製造業における生産管理とは?業務内容や生産方式を解説

 2020.05.20  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

「生産管理」とは、製造業にとって欠かせない業務の一つです。生産を管理するということだけではなく、その内容は多岐に渡ります。当記事では、製造業における生産管理とは具体的にどのようなものなのか、それぞれ項目ごとに解説していきます。

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そもそも生産管理とは?

「生産管理」とは、その名の通り、生産に関する管理を行うことではありますが、単純な内容ではありません。

モノを生産するには材料や部品、そして製造を実際に行う人手や設備が必要となります。こうした生産そのものについての計画に加え、完成した製品が適切に市場に出荷されるかどうかの調整までを含めて、生産管理と呼びます。生産管理というと、モノづくりにのみ特化したような印象を受けますが、実際に完成した商品が適正な数や価格で市場に出荷されるかどうかまでの管理も求められるということです。

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生産管理の業務内容

生産管理と一口にいっても、その分野は製造から販売まで多岐に渡ります。具体的な業務内容を知るために、ここからは項目ごとに確認していきましょう。

需要予測

「需要予測」とは、その名の通り、生産する商品のニーズを予測することをいいます。過去の傾向や販売データ、季節性、競合他社の状況や景気など、あらゆる観点から分析し、商品の需要の多寡を予測します。

分かりやすい例でいうと、夏になるとアイスクリームやかき氷などの需要が増し、冬が近付くにつれてその需要は減っていきます。

この需要予測においては、何よりも正確な分析・予測が求められます。というのも、予測を外すと商品の売り上げに大きく影響するからです。例えば、予測よりも実際の需要が多かった場合、在庫が不足し大事な販売機会を逸してしまいます。また、予測よりも実際の需要が少なかった場合は、在庫が減らずに利益を圧迫する可能性があります。

商品の売り上げを伸ばすためには、需要に対して供給の過不足が生じないよう、正しい予測が重要となるのです。

生産計画

「生産計画」とは生産、つまりモノづくりに関わる道筋を組み立てることで、自社の生産ラインの水準をしっかりと把握する作業をいいます。

モノを作るためには、先述したように、まずは原材料が必要となり、そしてそれを製品として加工する設備や人員が求められます。必要なものをどこから調達するか、どれくらいのコストがかかるか、自社の設備でどれくらいの期間でどれだけの量を生産できるか、最終的に利益を上げられる見込みはあるのかなど、あらゆる面から適切な計画を立てていくのが生産計画です。

生産実施・制御

生産計画が完成したら、その内容に従って実際の製造作業に入っていきます。製造部門が生産管理を兼ねて行う場合もあれば、生産管理部門とは別に製造に特化した「製造管理」を行う部門を設置している場合もあるなど、製造と生産に関する体制は企業規模によって変わります。

また、単にモノを生産するだけでなく、需要と供給のバランスを見て生産量を調整するのも、生産管理の仕事の一つです。計画通りに生産が進まなかった場合や、商品の売れ行きがよくも悪くも想定外だった場合は、スケジュールの調整や在庫の増減を行う必要があります。生産管理においては、こうしたバランスを適宜確認しつつ制御することも重要なのです。

品質管理

製造・出荷といった場面だけでなく、実際にできた製品の品質についても管理を行います。ロット番号や製造日時などで区分して管理を行い、受入検査や顧客からのクレーム対応など、品質を問われる状況にも対応する必要があります。

製造業における生産方式の種類

生産管理や生産計画を行ううえで、その製造にふさわしい生産方式を把握しておく必要があります。生産といっても、その手法は企業によってさまざまです。中でも一般的な生産方式について、具体的に見ていきましょう。

セル生産方式

「セル生産方式」とは、一つの製品を最初から最後まで同じ作業チーム内で組み立てていく作業方式のことです。「セル」とは「細胞」を意味する言葉で、区切った区画内に設備や素材などを用意し、そこで製造を行うことからこの名前が付けられました。大量生産には向いていませんが、一から製造を行うので作業に融通が利きやすいのがポイントです。状況に応じて材料の品目を変えたり、生産制御のために作業を行うセルを増減させたりといった、フレキシブルな対応ができます。

また、チームを組んで行うという点もメリットとして挙げられます。同じチーム内で一つの製品を作り上げていくことは、作業員のモチベーションやスキルの向上にもつながるとされています。

ライン生産方式

「ライン生産方式」とは、ベルトコンベアなどで製品を移動させながら組み立てたり、パーツを取り付けたりして完成させる手法のことです。流れ作業でどんどん組み立てを行えるので、大量生産をするのに向いていますが、ラインの工程がしっかりと組まれているため、セル生産方式と比較するとやや柔軟さに欠けるとされています。途中で製造過程に大幅な変更を加えるのは難しいので、ライン生産方式を行う際は、特にしっかりとした生産計画が必要となります。

