ThingWorxとは?産業系IoTの特徴や導入メリットを解説

 2020.11.18  デジタルトランスフォーメーションチャンネル

米企業のPTCが開発・提供するThingWorxは、データ取得・活用に関して企業が抱えている課題をIoTで解決するためのソリューションです。

IoT活用を検討するにあたり、詳しい特徴や導入事例を知りたいと考える方に、ThingWorxの特徴や導入事例について詳しくご紹介します。

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そもそもIoTプラットフォームとは?

IoT(Internet of Things)とは、今までインターネットに接続していなかった機器の情報をインターネット上に蓄積・分析して新たな価値やビジネスモデルを生み出す技術です。機器に設置したセンサーから温度、湿度、振動といった様々なデータを取得し、それをサーバーへ蓄積してデータを分析し、通知や操作といったアクションを返します。

IoTは産業界でも特に製造業で積極的に活用されています。生産性向上や付加価値工場、サプライチェーンの最適化など、AI(人工知能)と並んで期待されている技術分野です。

IoTに必要な基盤機能をクラウド上などで提供するサービスがIoTプラットフォームです。IoTプラットフォームを活用することで、企業は一からシステムを開発しなくても安全にIoTに必要な機能を利用でき、開発期間やコストを抑えることができます。いわばIoTプラットフォームは、クラウドを介してデバイスやネットワークをつなぐ「IoTサービスの心臓」とも呼べる存在です。

IFS IoT ビジネス・コネクター
High Performance Computing with Cloud System

ThingWorxとは?

「ThingWorx」とは、製造業向けの支援システムを開発・販売する米企業、PTC(Parametric Technology Corporation)が提供する統合IoTプラットフォームです。「ThingWorx」は永久保存と永続改修に対応しており、ビッグデータの収集と解析、アプリケーション開発といった一連の業務を一つの基盤で行えます。

生産設備を持つ多くの企業では様々な課題を抱えています。例えば「働き方改革やテレワークの要望に応えるために遠隔で機器を管理できるようにしたい」、「全社のデータを効率よく分析するために、各拠点でばらばらに取得・管理している情報を一元管理したい」、といったことです。「ThingWorx」はこれらの課題解決のために、導入までの負担が少なく効率的に利用できるソリューションとして、世界中で2,000社以上の企業に利用されています。

ThingWorxの特徴

「ThingWorx」の最大の特徴は、ノーコードでIoTアプリケーションを開発できる機能だけでなく、産業用IoTとして必要な機能をワンストップで提供している点です。

同社で提供しているAR(拡張現実)開発プラットフォーム、「Vuforia」も組み込まれており、製造現場でARを活用したアプリケーションも少ない工数で開発することが可能です。IoT機器から取得したデータに基づくアラートや作業指示などをARで表示することで、作業ミス軽減や効率化につなげることができます。

また拡張性が高く、標準的なイーサネットや産業分野で普及している「Modbus」を始め、「OPC UA」(OPC Unified Architecture)や「MQTT」(Message Queue Telemetry Transport)といったメジャーなIoT対応プロトコルのほか、150以上のプロトコルに対応、産業機器同士を簡単に連携できます。

「Microsoft Azure」や「Amazon AWS」などの他社クラウドサービスや工場で使われるMES(製造実行システム)、既存のエンタープライズシステムにも連携可能です。

さらにマーケットプレイスではサードパーティが開発した「ThingWorx」用のプラグインを提供しています。必要な機能を自由に追加することで、より高度で柔軟な活用ができるようになっています。

セキュリティ上の都合でクラウド環境に接続できない企業にも配慮し、システムはオンプレミス、クラウドどちらの環境でも展開できるという点も重要です。

ThingWorxのデモ

こちらのビデオではThingWorxのイメージをご確認いただけます。例えば、ThingWorx はプラント管理者からサービス技術者まで、排水処理プラントなどの重要な基盤の稼働を支援します。わかりやすいUIによる設備監視、予測分析、サービスの実現がThingWorxで可能になることをご確認ください。

