自動車業界むけCADのポイントを解説

 2021.01.15  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

自動車業界で活躍する企業の中には、CADシステムを有効活用しているところが少なくありません。自動車業界でもDXが叫ばれる中、CADを導入すればいったいどのようなことが実現できるのでしょうか。本記事では、CADの概要や自動車業界における役割、主に使用されているCADソフトについて解説します。

自動車業界むけCADのポイントを解説

CADとは

パソコン上で設計、製図を可能とするソフト、システムをCADと呼びます。自動車業界のみならず、製造や建築分野に携わる企業の多くがCADを導入し活用しています。

従来、設計や製図は手描きで行われていました。しかし、手描きではどうしても作業に膨大な時間が必要となるだけでなく、正確性に欠けることも少なくありませんでした。

こうした二次元での設計、製図における問題を解決するために誕生したのがCADです。CADを活用すればより精密な設計や製図が可能となり、なおかつ業務スピードの向上も期待できるのです。

自動車業界におけるCADの役割

自動車業界では、主に製品設計やシミュレーション、業務連携などにCADを活用しています。具体的にCADがどのような役割を担っているのか、ポイントごとに解説しましょう。

製品設計

自動車は、さまざまなパーツの集合体です。それらの各種パーツはもちろん、車体の設計においてもCADが使用されています。自動車業界で主に用いられているのは、3D CAD(ハイエンドCAD)と呼ばれる高機能なソフトです。

CADで精密な設計を行えば、部品の接触や不整合などの問題を事前に把握でき、修正が必要な場合には速やかに対応できます。設計業務のスピード化も図れ、製造部門へ正確な図面を送ることができるのです。

シミュレーション

かつては、実際に部品の試作品を作りシミュレーションを行っていました。しかし、この手法では時間がかかりすぎてしまい、コストも上がります。短期間で高品質な部品を、低コストで生産しなくてはならない自動車業界だからこそ、現在ではCADが活用されているのです。

CADデータなら、モニター上でさまざまなシミュレーションが可能です。わざわざ試作品を作る必要がないためコストを削減でき、工期の短縮化を図れるメリットもあります。

業務連携

自動車作りには、設計者以外に営業担当者や他の技術者など多くの人が関わります。これらの人々とうまく連携しながら業務を進めるには、情報の共有が欠かせません。

CADで制作したデータならやり取りがしやすいため、情報の共有が容易です。製品作りに関わるスタッフたちと正確な情報を共有でき、レスポンスのよいコミュニケーションも実現できます。

自動車業界で主に使われているCAD

かつては2D CADが主流でしたが、現在ではあらゆる業界で3D CADが使用されています。自動車業界も例外ではなく、CATIAやCreo Parametric、NXなどのハイエンドCADを用いて設計、製図が行われています。

Creo Parametric

自動車業界や家電業界など、世界で数万社が導入しているといわれるシステムです。拡張性と機能性の高さに定評があり、モデリングデータの変換や2Dと3Dデータとの連携などが可能です。

直感的な操作も実現しており、曲面形状もモニター上で自由自在に作成できます。高精度なレンダリングやダイレクトモデリング機能も備え、ひとつの設計図から複数のバリエーションを作りパターン化するなど、多彩な使い方が可能です。

また、同製品を提供するPTCでは、CADと連携可能なPLM/PDMソリューションを提供しています。Windchill(ウィンチル)は、CADデータから技術資料まですべての製品コンテンツと開発プロセスを管理し、拠点ごとに分散した製品情報を一元管理することに役立てられています。

CATIA

大手の名だたる自動車メーカーが導入しています。設計や製図のみならず、モニター上での3Dモデリング、検査、解析なども行える高機能なシステムです。複雑で繊細な形状の設計もでき、自動車業界だけでなく航空、造船業界でも活用されています。

NX

マツダ(株)や日産自動車(株)などが導入しているNXは、製品開発に必要なあらゆるプロセスをカバーできるシステムです。自由度の高い設計が可能で、曲面や複雑形状も容易に作成できます。

高度な解析機能を搭載しているのも特徴です。簡易解析や高度解析、流体、熱解析などあらゆる解析ができ、早期の問題発見、改善策の立案が行えます。

CADで実現できる自動車のDX

CADの導入により、自動車に関わる企業はどのようなDX(デジタルトランスフォーメーション)が実現できるのでしょうか。大きく2つ、試作製品の可視化と図面データの管理・共有が挙げられます。

試作製品の可視化

従来では、設計した製品の性能をチェックするため、実際に部品や車を試作するケースがほとんどでした。ただ、この方法は時間もコストもかかり、試作した製品に問題が発見された場合には設計プロセスまで差し戻す必要性も生じます。

CADを導入すれば、パソコンのモニター上でシミュレーションが可能です。わざわざ試作品を作ることなく、モニター上でさまざまなことをチェックできるため、従来に比べ大幅に時間とコストを削減できるのです。

図面データの管理・共有

膨大な数の図面は、管理するだけでも大変です。管理する場所を確保せねばならず、適切に仕分けをしていないと必要なときに取り出せません。

その点もCADデータなら、コンピューターで容易に管理できるだけでなく、かさばることもないため、収納や管理の手間も省けます。また、電子データはパソコンやタブレット端末などで共有できるため、チームメンバーとのやり取りがスムーズになるメリットもあるのです。

まとめ

車体だけでなく、関連する部品の設計や開発においても、CADは活用できます。CADを導入し業務の効率化ができれば、製品をリリースするまでの期間を短縮でき、なおかつコスト削減も実現できるでしょう。この機会に、CADの導入を検討してみてはいかがでしょうか。


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