自治体における文章保管の管理年数は?

 2021.10.29  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

自治体には膨大な量にのぼる文書がありますが、文書保管の意義や管理方法、保管年数はどのようになっているでしょうか。保存期限を定めて期間満了後に廃棄したり、移管したりすることで、文書が管理しきれなくなることを防げます。

自治体のみならず、文書管理を改善することを考えている方は、参考にしてみてはいかがでしょうか。

自治体における文章保管の管理年数は?

自治体における文書とは

文書とは、意思決定の経過や事業の実績などの情報を記録したもので、紙媒体のものだけではなく、ハードディスクやパソコンなど電子媒体のものも指します。

自治体の文書を含む公文書は、主権を持つ国民共有の知的財産です。そのため、分類し、名称を付け、保存期間を定めて保存するなど適切に管理しなければなりません。住民へのサービス還元の意味からも、自治体が記録を今後の運営に役立てるためにも、現在または将来活用しやすい状態にしておく必要があります。

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自治体における文書管理の意義

自治体が適切に文書管理を行うことで、可視性や検索性を担保できます。管理する年数を定めることは、文書を管理できる量にとどめるのに役立ちます。

文書作成により可視性を担保

文書を作成することで、データや統計、会議の議事録、実施目標や実績、歴史的事実などの可視性を担保できます。文書がないと、決定の経緯に問題がなかったかを後日検証したり、データを確かめたりすることは困難です。

また、自治体は関係企業と連携して活動することも多くありますが、文書があれば合意事項などに認識のずれが生じる心配もなくなり、スムーズに実施できるでしょう。

文書の整理と保存により検索性を担保

作成した文書を整理し保管・保存することで、検索性も担保できます。自治体の文書は膨大な量にのぼるため、データや書類を利用しやすいように整理しなければなりません。検索性のよい状態を保つためも、期限を決めて保存します。

ちなみに、一般的な文書管理において、保管と保存という言葉は意味合いが多少異なります。「保管」は、すぐに使える状態にして管理すること、「保存」は、普段使わないものの必要なときには取り出せる状態に管理しておくことです。同じ文書でも、はじめのうちは事務室内に「保管」し、一定期間(1年など)経ったら書庫に「保存」、という経過をたどることが多くあるでしょう。

文書の保存期間を決めて適切に管理

法令などで定められているのは「保存期間」です。法的な規定がなくても、各自治体で分類ごとに、30年、10年、5年、3年、1年及び1年未満といった保存期間が設定されています。その他、「常用」に分類される文書もあり、必要とされる期間は事務室内など取り出しやすい場所で保管されます。

文書を整理する際には、全文書のリストも作り、その中に保存期間満了日も記録しておくべきです。そして期間満了後は速やかに廃棄、または内容に応じて他の機関・施設に移管しなければなりません。たとえば、災害救援や国家褒章叙勲、財政計画などの関係書類の中には歴史公文書として分類されるものもあり、それらは公文書館に移管されます。

以下に主な行政文書の最低保存期間と、該当する文書の例を取り上げます。

  1. 30年 条例・規則・訓令・通達、叙位・叙勲・褒章・表彰に関する起案文書。知事と副知事の事務引継書。
  2. 10年 (都道府県)議会に関する重要な行政文書。許可、認可、処分の取り消し等の行政処分に関する起案文書(法律関係が5年を超えるもの)。
  3. 5年 予算および決算、国庫補助金や各種交付金の起案文書。会計管理者・部長・局長の事務引継書。
  4. 3年 事務や事業の計画、予算・決算に関する起案文書のうち重要度の低いもの。次長・課長の事務引継書。
  5. 1年 各種照会・回答や各種帳票・伝票

文書管理における課題

自治体では管理すべき文書が広範囲に及ぶため、適正な管理方法を守り、維持していかなければ、文書であふれてしまいます。以下に、多く見られる課題を取り上げます。

管理体制の属人化

冒頭でも述べたように、自治体が管理する公文書は国民共有の財産であるにもかかわらず、担当職員の私物のように個人用のデスクやパソコンに保管されていることがあります。担当職員にしか探し出せないような検索性の悪い管理方法では、他の人が必要なときにすぐに使えません。

管理を個人に任せると管理方法が人によって異なり、管理体制の属人化が起こります。担当職員が不在、または移動した際に業務が滞ってしまいがちです。また、文書の管理が担当職員1人に掛かっていると、誤って廃棄した、紛失したといった問題も起こりやすくなるでしょう。

不要な文書の未廃棄

保存期間を過ぎた文書や、保存する必要のない文書であっても廃棄せず、デスクやパソコン、事務所のキャビネットや書庫に入ったままになっていることがあります。不要な文書により重要な文書や常用する文書が埋もれてしまうと、必要な文書を使いたいときにすぐ取り出せず、効率的に活用するのが難しくなってしまうでしょう。さらには、管理が行き届かないため、情報漏洩など重大な問題にも至りかねません。

自治体における文書管理の改善策

文書管理の課題をどのように改善すべきでしょうか。以下の3点を意識できるでしょう。

文書管理の属人化防止

まず、職員による文書の私物化を容認して、文書管理を属人化させる風潮をなくさなければなりません。いつも使う文書は手元に置いておくほうが便利だと考えがちですが、実際は担当職員本人にとっても検索性が悪いことが調査でも明らかになっています。

組織的に検索性向上を実現

組織全体で検索性向上のために行うべきこともいくつかあります。

まず取り組むべきなのは、不要な文書(紙だけではなく電子的なものも含む)の廃棄です。文書が多過ぎて管理できないので文書管理システムを導入して解決しようと考えがちですが、実際には文書があふれている状態ではシステムを導入しても検索性はあまり向上しません。

システム導入の前に、目安として5割程度の文書を廃棄しましょう。文書保存期間を超過したものや、電子的に保存されていて紙で保存しなくてもよいもの、念のため保存しているものなど、廃棄できるものがたくさん見つかるはずです。

また、保存期限はまだ過ぎていないものの、普段使うことがあまりない文書であれば、事務所内のキャビネットに保管する必要はないかもしれません。書庫などに保存することで、事務所内を整った状態に保てます。

分類の仕方や文書名の付け方などのルールを、確認して周知します。まだルール化されていないものがあれば、関係する人たちの合意を得てルール化します。文書のリストに漏れなく加えるよう習慣づける必要もあるでしょう。

ルールの策定や徹底のためにも、文書管理を個人任せにせず、文書管理の担当者や担当部門などを設定することも大切です。

保存期限の設定と管理

多くの文書を廃棄した後も、その状態を維持しなければなりません。新たな文書を作成するたびに、適切な保存期限を設定し、文書のリストにも記入します。しかし、大量の文書の中で保存期限が過ぎたものがないかを、人手によってチェックするのはあまり現実的ではないでしょう。必要であれば、文書管理システムを導入して期限管理を行えます。

期限を超過したものは即座に廃棄・移管させることを習慣化するなら、文書を適正な量にとどめられます。

まとめ

保存期限を定めて廃棄・移管することは、文書を管理可能な量に保つのに役立ちます。そのようにして文書の検索性を確保し、住民が活用しやすくするのです。

保存期限は自治体によって異なりますが、重要度に応じて1年未満から30年程度まで、段階的に分類するよう定められています。このような管理方法は企業も倣うことができるでしょう。

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