ThingWorxの主な機能

「ThingWorx」には複数の機能があります。ここではメインとなる機能を二つ紹介します。

ThingWorx foundation

中心機能であるThingWorx foundationは、ドラッグアンド ドロップでIoTアプリケーションを設計・開発できる機能です。開発時に必要となるラベル、チャート、ボタン、地図などの部品が事前に用意されているため、効率よく開発できます。また、従来よりも格段に開発期間が短縮できるため、必要なアプリケーションがスピーディに準備できます。

ThingWorx Analytics

ThingWorx Analyticsは、センサーが取得・蓄積したデータを分析する機械学習機能です。本来であればAIで個別に開発する必要がある高度なパターン認識や異常検知、予測分析機能などをデフォルトで備えています。これによって企業が抱える問題・課題を迅速に把握し、問題解決の時間を大幅に削減します。視覚的にわかりやすくシンプルなインターフェイスを提供しているため、AI開発スキルがない担当者でも無理なく分析を行うことができます。

ThingWorx Utilities

ThingWorx Utilitiesは、IoT機器の情報や管理をリモートで監視する機能です。アラート機能、スケジュール管理機能などを備えており、リアルタイムで情報を表示できます。そのため、グローバル展開している企業でも全体で一貫したIoT情報を共有できるのがメリットです。

ThingWorx導入のメリット

「ThingWorx」を導入することで、工場業務の安全性が向上します。安全性の品質を維持することで、顧客からの信頼を獲得できます。また、複数拠点で生産を行っているためにデータが分散してしまう企業でも、機器データを一元管理し、リアルタイムに確認することができます。それにより工場内の稼働最適化や効率化が実現するほか、分析で得た知見を活かして新たなビジネスモデルを生み出すことも可能です。

ThingWorxの活用事例

「ThingWorx」は世界中で活用されています。ここでは3社の活用事例を紹介します。

住友ゴム工業

タイヤ製造を行う住友ゴム工業では、複数ある工場の一元管理ができていませんでした。そのため、各工場で生産設備の仕様が変わることや、各工場で共通する内容にばらばらで取り組み、非効率的であることなどが課題となっていました。

そこで名古屋工場では「ThingWorx」を導入、工場内の生産設備や別拠点にあるシステムのデータを統合管理し、リアルタイムで稼働データを確認できるようにしました。稼働状況を可視化、取得したデータを分析することで生産設備の効率化や高品質化を実現しています。同社では「ThingWorx」を、2025年までに12拠点ある国内外全工場へ導入する計画です。

日立製作所

日立製作所では、陽子線がん治療システム「PROBEAT-V」の運用監視に「ThingWorx」を採用し、予防保全に活用しています。機器のデータを取得して稼働管理・故障検知を行うほか、不具合発生時にはリモートメンテナンスを実施して時間短縮を実現、さらに定期的に発生する調整を遠隔で実施してコスト削減につなげるなど、保守効率を向上させています。

さらに2020年にはPTCと協業、製造業におけるデジタルトランスフォーメーションの推進を行っていくことを発表しています。

Brembo

Brembo(ブレンボ)社はイタリアに本社を置き、産業用車両やブレーキシステムなどを開発する世界的なメーカーです。

同社では12カ国、40以上の工場にはそれぞれ独自のシステムが稼働しており、データは豊富にありました。しかし、それらのデータを統合できていなかったため、分析にうまく活用できていないという課題がありました。

そこで「ThingWorx」を導入して他拠点のデータを統合、リアルタイムで稼働状況を把握できるようにしたほか、作業者に対してアラートやサポート情報を表示するしくみを構築。これにより工場機械の稼働状況を最適化するなど同社の収益増加に貢献しました。Brembo社は、他の製造拠点にもこのソリューションを展開する計画を立てています。

まとめ

製造業界ではIoTプラットフォームの需要が急激に高まっています。なかでも産業IoTソリューション・プラットフォーム「ThingWorx」は、コーディングスキルがなくてもIoTアプリケーションを短期間で開発でき、その利便性の高さから導入数が増えています。「ThingWorx」はデジタルトランスフォメ―ションの課題解決に特化した製品といえるでしょう。

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