マイクロソフトのスマートファクトリは未来の工場をどう変える?

 2020.01.31  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

テクノロジーの進化によって、製造業の在り方は変化しつつあります。今後も進化が続けば、未来の工場はどのように変化していくのでしょうか。この記事では、マイクロソフトの考えるスマートファクトリを例に製造業の未来を検証します。

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未来の工場はどうなる?

ものづくりの現場は、デジタルテクノロジーによって大きな転換点に差しかかっており、未来の工場はデジタル技術を駆使したスマートな形に変わっていくことが見込まれています。製造業において特に重大な影響をもたらしつつあるテクノロジーは、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット化)です。では、未来の工場の姿とは一体どのようなものなのでしょうか。

AIの進化

AIの進化によって、工場は自動化、効率化、合理化がなされ、データを最大限活用する方向に向かっていくと予測されます。例えば、AIは膨大なデータを分析して傾向やパターンを発見することに長けており、不良品の検出やエネルギー利用の最適化といった判断に役立ちます。AIは、従来から人間が行っていた判断や作業をサポートするので、人間は検品や組み立てといった単純作業よりも、むしろ付加価値を創出する管理などの業務にリソースを割けるようになるのです。

IoT化

IoTを活用すれば、センサーによって生産ラインや機械設備の稼働状況が可視化しやすくなり、最適な工場運営が可能になるでしょう。また、遠くにいながらでも工場の様子を把握できるため、常時モニタリングや遠隔操作にも適しています。データの収集・分析が効率的になるだけでなく、時や場所を問わず工場運営が可能になるのです。

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スマートファクトリとは

現在実現できている未来の工場の形にスマートファクトリがあります。スマートファクトリは、IoTなどの技術を用いて構築された工場です。工場内の機器や設備、作業員といったあらゆるデータを収集・管理して、業務効率化や生産性向上などの効果を実現しています。

ドイツでは「インダストリー4.0」として製造業のデジタル化を国・産業界が一体となって推進しています。スマートファクトリ化はそのプロジェクトにおける重要なテーマの1つです。そのほか、世界的にも大手IT企業と製造業が協業し、工場のスマート化に取り組んでいます。

マイクロソフトの考えるスマートファクトリ

マイクロソフトは、製造業のスマートファクトリ化をサポートするために、さまざまなテクノロジーやサービス開発に取り組んでいます。ここではものづくり領域においてマイクロソフトが行っている施策や、バリューチェーンの構築について解説します。

あらゆるものづくりの課題を、デジタルで解決

マイクロソフトは、ものづくりを行うにあたって直面する課題をデジタル技術で解決することを目指しています。具体的にどのような解決策を提供しようとしているのか見てみましょう。

製造機器の常時監視

デジタル技術を活用すれば、製造機器を常時監視できるようになります。
機器のモニタリングは多くの工場ですでに実施されている技術で、それ自体はさほど珍しいものではありません。しかし、機器が旧式でデータが収集できないものであったり、データ形式がばらばらであるため管理に手間がかかったりして、モニタリングが有効的に機能していない場合もあります。

スマートファクトリであれば、製造機器のデータ収集や可視化がスムーズになります。例えば、IoT機能の備わったセンサーを使用すれば、ほとんどの機器のデータを低コストで収集できます。また、クラウドを活用すれば機器データの一元管理も可能です。稼働率や稼働状況を把握しやすくすることでモニタリング業務が効率化できるほか、データを活用して故障予知も可能になるでしょう。

画像認識

ものづくりの現場において、画像認識技術は不良品の発見に役立ちます。これまで、製造業の検査工程は、人の目視に頼らざるを得ない場面が数多くありました。なぜなら、食品や精密機械などの複雑な構造の製品は、個体ごとに形状が異なったり、チェック項目が多かったりして、機械が適合・不適合を判定するには限界があったためです。

