PLMとは?IoT時代に重要性が増す製造業の切り札

 2020.11.09  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

製造業においてIoT(Internet of Things/物のインターネット)やAI/機械学習を活用するケースが増えています。先進的な製造業ではIoTによる予知/予兆保全やサービタイゼーションによる新たなビジネスの展開など大きな変革が行われています。そして、製造業の中核とも言えるPLM(Product Lifecycle Management/製品ライフサイクル管理)においても、今その重要性が増してきています。本記事ではPLMとは何か?という基礎知識から、IoT時代におけるPLMのあり方をご紹介します。

plm

PLMとは?

PLM(Product Lifecycle Management/製品ライフサイクル管理、以降PLM)は、製造業における製品のライフサイクルである「企画→開発→設計→生産準備→生産→販売→保守→廃棄」という一連のプロセスを統合的に管理する仕組みです。

ご存知のとおり製造業が置かれている立場は大きく変化しています。国内においては少子高齢化による労働人口の減少に加えてマーケットの減少、情報技術の発展による消費嗜好の多様化、新興国の台頭による低価格な製品の出現など日本企業を取り巻く環境は大きな課題を抱えています。企業は、近代的なPLMを導入することで製品情報を一元管理することが可能になり、生産効率の向上やコスト削減、市場への迅速な製品投入、ガバナンスの強化などに貢献できるようになります。

多くの製造業において、収益の左右には製品ライフサイクル管理が寄与します。このPLMを適切かつ最適に保つことで収益の最大化やコスト削減に貢献することが可能になります。

PDMとの違い

PLMと同等の言葉としてPDMがあります。PDM(Product Data Management/製品データ管理、以降PDM)は、PLMを実現するための基本となるデータを管理する手法やそれを実現する製品をさします。

その両者の位置付けは、PLMは製品ライフサイクル全体を管理することに対してPDMは設計データを一元管理することにあります。

例えばCAD/図面データやそれに付随するドキュメント、部品表管理などがPDMの管理対象になります。このことは製品ライフサイクルの一部を担うことになるため、PLMのサブセットがPDMということです。企業は設計業務を効率化する目的でPDMの採用を行いますが、一般的に設計業務と生産業務は連携されていることが望ましく、そのことを踏まえて、例えばPLM製品で有名なPTC社が提供するWindchillでは、PLMパッケージとしてPDM機能も同時に包含する製品となっています。

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IoT時代におけるPLMとは?

また、製造業においてIoT技術の導入が必要不可欠であるようにPLM製品もまたIoTとの融合が望まれています。IoTとはモノとネットワークを繋ぐ技術であり、センサーによってあらゆる情報を取得しながらリアルタイムに分析を行い、そのフィードバックによって新しい付加価値をものにあたえるための技術と言えます。このIoTがPLMのあり方を変えようとしている理由は、製造業におけるIoT活用でのスマート化に他なりません。

例えば、皆さんは英ロールスロイス(世界有数の旅客機エンジンメーカー)の「Power by the Hour」というサービスをご存知でしょうか?ロールスロイスは自社製造する航空機エンジンにセンサーを取り付け、そこから得られるデータをもとにエンジンの出力と稼働時間を計算し、稼働する時間ごとに販売するという新しいエンジンのサブスクリプションモデルを展開しています。航空機エンジンは本来製品(モノ)として販売しますが、「顧客はエンジンそのものが欲しいのではなくエンジンによって得られる推進力が欲しい」という発想から、まさにコトを提供するビジネスモデルへの転換に成功しています。

製造業における「製品」とは、上記同様に本来モノを販売するものですが、IoTがその価値を大きく変換し、モノを販売するのではなく価値を提供することへの注目度が劇的に高まっているのです。こうしたサービタイゼーションが今後も取り入れられて行くと製品のライフサイクルである「企画→開発→設計→生産準備→生産→販売→保守→廃棄」も大きく変化します。例えば工場のスマート化により生産現場の情報収集が設計側へとフィードバックされ、PLMへの応用適用が進みます。あるいは、IoT化された製品によってユーザーの使用状況データなどを収集し、それを分析して設計側にフィードバックすることでPLMの最適化に役立ちます。

このように、IoT時代におけるPLMは「製品ライフサイクル管理(PLM)」から「製品・サービスライフサイクル管理PSLM」へと発展する可能性が高く、また、IoTから創出される膨大な情報をもとに設計や製品関連業務へとフィードバックすることが求められるのです。

今後のPLMに求められる世界

上記で解説したようにPLMにおいて産業用IoT(IIoT)との連携は、重要性を増しています。しかし、それだけではありません。今後の製造業が競争優位の状況を作り出すためにはIoT以外にもデジタルスレッド環境の実現、デジタルツイン、ジェネレーションデザイン、拡張現実といったテクノロジーの活用が次世代のPLMには不可欠になります。

例えば、デジタルスレッドは、製品情報を高度に連携付け設計や製造、サービスなど製品の状態に関する全ての情報にリアルタイムにアクセスできるようにしたり、製品ライフサイクル内で遡って状況を確認できることを意味します。一般的な製造業において製品ライフサイクルの管理が分断されているため上記のようなデジタルスレッドを実現することは容易ではありません。また、デジタルツインは、物理空間にあるデータをIoTなどで収集し、それらのデータをもとに仮想空間でシミュレートする技術です。例えば保全業務などにおいてはトラブルが発生してからデータを収集し調査し問題を特定後に修理するのに対して、デジタルツインを活用することでリアルタイムに問題を把握しながら故障を特定したり故障前に予兆を認識することが可能になります。

PTCが提供するPLMソリューション

PTC(本社:米国マサチューセッツ州)は、最新技術を活用したPLMソリューションWindchillを提供しています。企業がWindchillを活用することでグローバルや地域にまたがる部門に対して安全なデータアクセスや品質を重視したプロセス、データ主導の製造といったことが実現可能になり製品開発の手法を進化させることができます。また、Windchill はオープンアーキテクチャーであるため、IoT を含むほかのエンタープライズシステムと簡単に統合でき、製品主体のデジタルスレッドのための基盤を構築できます。また、PTC の PLM アプリケーションの特徴として特別な設定は不要であり標準機能と、高度かつ柔軟に構成可能な機能を提供します。また、同社のMicrosoft Azure IoTの機能を統合するIIoTプラットフォーム「ThingWorx」と組み合わせることで真に競争力の高い製造業務を実践することが可能になります。

 

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