PLMの導入を失敗させないために検討すべきこととは

 2020.11.18  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

PLM(Product Lifecycle Management/製品ライフサイクル管理)が製造業にとって重要なシステムであることは多くの企業が理解しています。しかし、これからPLMの導入を検討していたり、旧世代のPLMからの最新版への移行を検討している企業ではどのようにPLMを導入するのが良いのだろうかと悩んでいることも多いかもしれません。確かにPLMは、一般的なICT(情報通信技術)ツールの導入よりも敷居が高く、一般的には業務改革を伴うものなので、それ故の課題が存在することも事実です。今回はPLM導入に欠かせないポイントをご紹介いたしますので、今後の参考になさってください。

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PLMの特徴を改めて認識する

PLM導入のポイントをご紹介する前に、PLMの特徴を再認識していただくためにPLMの概要とPDM(Product Data Management/製品情報管理)との違いをご紹介します。

PLM(Product Lifecycle Management/製品ライフサイクル管理、以降PLM)は、製造業における製品のライフサイクルである「企画→開発→設計→生産準備→生産→販売→保守→廃棄」という一連のプロセスを統合的に管理する仕組みです。一方、PDM(Product Data Management/製品データ管理、以降PDM)は、PLMを実現するための基本となるデータを管理する手法やそれを実現する製品をさします。 その両者の位置付けは、PLMは製品ライフサイクル全体を管理することに対してPDMは設計データを一元管理することにあります。

企業は、PLMを導入することで製品情報を一元管理することが可能になり、製品を主体の据える製造業においては生産効率の向上やコスト削減、市場への迅速な製品投入、ガバナンスの強化などに貢献できるようになります。多くの製造業において、収益の左右には製品ライフサイクル管理が寄与します。このPLMを適切かつ最適に保つことで収益の最大化やコスト削減に貢献することが可能になるのです。

最近ではPLMとPDMに明確な線引きはなくなりつつあり、総合的な製品ライフサイクル管理システムを提供するベンダーも登場しているので、PLMとPDMの違いは一概に上記のようにはならない場合もあります。例えばPLM製品で有名なPTC社が提供するWindchillでは、PLMパッケージとしてPDM機能も同時に包含する製品となっています。

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PLMの導入を失敗させないポイント

それでは本稿のテーマである、PLMの導入を失敗させないポイントについてご紹介します。これからPLMを導入しようと考えている場合は、以下に提示する5つのポイントについて改めて検討し、プロジェクトが失敗に向かってしまっていないかを確認しましょう。PLM導入自体検討中という場合は、導入に際し何を念頭に置くことが大切なのかを確認するつもりで各ポイントの詳細を知りましょう。

ポイント1.経営層の全面的な協力を得るにはどうすればいいか?

PLM導入において意外と多い課題が、「経営層がPLMに対して否定的もしくは興味を抱いていない」ことです。これはPLMに限らず、大規模なシステムなど費用対効果が現れるまで一定以上の期間を要するシステムにおいて必ずといって良いほど課題になることです。

経営層の多くはシステムに対して即効性を求める傾向にあり、特にITに明るくない顔ぶれの場合は短期間での費用対効果を提示できない限り首を縦に振らないことも少なくありません。では、経営層の全面的な協力を得るにはどうすれば良いのか?

それは製品ライフサイクルというPLMの最上段において何が起こるのかを説明するのではなく、PLMが個人ごとの業務を効率よく回すための仕掛けとして機能すること、PLMによって業務はどう変わるのか、それによる収益への影響などを具体的に説明することです。また、「システム導入=トップの許可」という認識が強いのですが、先に現場部門を巻き込んでPLMに対する期待感を組織全体で高めることも重要です。

ポイント2.IT管理者と現場の認識にズレはないか?

PLM導入が進むにつれて特に注意しなければいけないのが、IT管理者と現場部門の「認識のズレ」です。どういうことかというと、PLM導入が決まった時点で現場部門は「こんなことができそう、あんなこともやってみたい」と期待感を膨らませます。しかし、実際に運用を行う情報システム部門からすれば負担が増えることも事実です。PLM導入が決まった時点でIT管理者と現場部門の認識をしっかりとすり合わせながら要件定義や製品選定などを行い、双方にとって納得の形でPLMを導入するのがベストと言えます。

ポイント3.IT管理者の負担が増してリソースが消費されないか?

PLMを導入すると、製品データを管理する為に分散していたシステムの一元化も図れるため、IT管理者の負担を軽減できると考えている企業は多いでしょう。しかし、必ずしもそうとは限らないところにPLM導入の落とし穴があります。

導入する製品によっては、既存で管理している製品データのうちPLMでは管理しきれないものがあるかもしれません。そうすると既存システムを残しながらPLMを同時進行で運用する必要があるため、下手をしたら二重管理になってしまいます。また、PLMを導入しても業務プロセス自体が変わらなければIT管理者や現場の業務負担が減らない可能性もあるので、PLM導入後にIT管理者の負担がむしろ増してしまわないか?という視点を持つことも大切です。最近ではPLM製品はクラウド上で動作しますのでクラウドなども検討すると良いでしょう。

ポイント4.業務改革を根底に置き、システムありきの導入になっていないか?

PLM導入とは一種の業務改革です。企画設計から生産、さらには製品の廃棄に至るまでの製品ライフサイクル全体を管理し、部門を跨いでデータ活用が可能な状態にあります。この効果を最大限引き出す為には、既存の業務プロセスを調べて改革をともなうケースも多々あります。BPR(業務プロセス再設計)のように、PLMを導入することで何が変わるのか?既存の何を変えるべきなのか?を十分に検討した上で、PLM導入を目指す必要があるでしょう。

ポイント5.システム導入後の運用計画は事前に立てているか?

PLMは長期的な運用によって費用対効果を発揮していくシステムなので、導入までも大切ですがシステム導入後の運用計画が何よりも重要です。その為、導入してから「どうしようか?」ではなく、PLM導入段階で運用計画を事前に立てておく必要があります。もし、導入後の運用計画などに不安な場合には導入パートナーに相談しながら、企業環境ごとにあわせた運用計画を立てていきましょう。

PLMで製品ライフサイクルに新しい仕組みを

PLM導入で検討・注意すべきポイントはたくさんあります。手間も時間もエネルギーも使いますが、PLMの効果を最大限引き出せるように導入した際には、大きなメリットが享受できます。PLM導入は導入パートナーや外部コンサルタントに相談しながら本稿でご紹介したポイントを自社独自に検討してください。

上記でご紹介したPTC社のWindchillは日鉄ソリューションズ様よりご購入いただけます。同社はPTC社とPLM領域において世界初となるエンタープライズパートナー契約を締結し2013年から2019年にかけてWindchill代理店としてNo.1の実績をあげるだけでなく2019年には世界で第2位の販売実績があります。そのためPLMの導入に関して多くの実績がありますのでもしPLMやPDMの導入や刷新をご検討の場合には日鉄ソリューションズにお声がけしてみてはいかがでしょうか。

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