&ゴーが何より重要です。とにかく数をこなす必要がありますが、Azure HPCを活用したおかげで、同大学は40日間で約200ケースの検証を可能にしました。

設計~試作まで:AI/ディープラーニングを活用

エンジニアリングにおける全プロセスの最適化は、多くの企業が実現したいと考えている課題です。Azure HPCでは、あらゆるビッグデータをハイスピードで処理できるため、作業効率が上がり、全体のサイクル最適化に貢献してくれます。しかも、さらにAIを活用することでより精度の高い最適化を可能にしました。

AIが蓄積されたデータやノウハウを学習することで、短時間での検証を実現します。予期できないトラブルを早期に発見し、人ではできない検証を行えるなど多くのメリットが得られます。

ハードディスクドライブやフラッシュメモリーを製造する、ウェスタンデジタルコーポレーションでは、Azure HPCを活用して作業時間の大幅な短縮に成功しています。作業工程の最適化を実現し、従来では30日かけて行っていたことを9時間で完了できるほどになったのです。作業の最適化を進めたことで圧倒的な作業スピードを実現し、同社は市場で優位に立つことができました。

まとめ

クラウドHPCは今後ますます広がりを見せると考えられます。製造業はもちろんすでにあらゆる業種の企業が導入しており、活用してビジネスを成長させています。マイクロソフトのAzure HPCなら、すでに成果を収めている企業が多いため、導入しやすいでしょう。この機会に導入を視野に入れてみてはいかがでしょうか。

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