日本が抱える社会課題とは?解決に向けてIT技術ができること

 2022.01.31  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

少子高齢化社会や人材不足、都市や環境問題などが広がる中、ビジネスを通じてこういった社会課題と向き合い、解決に向けて活動をする企業が増えています。これから取り組もうとうする場合、まずは社会課題の解決には具体的にどのような課題があるのか理解することが重要です。本記事では課題とその解決に向けたポイントを解説します。

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社会課題にはどんなものがある?

社会課題とは「一般層にまで知れ渡っている、社会システムの欠陥や矛盾から生じた解決すべき課題」を指します。環境、資源、経済、人権、文化、労働、教育、人口、医療、地域など様々な分野で課題が存在し、それらの課題は私たちの生活に大きな影響を与える恐れがあります。具体的には大小問わず発生する犯罪や、自然災害、少子高齢化、労働不足、環境汚染、医療や福祉の未整備、インフラ老朽化、男女差別、いじめなど身近にある課題から国際的な課題まで多岐にわたります。また、必ずしも全て顕在化しているわけではなく、水面下で進行している課題も多くあります。

世界規模で見ると各国で様々な運動が起きています。例えばアメリカでは黒人差別の撤廃を訴える「BLM(Black Lives Matter)運動」や、性暴力に対する社会の認識の低さを変えるきっかけとなった「MeToo運動」などが挙げられます。

環境汚染・破壊も世界中で社会課題として挙げられており、大気汚染やマイクロプラスチック、森林伐採、水不足、食糧不足、絶滅危惧種の増加などが危険視されています。そのため脱炭素のような目標が掲げられ、多くの企業は環境問題を配慮した事業モデルへと舵を切っています。

近年では新型コロナウイルスの世界的流行による医療崩壊や経済活動への打撃などが課題として連日報道されています。人権問題や貧富の差など他の社会課題と影響し合い、それまで潜在的に隠れていた問題も顕在化するといった事態となりました。こうした背景から、様々な社会課題に対して改善できるように取り組むことが多くの企業に求められています。

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日本が抱える主な社会課題

日本が抱える社会課題も環境、資源、労働、教育などと多岐にわたりますが、その中でも代表的なのが「貧困問題」「少子高齢化」「人材不足」「後継者不足」「長時間労働」「待機児童」「介護問題」が連日話題として挙げられています。

さらに新型コロナウイルスの世界的流行による影響を日本も受けており、医療崩壊やデジタル環境の脆弱性、教育格差の拡大などが発生しています。

日本は災害大国と呼ばれるほど年間を通じて自然災害の発生が多いのも深刻な問題です。地震や台風、大雨、洪水、土砂崩れ、豪雪など多くの災害が発生しやすい点も日本が直面する深刻な社会課題です。

少子高齢化の影響を受けて「人口減少社会」も重要な課題です。それにより、労働環境における人材不足のみならず、後継者不足による企業の倒産や技術の消失、介護問題、空き家問題など様々な課題が同時に浮き彫りになってきています。20〜39歳までの人口が減少することで「消滅可能性都市」と呼ばれる課題も顕在化しています。東京などの特定の都市に人口が集中する極点社会などの課題と合わさり、将来的には特定の都市機能が停止するといった深刻な状況になる恐れがあります。

IT技術が社会課題の解決に向けてできること

企業が社会課題に取り組む場合、IT技術を活用して貢献や改善を行うのがひとつの方法です。国内外問わず様々な企業が、人々の安全で健康的な生活を脅かす貧困や健康、情報へのアクセス、労働環境、地域コミュニティなどの課題解決に向けて取り組んでいます。
ここでは、IT技術で社会課題解決を実現する取り組みについて紹介します。

AIを活用した取り組み

AI(人工知能)を活用した社会課題解決に向けた取り組みが近年注目されています。AIは複雑で大規模なビックデータからパターンを見つけ出し、知能的な対応(課題解決の提案や反復作業の自動化、最適な状態への適応、正確性の高い分析)を実現するプログラミングです。AI技術には環境問題や人権問題、高齢化社会、人材不足、医療崩壊などの社会課題を解決できる可能性があり、現に多くの分野で導入が進んでいます。

