製造業における品質検査とは?品質管理を自動検査化するメリット

 2020.02.13  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

品質検査は製造業の品質管理において欠かせないプロセスです。従来、品質管理は人の手と目で実施されてきましたが、近年は人手不足の問題などさまざまな課題が指摘されています。そこで現在は品質管理にAIを用いて、検査を自動化する試みが行われているのです。品質管理の自動検査化のメリットを知り、自社への導入に役立てましょう。

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製造業の品質検査とは

製造業における品質検査とは、ものづくりの中で製品や部品の品質が規定に適合しているか評価する工程を指します。品質検査は、製品・部品が完成している状態なのか、あるいは不完全・不良の状態なのかを判別するための大切なプロセスです。

製品は、検査工程によって品質チェックを行い、基準を満たしていると認定されてはじめて完成した状態に至ります。原材料を加工したり部品を組み立てたりといった工程を経たからといって、すぐに完成に至るわけではありません。

製造においては、顧客の要求を満たすために、形状・構造・寸法・色などあらゆる項目において合格基準を定めるのが一般的です。また、製品・部品の特徴に応じて、キズ・汚れ・擦れ・凹凸など、発生しうる異変についても想定しておきます。そして、製造された製品・部品に対して、こういった基準を用いて適合品か不適合品かどうかの判別を行うのです。

近年は、コスト削減の目的で、検査工程の前段階である製造工程においても品質管理をする傾向があります。これは、品質検査工程で不適合品を判別するよりも、製造現場で不適合品を減らす取り組みをする方が効率も良く、コストも抑えられるという考え方が背景にあるためです。

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なぜ品質検査をする必要があるのか?

品質検査の大きな目的のひとつは、製品・部品の品質を保証することです。ここで使われる「品質」とは、顧客に提供する製品・部品、あるいはそれらを含むサービス全体が、顧客のニーズを満たしており、顧客を満足させられる水準に達している状態を指します。

製造に関わるビジネスでは、顧客が求めるレベルの製品・部品を、安定的に、決められた納期で納品することがメーカーとしての信用に結びつきます。仮に不完全な部品・製品を出荷してしまえば次工程でのトラブルや機械不良につながる可能性がありますし、万が一顧客のもとに届いてしまうとメーカーや販売業者の信用問題にもなりかねません。品質検査は、こういった事態を防止する重要な工程なのです。

また、出荷前の製品に不適合品がないかどうか検査することは、コストや手間の削減にもつながります。仮に品質検査が甘いと、不適合品であるにもかかわらず次工程に出荷したり顧客に納品したりするケースが増えるでしょう。不適合品は回収して再生産したり、あるいは廃棄したりする必要がありますが、これにはコストもかかりますし、担当者の手間も増加してしまいます。品質検査は、あらかじめ不適合品を検出して除外しておくことで、余計なコストを削減する目的もあるのです。

品質管理のポイント

品質管理においては、製品が完成した後に適合・不適合を検査するだけでなく、その前のプロセスを改善することが重要です。そうすれば、検査工程だけを追求するよりも、製造ミスや検査漏れといった大きなリスクを回避できる確率が上がるでしょう。そもそも品質管理とは、製品そのものの品質を保証するだけでなく、製造現場における工程を管理して業務改善につなげる役割もあります。ここでは、製造・検査・改善活動の3点に分けて、包括的に品質管理を行う方法について紹介しましょう。

製造工程での品質管理

製造工程の品質管理には、作業の標準化、教育・訓練、設備管理、工程管理といった方法が挙げられます。

作業の標準化とは、業務手順をマニュアルとして明文化し、それに沿って作業員に業務をさせる取り組みです。業務フローがマニュアル化されることで、作業漏れや属人的な癖を排除する効果があるほか、作業に慣れていない人物でもマニュアルを見ながら独力で作業させられるといったメリットがあります。

教育とは作業の方法や専門的な知識などを従業員に教えることを指し、訓練とは現場などで実際の業務フローに沿った形で作業させる取り組みです。こうした取り組みによって、作業員のスキルアップやモチベーション向上につながり、作業品質や業務効率が上がるといった効果も期待できます。

設備管理とは、製造現場において製造や検査に必要な機器・設備の状態を最適化する取り組みです。高品質な製品・部品を安定的に供給するには、一定の設備が必要なのは間違いありません。この取り組みによって、高いクオリティの製品・部品を製造するための環境を維持することを目指します。

工程管理とは、製造や検査の工程が最適かどうか、より合理的な方法がないか改善を重ねる取り組みです。工程を最適化・合理化することで、不適合の発生や流出防止を図り、品質を安定させます。

品質検査での品質管理

品質検査における品質管理には、製品の品質保証、工程能力のチェック、管理状態のチェックといった方法があります。

製品の品質保証とは、製造された製品・部品が、求められている基準を満たしているかどうか検査する工程で、検査の中核的なプロセスです。このプロセスには、品質の検査だけでなく、基準を定義する作業も含まれます。

工程能力のチェックとは、製品の品質検査の工程を観察し、そもそも的確に検査ができる工程なのかどうかを検証することです。検査工程そのものに不備があり検査漏れが生じてしまうケースもあるため、そのような不備を発見して工程を最適化します。

管理状態のチェックとは、検査業務や工程管理が適切に実施されているか監視することです。決められた手順に従っているか、工程を管理する方法は適切かをチェックします。

品質改善での品質管理

品質改善における品質管理には、不適合品の再発防止や、未然防止といった改善活動があります。

不適合品の再発防止とは、不適合品が発生した事案に対して、現状を分析した上でその原因を把握し、品質低下の防止を目指す取り組みです。再発防止に向けた改善活動においては、問題解決ストーリーを構築しながら行います。問題解決ストーリーとは、現状の把握や、不適合の原因分析、対策の立案といった手順のことです。こういった取り組みの中で、最適な解決策を導き再発防止に役立てます。

不適合品の未然防止とは、まだ発生していないものの、今後発生する可能性がある不備に備えて、あらかじめ対策を打つ取り組みです。工程に対して、定量的データや定性的な要素を用いて分析し、さまざまな潜在的トラブルを想定した上で、未然に防ぐための対策を行います。

AIによる自動検査のメリット

品質管理はこれまでは人によって実施されてきました。しかし、現在はAI(人工知能)やIoT(モノのインターネット化)といったデジタル技術の進展によって自動検査化されてきています。

従来であれば、品質管理は作業員が人力で実施するのが当たり前でした。例えば、品質検査の根幹である外観検査は、製品・部品の形状、構造、パッケージ、汚れ、凹凸といったさまざまな項目を、基準に照らして個体ごとに判別しなければなりません。ときには複雑な判断になることもあるため、機械が行うことは現実的ではありませんでした。

現在ではAI技術が発展しており、従来は人間が行っていたような適合・不適合の判別も可能になりつつあります。特にAIのディープラーニングと呼ばれる学習方法によって、人間ですら気づかなかったような異常を検知することもできるのです。

品質検査や管理を自動検査化し、AIなどのデジタル技術を導入することには、他にもさまざまなメリットがあります。AIは人間のように体調や疲労によって検査の精度が変わることがありません。また、定量的なデータから異常値を検出してトラブルを早期に発見することが得意です。こういった特性もあり、品質検査の自動化とともにAIの実用化が進んでいます。

まとめ

製造業において品質管理は品質保証や品質改善を行う重要なプロセスです。またデジタル技術の進展によって、品質管理の場面でもAIによる自動検査が導入されてきています。省人化だけでなく品質改善に役立つ可能性も秘めており、経営者や担当者は適切な活用が求められるでしょう。

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