ロット生産方式

「ロット」とは、一度の生産で作れる製品の単位を表します。「ロット生産方式」は、あらかじめ生産できる単位(ロット)を定めておいて、その数を一度に生産してしまうというやり方です。同じ製品をずっと作り続けることが効率的でないような場合は、決められた個数だけ生産し、あとは他の製品をまたロット生産する、といったように、生産したいものを臨機応変に切り替えられるメリットがあります。

ライン生産方式にするほど大量生産するわけではなく、しかし受注した分だけ生産する形では追いつかない場合に、この方式が選ばれやすいとされています。

個別生産方式

「個別生産方式」は、受注した分だけ生産するやり方です。オーダーメイドのように顧客からの要望に応える形で作られるものもあれば、一つずつ手作業で作りつつも特定の個人に向けて作っているわけではない場合もあります。機械で均一的に大量生産するのではなく、要望に応じて細かい部分を変えて作っていくため、人の手に委ねられている部分が他の生産方式と比べて多々あります。

すべてが手作業で行われるわけではありませんが、個別生産方式はそもそも機械で量産できない製品を生産することが目的であるため、人の手によるところがかなり大きいといえるでしょう。顧客一人ひとりのニーズに合ったものが作れるという点が大きなメリットですが、大量生産はできないため、どうしても完成した商品の値段が割高になってしまうという側面もあります。

生産管理業務に欠かせない「ERP」とは?

生産管理を行うには、単純に生産するためのコストやスケジュールなどを調整するだけでなく、製造や品質なども含めた、生産から出荷までの工程を統括する必要があります。かなり幅広い分野になってくるため、生産管理部門だけでなく、製造部門や販売を行う営業部門など、企業内でもさまざまな部署とのやりとりも必要になり、その作業はどうしても複雑化してしまいます。

こうした煩雑になりがちな生産管理を助けてくれるのが「ERP」です。ERPとは「Enterprise Resource Planning」の略で、直訳すると「企業資源計画」となります。日本においては「統合基幹業務システム」とも呼ばれています。これは、企業の基幹となる業務を統合し、一本化することで業務をより効率化するために生まれたシステムです。

企業の基幹となる業務は、主に「会計業務」「人事業務」「生産業務」「物流業務」「販売業務」などが挙げられます。これらの業務は、経営の根幹に関わる重要なものでありながら、携わる部門が多岐に渡るために、情報の整理が追いつかないという悩みを多くの企業が抱えていました。このように複雑化した業務をうまく一元化し、効率よく社内全体を管理するために生み出されたのが、「ERP」と呼ばれるシステムなのです。

「ERP」を導入するメリット

ERPを導入する最大のメリットは、社内で煩雑になった基幹業務を一元化できるという点にあります。例えば、販売部門で何らかの変更があった場合でも、ERPを通して変更を行えば即座に変更内容が反映され、その内容をすぐに社内全体で共有することができるようになります。

そして社内共有の易化により、部門間でのやりとりが大幅に削減されるのもメリットの一つといえます。他部門の人たちとやりとりするためには、場合によっては会議の場所やスケジュールの調整など細々とした手間を要します。ERPで一元管理を行えば、こうした煩雑な手間に時間を割く必要はなくなり、その分業務をより効率的に行うことが可能となるのです。

また、こうした他部門とのやりとりの手間を省くということは、それだけ迅速に経営的な判断を下せることにもつながります。売り上げ・利益・コスト・製品や材料の在庫などの状況をリアルタイムで確認できるため、経営戦略を立てる際も素早く必要なデータを集めることができるのです。

その他、情報をまとめて管理することで、社内のセキュリティレベルも一元化することができる点もメリットといえるでしょう。社内の多岐に渡る情報をそれぞれの部門に任せていたら、機密情報をセキュリティレベルの低い環境下で管理していたというミスが起こりかねません。企業の機密情報や顧客情報を狙って不正アクセスを仕掛けるハッカーが増えている昨今、会社の重要な情報をまとめて高いセキュリティ技術で守ることができるのも、ERPが評価されている理由の一つです。

このように、社内で複雑化して散らかった情報を統一させることで、業務の効率性を一気に高めることができます。特に、あらゆる部門とのやりとりが頻繁に起こる生産管理においては、今や欠かせないシステムといっても過言ではないでしょう。

まとめ

製造業において、生産から出荷までの一連の流れはしっかりと把握しておく必要があります。そのために欠かせないのが「生産管理」ですが、携わる分野の幅が広いため、その業務は煩雑になりがちです。そのため、より効率的な管理を行うためにも「ERP」の利用は有効な選択肢の一つといえるでしょう。

Factory of the Future製造現場が抱える課題。解決の鍵は「デジタル化」です。

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