医療現場における働き方改革を推進するMicrosoft Teams

 2020.07.31  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

世間的に「働き方改革」が推進されている一方、医療現場においてはなかなか普及していないのが現状です。まずは、その構造的な理由や、医療現場において労働時間短縮に向けて行われている取り組みをご紹介します。そのうえで、医療現場の働き方改革をサポートする「Microsoft Teams」の概要やそのメリットを解説します。

医療現場における働き方改革を推進するMicrosoft Teams

医療現場における働き方の現状と課題

医療現場において、医師や看護師をはじめとした医療従事者の長時間労働が問題として取り上げられるようになっています。世界的に見て、日本は人口に対して医師が少なく、過重労働になりやすい構造があります。長時間労働自体は医療現場のみの問題とは限りませんが、過重労働によって引き起こされるミスは、医療という業務性質上、致命的なものになる危険があります。

実際、医療従事者の長時間労働がひとつの原因となり、過労や疲労困憊から医療ミスにつながったというニュースを目にしたことのある人も多いでしょう。会社におけるひとつのミスも、ものによっては非常に重大なものになりますが、医療の場合はそのひとつのミスが人命に関わります。医療現場ではこのような現状があるなかで、以下では医療現場という環境における「働き方改革」の具体的な取り組みについてご紹介します。

【働き方改革】医師の長時間労働を短縮する取り組み

医師の年間における時間外労働が非常に多く、医療の質にも影響が出ている状況を鑑み、医師の長時間労働を減らす試みとして「医師の働き方改革に関する検討会」がスタートしています。この検討会において、医師の長時間労働を短縮するガイドラインが示されています。

具体的には、2024年の4月から「医師の時間外労働上限」が適用され、原則として年間960時間が上限となります。例外として、「3次救急病院」や「年間に救急車1,000台以上を受け入れる2次救急病院」など労働時間の短縮に限界のある機関において、期限付きのもと、年間1,860時間を上限とした時間外労働が認められます。

研修医など短期間で集中的に症例経験を積む必要性がある際は、同様に年間1,860時間まで時間外労働が認められます。これらの例外をそれぞれ「B水準」と「C水準」といいます。

2024年4月からの施行に向けて、遅くとも2021年度中には時短計画の作成が求められています。逆算すると、特にB水準およびC水準の認定を受けるには、2023年度内には完了している必要があります。その認定に必要な「評価」を2022年度には受けると考えると、2021年度内に時短計画を完成させる必要があります。

時短に対する取り組みが十分であると評価されるには、「タスク・シフティング」や「タスク・シェアリング」といった取り組みも重要な項目です。これらの医療マネジメント改革やICTの活用など、計画に組み入れ、実行することが大切です。

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医療現場の業務効率を改善する「Microsoft Teams」とは

医療現場の業務効率改善にあたりツールのひとつとして注目を浴びているのが、Microsoft社が提供するMicrosoft teamsです。

Microsoft社は法人向けに、クラウドでも利用できる「Office 365」を展開しており、大きなシェアを誇ります。Microsoft teamsもそのなかのひとつのアプリです。Office 365におけるチャットツールとしての位置づけと説明すると分かりやすいかもしれません。

Microsoft社はメーラーである「Outlook」も展開しているなかで、チャットツールのMicrosoft teamsも提供しています。Mirosoftはこれを、チャットをベースとしたワークスペースと位置づけており、チャットとメールのコミュニケーションを初めから棲み分けしています。そのため、チャットツールをメールの代用としてポジショニングしている「Slack」や「Chatwork」などとは決定的に異なる特徴を持っています

「Microsoft teams」は、チャットをベースにして、Microsoft社が提供する多様なサービスを連動させ、組織内のコミュニケーションをMicrosoft teamsに集約することで、情報共有や各メンバーの生産性を高められるように設計されています。たとえば、Microsoft teams上でそのままExcelやPower Pointを開き、共同編集も可能です。

ではこのような特性は、医療現場においてどう活用されているのでしょうか。

働き方改革を推進「Microsoft Teams」の導入メリット

ここからは、医療現場の働き方改革を推進するMicrosoft teamsを導入するメリットを具体的にご紹介します。ここでも、やはりコミュニケーションや情報共有がキーワードになります。

円滑なチーム間のコミュニケーション

医療は、決して個人プレーで成り立つものではありません。医師をはじめ、さまざまな専門家から成るチームメンバーのコミュニケーション環境が、医療の成否を左右するひとつの要素になります。ひとりの患者に対し、複数分野の専門医が関わることもあるため、なおさら情報共有やコミュニケーションによるスムーズな連携が大事になります。

Microsoft teamsを活用することにより、チャット機能や在席状況の確認などが利用できます。メールよりもカジュアルな形でスピーディーに会話でき、同僚にヘルプを求めやすくなります。また、相手が連絡を取れる状態かどうかなどを適宜確認でき、チーム間での連携が取りやすくなります。

電子医療記録や基幹業務アプリなどデータを一元管理

Microsoft teamsは、単にコミュニケーションを円滑化するだけでなく、情報共有や業務の効率を向上させることも可能です。外部と連携するためのAPIがあるため、さまざまなサードパーティ製品とスムーズに連携できます。たとえば、電子カルテやその他アプリケーションが提供する外部データを病院内のシステムに表示させたり、操作したりすることが可能です。さまざまな記録やデータを一元管理し、情報共有ができるため、事務的な作業に費やす時間を短縮できます。こういった連携や円滑なコミュニケーションは、働き方改革にも寄与するでしょう。

代理アクセス権の設定時で業務内容をバックアップ 

Microsoft teamsには、代理アクセス権を設定する機能があります。医療チーム内である医師が不在の際は、この機能を利用し、チーム内で代理を立てることが可能です。Microsoft teamsへのアクセス権限を引き継いだ医師が、スムーズに患者への対応を行えます。アクセス権を適切に管理することで、必要な人だけが必要な情報にアクセスできます。代理アクセス権の機能を活用してバックアップに指名しやすい体制を構築することで、結果的に各医師の労働時間を短縮することにつながります。

セキュリティ対策も可能

医療においても、情報の取り扱いは非常に重要です。特に、患者に関する情報が外部に漏れることがあってはなりません。一方で、さまざまな情報を外部アプリケーションと連携させるため、セキュリティ面に不安を持つ人もいるでしょう。

Microsoft teamsのセキュリティ機能のひとつには、データ損失防止機能があります。ITの管理者がこの機能を活用することで、医療情報をはじめとした患者の機密情報データを外部ユーザーと連携する場合のみフラグを設定し、セキュリティ担当者に共有するといった使い方ができます。また、そのデータへのアクセスやメールの送信を自動的にブロックします。

まとめ

日本の医療現場においては、医師の不足などで、長時間労働の問題はまだまだ解消されていません。一方で、働き方改革に向けて中長期的な取り組みが始まっているのも事実です。Microsoft社が提供するコミュニケーションツール、Microsoft Teamsを導入することで、業務効率と労働時間短縮につなげることが可能です。

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