スマートコンストラクションとは?コマツが目指すスマート工場の凄さ

 2020.02.19  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

コマツ(小松製作所)はグローバル展開する建機メーカーです。同社はIT技術やIoTを取り入れ、スマート工場化を推進してきました。クラウドサービス「Microsoft Azure」を活用することで、効果的なデータ収集が可能になり、生産性向上にもつながったのです。今回はこのコマツが目指すスマート工場についてご紹介します。

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小松製作所と人材不足への課題

株式会社小松製作所(以下、コマツ)は連結売上高2兆円超、グループ従業員数が6万人を超える製造業大手です。建設業や林業などで用いられる各種機械の製造に強みを持っており、事業としては建設・鉱山機械、ユーティリティ(小型機械)、林業機械、産業機械などの製造・販売を手がけています。早い段階からグローバル展開もしており、海外売上高の割合が全体の約9割を占めるグローバル企業です。品質と信頼性を追求し、企業価値を最大化することを経営指針に掲げており、具体的な内容を「コマツウェイ」という社内共通の価値観で定義しています。

同社は、工事現場などで用いられる建機を製造・提供することが事業の中核です。しかし、同社の事業を持続するには、製品の製造現場において安定的に人材を確保したり、生産性を向上させたりする取り組みも行わなければなりません。

現在、日本全体で少子高齢化が進み、労働人口が減少に向かっていく中、特に製造業の現場は深刻な人手不足に直面しています。そこで、製造を行いたくても実行するための人員が不足したり、次世代を担う人材の育成が難航したりといった問題が発生しているのです。働き方改革への社会的関心も強まる中、生産性向上や業務の効率化といった課題は、もはや先延ばしできなくなりつつあります。そのような課題に対して、同社はメーカーとして自らそのような課題を解決しようと取り組みを推進してきました。

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「KOM-MICS」で生産現場を可視化

「KOM-MICS」とは、コマツがこれまで行ってきたスマート工場基盤を構築する取り組みです。「KOM-MICS」とは、コマツ独自のIoT(モノのインターネット化)のアプリケーションで、現場で利用されている工作機械といった製品と工場における生産のプロセスデータを連携して収集・蓄積する仕組みになっています。

生産データを可視化することで、工場の機械を停止させず、歩留まりを改善させ、トレーサビリティの精度向上や予知保全を目指すことができるようになります。データ分析によって、現場の最適化・効率化に向けた施策立案をサポートするという目的もありました。

そもそも、このような生産改革を進めなければならなかった背景としては、人手不足の他に同社特有の課題があったようです。同社では多品種少量生産のため、生産する製品によって工場の生産体制を調整しなければならず、その間はラインが止まるといった非効率な状態でした。そこで、機械の稼働時間を増やす仕組みができれば、人員も設備も現状のまま生産量をアップできると考え、生産性2倍という目標を設定したのです。

改革を進めるには、工場の稼働データを収集し、分析できるようなシステムの構築が求められます。従来は特定のロボットのコントローラーからデータ収集をするという取り組みをスタートさせましたが、一定の成果があり大規模化を計画します。その際、増え続けるデータ量に対して、自社設備内のオンプレミスだけでは処理能力に限界があることに気が付きました。そこで、クラウドサービスを活用するという方針のもと、プロジェクトが推進されることになったのです。

対象拠点が急速に拡大

コマツが「KOM-MICS」を推進するにあたってシステム構築の手段として選択したのは、「Microsoft Azure」でした。このAzureとは、個別の製品やソリューションを組み合わせて、自社に合ったアプリケーションを構築できるというクラウドサービスです。

コマツがAzureを活用したことで、対象拠点の拡大ができるようになりました。Azureはクラウドサービスのため、クライアントはストレージやデータベースといった機能をPaaS形式で利用できます。そのため、必要に応じて必要な分を確保しやすく、接続数が増え続ける機械や端末に対しても柔軟に対応できたのです。

また、災害への対応力も強化されました。オンプレミスであればサーバーをはじめとする設備を自社管理のもと構築することになります。その場合、台風・洪水・地震といった災害に対して自社で対応しなければなりません。しかし、Azureのようなクラウドサービスであれば、必要なインフラは提供社側が管理します。ベンダーはシステムの安全性や持続性について、多くのリソースや知見を蓄積しており、より高度な対応が可能になるのです。

さらに、短期間での移行にも成功しました。コマツの生産部門には、IT部門のようにIT技術やセキュリティに詳しい人材が多いわけではなかったため、当初は導入のハードルが高いと見込んでいたようです。しかし、Microsoft社はコマツのニーズや方向性を汲み取ったうえで、綿密なサポートを実施し、スムーズな導入につながったといいます。

生産現場の可視化で実現できたこと

コマツは「KOM-MICS」への取り組みによって、生産データを収集・管理する仕組みを構築し、現場の可視化を推進しました。その結果、実現できたことがあります。

1つ目として、従来よりもさらに的確かつ深い改善案が提案できるようになったことが挙げられます。例えば、工場の機械や設備の稼働データが収集できるようになったことで、工作機械に負荷がかかりすぎているのか、あるいはキャパシティに対してまだ余力が残っているのかが把握できるようになりました。仮に掘削機の負荷が小さいのであれば、その間は掘削量が少ないということを意味しています。加工プログラムを変更して速度を上げれば、加工にかかる時間短縮が可能です。あるいは、負荷が大きすぎるようであれば、方法を変えたり、過度な負担を抑えたりできるでしょう。このように、従来は人が目で見るだけでは判断が難しかったようなケースでも、IoTによって定量的に分析できるようになり、より的確な改善につなげられるようになったのです。

2つ目は、生産の効率化という効果が挙げられます。データ収集にあたっては、生産機械単体のデータだけでなく、生産に関わる一連のデータを分析しました。これにより、精度の高い改善が可能になったのです。コマツは協力会社に生産委託している比率が大きいため、自社内だけでなく協力会社への承諾を得たうえで包括的な取り組みを実施。特定のわずかな設備のデータだけではわからなかったような改善案も発見できるようになり、効率化に貢献しました。

導入製品とサービス

Microsoft Azureにはさまざまな製品やソリューションが含まれており、これらをカスタマイズできます。例えば「Azure IoT」は、M2Mソリューションとしても使えるクラウド機能の1つです。

また、「Azure SQL Database」は、クラウド内で使用できる高機能SQLです。コマツも利用しているサービスで、99%以上の可用性を確保しながら、オンデマンドでアプリケーションのスケーリングが実施できます。

「Azure Synapse Analytics」とは、高機能データ分析サービスです。ビッグデータや機械学習にも対応しており、大量のデータを超高速で扱えるという特徴を持っています。その他、豊富なStorage製品や、分析や対話に活用するBI(ビジネスインテリジェンス)製品も揃っています。

まとめ

人手不足やグローバル化などの課題がある中、製造現場の効率化や生産性アップは製造業にとって急務です。コマツはAzureというクラウドサービスによってスマート工場化を推進し、大幅な改善につなげました。このような事例から、IT化やICT化への取り組みが解決策の1つとして有効だといえるでしょう。

Factory of the Future製造現場が抱える課題。解決の鍵は「デジタル化」です。

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