しかし、人の目視にばかり頼ると、検査のために作業員を教育しなければなりませんし、人手不足にもかかわらず検査に人員を割かなければなりません。また、人が検査を行う以上、ヒューマンエラーを完全に排除するのは難しいという課題があったのです。

現在開発や実用化が進められている画像認識技術を用いれば、検査工程において高いパフォーマンスを実現できます。AIの深層学習(ディープラーニング)では、大量の画像データを読み込ませることで、自ら特定のパターンを検出し、適合品と不適合品を自動的に識別できるようになります。その結果、高精度化かつ高速化が実現し、データから不良品が発生しやすい状況も分析できるので、オペレーションの改善にも役立つことでしょう。

VRによる遠隔支援

VRとは、現場にいなくてもゴーグルなどを装着するだけで、あたかもその場にいるかのような体験ができる映像や音声を使った技術です。また、VRを応用して、現実の光景と仮想の映像を組み合わせて複数の世界を同時に演出できる複合現実という技術もあります。こういった技術を製造業で応用すれば、遠隔での支援や人材育成が効率化できます。

製造現場では、作業手順やマニュアルなどが定められており、マニュアルでは伝えきれないさまざまなノウハウも存在するため、作業員の習熟のためにはベテラン社員がつきっきりで教育するコストがかかります。しかし、VR技術を使えば、作業中の新人が装着しているゴーグルにマニュアルを表示させたり、離れた場所にいるベテラン従業員が新人に対してゴーグル越しに作業を指示したりといった取り組みが可能になります。

また、緊急時においても、ベテラン社員が現地に向かわなくても、その場にいる作業員と遠隔で接続すれば、リアルタイムで的確な指示を出せ、スピーディな対応が可能になるでしょう。

エネルギーの最適化

デジタル技術によって製造現場の省エネルギー化も実現できます。
スマートファクトリでは、IoTによって製造設備の稼働状況やエネルギー消費量をモニタリングすることができます。特に、IoT技術の発展によってインターネット接続が可能な新型の機器だけでなく、ネット対応していない旧式の機器向けのセンサーも登場しており、低コストで現場データの収集が可能になっています。その結果、工場においてどの機器がどのような時にエネルギー消費量が増えているのかといった傾向も可視化できるようになり、省エネルギー化の対策が立てやすくなっています。

また、工場の冷暖房機能についても効率的なエネルギー利用が可能です。工場の各地にセンサーを設置すれば、エリアごとの温度を把握できるため、冷暖房を重点的に強化すべき場所とそうでない場所が区別できます。また、熱を放出する機器のある場所や作業員が作業する場所、室内温度との関係も分析すれば、エリアごとにピンポイントで最適な冷暖房の利用量が把握できるでしょう。

工場にとどまらない、バリューチェーンの最適化

マイクロソフトは、ものづくり環境の改善にとどまらず、企業のバリューチェーンを最適化することも目指しています。バリューチェーンとは、事業活動を機能に応じて仕分け、どの部分が付加価値を創出しているのか、自社の競争優位性や弱点は何なのかを明らかにする考え方です。

製造業のプロセスは、設計・エンジニアリングといった企画開発部門、工場などの生産部門、顧客対応・アフターフォローなどのサービス部門、流通・運送などのトランスフォーメーション部門に分けられます。これらの部門を独立して扱うのではなく、データをリアルタイムで連携することで、どの活動から付加価値が得られているかを総体的に判断することができます。

スマートファクトリの導入とバリューチェーンの最適化を行うことで、コストの削減と収益率のアップが図れます。

まとめ

ものづくりの現場は、AIやIoTといったデジタル技術によって変革期を迎えています。今後普及が見込まれるスマートファクトリは製造業の生産性アップや効率化などに大きく貢献するでしょう。経営者や担当者は技術の可能性を理解しつつ、テクノロジーによる変革に備える必要があります。

Factory of the FutureAIで自動化する、製造業の新しい「ものつぐり」

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