時代に合わせて変化するスマートビルディングの技術。メリットや課題も紹介

 2021.09.30  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

オフィスビルがIoTと結びつくことで、スマートビルディングへと進化しつつあります。スマートビルディングは従業員の満足度向上や業務の効率化、そしてエネルギー消費の最適化まで可能にする、まさに次世代型のビル管理手法です。
ここでは、スマートビルディングのメリットや課題、実現のために必要な技術について解説します。

時代に合わせて変化するスマートビルディングの技術。メリットや課題も紹介

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スマートビルディングとは?

スマートビルディング(Smart Building)とは、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)を活用して、効率的かつ効果的に管理される建物を意味します。すなわち、建物の電気や空調、エントランスや部屋、トイレ、喫煙室などのあらゆる場所・設備にセンサーや制御装置を設置してインターネットで連携させ、設備とエネルギーを一元管理するものです。
これによって業務効率や利便性の向上、ひいてはエネルギー消費の最適化を図ります。スマートビルディングは、まさに“Smart”(賢い)という形容を具現化したような建物なのです。

Smart Buildings & Spaces 総合カタログ
MicrosoftにおけるSmart Buildings & Spacesへの取り組み

スマートビルディングの効果

スマートビルディングは、さまざまなメリットをもたらします。
これまでオフィスや店舗などでは、人の手で照明や空調システムを管理してきました。しかし当然、24時間365日、常に適切なコントロールを人の手で行うことは非現実的です。
「人の手」によるエネルギーのコントロールをIoTに移行し、一元管理することで、エネルギー使用のムラ・ムダが飛躍的に改善されます。また、センサーが従業員の在席や所在もチェックする、つまり労務管理も行うので、業務の効率化も可能にします。

さらに、スマートビルディングでは、個々人に適した照明や空調の設定も可能です。ほかにも、防犯カメラやエントランスゲート、フロアや部屋ごとの入退室管理、端末の使用状況まで常時監視します。これにより、不審者の侵入などを即座に検知できるので、安全性も向上するのです。

こうしたスマートビルディングにより、快適かつ安全なオフィス空間が実現されることは、従業員たちの満足度を高め、業務パフォーマンス向上へつながっていきます。

スマートビルディングの課題点

スマートビルディングには多くのメリットがある一方で、いくつかの課題点もあります。

スマートビルディングは、すべて電力によって管理・運用されています。そのため、停電などが原因で電気の供給がストップすると、完全に機能を失ってしまうリスクを常に抱えているのです。

また、常時インターネットに接続しているため、従来のアナログシステムと比較すると、サイバー攻撃を受ける可能性が高くなります。

上記のようなデメリットを克服するためには、定期的なメンテナンスを行い、トラブル時に迅速に対応できる環境を整えなければなりません。すべてをシステムに管理されたスマートビルディングであっても、時として「人の手」が必要であることに留意しておきましょう。

スマートビルディングの技術

スマートビルディングはさまざまな技術によって支えられています。ここでは、基盤となる技術について解説します。

BEMS(ビルエネルギー管理システム)

スマートビルディングの中心となるのが「BEMS(Building Energy Management System:ベムス)」です。
BEMSは建物内のエネルギー消費を計測・コントロールし、快適かつ最適化された環境を提供するビルエネルギー管理システムです。具体的には照明や空調の利用状況をセンサーで監視し、建物内のエネルギー消費を「見える化」します。
つまり、「いつ」「どこで」「何が」エネルギーを使っているかを把握して端末などで表示し、効率よくコントロールすることで、消費電力やピーク電力を低減できるのです。結果的に建物全体でムリ・ムダのないエネルギー消費が実現されます。

また、BEMSは現状のコントロールだけでなく、過去のデータを基にしたエネルギー需要の予測も可能です。

IoTを含むテクノロジー

スマートビルディング実現の鍵となる技術は「IoTデバイス」「仮想化」「アナリティクス」です。

IoTデバイスは、AIの活用により今後さらに小型化と高速化が進み、かつデバイス自体や通信のコストは低減するでしょう。
仮想化はスマートビルディングのシステムをシンプルにするだけでなく、コストも削減します。
そしてアナリティクスの技術が、デバイスから得た膨大なデータを分析して効率化を追求するのです。

この3つのテクノロジーと制御系アプリケーションが連動することで、スマートビルディング化が実現します。

スマートビルディングを支えるインフラ基盤

設備機器の監視や制御を担うシステムと制御系アプリケーションの効果を最大限に発揮させるには、テクノロジーインフラ基盤を整える必要があります。インフラ基盤の機能としては「標準化された仮想化技術」「高い連続可用性」「システム全体を包括できるインフラ」が必要です。

こうしたスマート ビルディング実現には、複数のベンダーやテクノロジーが関係します。そのため、さまざまなアプリケーションをサポートでき、かつ、仮想化技術にも対応可能なインフラ基盤を整える必要があります。
さらに、スマートビルディングは24時間365日の連続稼働を担保しなければならないので、連続可用性を提供するプラットフォーム構築は絶対条件です。
加えて、仮想化によりシステムがシンプルになるとはいえ、デバイスや仮想サーバの数は増加します。そのため、すべてのデバイス、アプリケーション、ハードウェアを包括できるインフラ基盤が必要不可欠です。

スマートビルディングを適切に進めるには?

スマートビルディング化を実際に進める際は、次の点に注意しましょう。まず、スマートビルディングの中核を担うBEMSについて、正確な認識が必要です。次に、建物の空調の利用履歴など、利用すべきデータを調査します。このとき、UIや導線設計にムダがないかもあわせてチェックしましょう。
そして、スマートビルディング化のパートナーを選定します。自社だけでスマートビルディング化のすべてを担うのは非常に困難です。昨今は、スマートビルディング化の実績を持つIT企業が増えています。

多くの企業からパートナーを選ぶポイントは、「照明や空調、人の動きなどさまざまなデータをネットワークでつなげて統合的に表示・分析・操作・管理できるノウハウ」を有しているかどうかです。そのようなノウハウを持つ企業なら、ビル管理とネットワークが連動するソリューションを提供可能なので、自社の理想とするスマートビルディングを実現できるでしょう。

まとめ

業務の効率化だけでなく、効率的なエネルギー消費まで実現するスマートビルディングは、ビルの監理者だけでなく、そこで働く人々に多くのメリットをもたらします。また、国際規模の取り組みであるエコ社会の実現にも寄与できます。次世代のスタンダードとなるスマートビルディングの実現に向け、具体的な検討を始めてみてはいかがでしょうか。

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