例えば、GoogleとNOAA(米海洋大気庁)は共同で、絶滅を危惧されているザトウクジラの保護にAI技術を活用しています。AIで海底マイクから録音した10万時間に及ぶオーディオデータを解析し、クジラの鳴き声を検出できるアルゴリズムを構築。その結果、ザトウクジラの行動を調査できるようになり、保護活動へと繋がっています。

また、医療現場でもAIは活用されています。2021年5月、同じくGoogleはAIを活用した皮膚病判定支援ツールのアプリを公開しました。これは、スマートフォンで撮影した写真をAIが解析し、いくつかの質問に回答することで自動診断が行われ、疾患の可能性を教えてくれる技術です。医療分野でAIが普及すると、将来的に早期発見が難しいがんを見つけることができるようになるかもしれません。世界的な医師不足の中でも、AIによって多くの医療に関する社会課題の改善が期待されています。

東京都水道局は労働人口の減少を解決するために、業務工程を見直し、無駄を削減し、省人化に役立つAIチャットボット「水滴くん相談室」による問い合わせ対応を導入しました。これにより、従来の労働環境では実現できなかった24時間365日の対応ができるようになりました。利用者は時間に縛られずに好きなタイミングで活用でき、利便性も向上しています。また、各種手続きを行う際のサポートもカバーしているので従業員の負担を減らせ、労働環境の改善にも大きく貢献しています。

AI技術は導入するだけでなく、AI開発プラットフォームを使えば「顔と感情の認識」や「音声認識」「テキスト分析」「自動化」を実現するプログラミングを開発できます。

例えばMicrosoftが提供している「Microsoft AI」を使えば、AIプロジェクトを実施することも可能です。製造業であれば、製造プロセスを最適化し、工程の自動化や教育環境の構築などを実現します。他にも医療機関や政府などの公共機関、金融サービス、小売業、メディア&エンターテイメントなど様々な業界でMicrosoft製品がAI開発を促進させています。また、MicrosoftはAIを組み込んだアプリケーションをいくつもリリースしているため、自社の抱える社会課題の解決にも効果的です。

働き方改革の支援

IT技術は働き方改革の分野でも効果的に機能します。現在日本では、少子高齢化社会による労働人口の減少や長時間労働による生産性の低下、デジタル人材不足によるIT化の遅れなど、様々な課題が蓄積しています。特に新型コロナウイルスの流行によってテレワークの導入が進む中、労働環境や管理システムの非効率性が問題視されました。そうした企業内に潜む課題もIT技術によって改善が可能です。

働き方改革の中で特に議題に上がるテーマとして、「多様で柔軟な働き方」があります。時間や場所を有効に活用する働き方として導入が進んでいるのが「テレワーク」ですが、導入する際にインターネット環境やサイバーセキュリティ、情報管理などの問題を解決する必要があります。それらの解決策として、様々なアプリケーションが開発されています。

例えば、Web上での会議をスムーズに行う「Web会議システム」を導入することで場所に縛られることなく、テレワークでの業務を実現できます。また、会計・人事・在庫管理などの基幹システムを統合し、一元管理を実現する「ERP」を導入すれば、業務の効率化や標準化が実現し、新人とベテランの質を平準化することも可能です。他にも、手動で対応していた作業を自動化する「RPA」の活用により、限られたリソースを適切な業務に割り振りやすくなり業務効率化や生産性向上が期待できます。

まとめ

日本は環境、資源、人権、教育、労働、人口、医療、地域など多くの社会課題を抱えています。そうした社会課題を解決する方法の一つにIT技術が期待されており、多くの企業で導入が進んでいます。開発プラットフォームを利用すれば自社での開発も可能です。取り組む際は、まずはIT技術の活用に焦点を当て、自社にできるところから進めていきましょう。

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